湿疹、あせも、アトピー、、、


子供のお肌のトラブルは非常に多いです。


当院で僕の診療を受けた方はご存じかと思いますが、僕はとにかくスキンケアを重視した皮膚ケアを勧めます。


小児科医にしろ皮膚科医にしろ、スキンケアの指導をしない医者が多すぎる!!

(以前の記事「皮膚科選びには気をつけましょう」を参照)


子供の皮膚の病気もよく分からずただプロペトとステロイドだけ処方するだけの皮膚科医などは論外ですが、小児科医にもそういった先生がいるのは困りものです。


以下に当てはまる先生には気をつけましょう。


1.初診からいきなりステロイドを処方する

生後2か月の乳児湿疹に対して、いきなりステロイドを処方する医者がいたりします。

ステロイドは悪いものではないですが、初めて診た患者さんにいきなり処方するもんじゃないと思います。


2.プロペト(ワセリン)を多用する

もはや現代においてワセリンによる保湿は古い!

ただベタベタするだけで保湿効果は低いし、こんな30年前のお薬を使う先生はどうかと思います。

子供の病気を知らない皮膚科医が多用する傾向にあります。

僕は絶対に使いません。


3.良くならないのに毎回同じ薬を処方し続ける

皮膚症状は、適切な治療をして早く治してあげないと、傷が慢性化して瘢痕のようになってしまいます。

アトピーなど特にそうですが、まず綺麗な状態まで持ちあげてから、それを維持する、というのが治療の基本であり、良くならないのに漫然と同じ薬を使い続けるのは酷いです。


4.処方するだけでスキンケアの指導をしてくれない


ここが本題です。

ただ処方するだけなら誰だってできます。

お子さんに起こっている病態をちゃんと把握して、それに応じたスキンケアをしなければ皮膚の病気は治りません


スキンケアの基本は、お肌の清潔をキープすることと、保湿です。

とくにお肌を清潔にすることを説明してくれる先生が少ない!!


湿疹やアトピーの原因は、お肌の汚れです。

汚れが肌を刺激して湿疹を作ります。

汚れているところにステロイドを塗ったって、湿疹は治りません。


赤ちゃんは皮膚の分泌物が多く、肌は汚れやすいです。

授乳の後は、目では見えなくても口の周りが汚れています。

授乳するたびに、まず濡れたタオルでこまめに拭いてあげてください。

口の周りの汚れに気付いたら、すぐにふき取ってあげてください。

口の周りの汚れが残っていると、それがヨダレと一緒に流れていき、首周りや耳周辺の湿疹に広がっていくのです。

お風呂でも泡立てた石鹸(ボディーシャンプーなど、なんでもよろしい)で、しっかり洗いましょう。

洗うと、そのあと皮膚がかさついてきます。

そこにすかさず保湿剤を塗ってあげましょう。(まずは市販のものでよろしい)

よだれかけは絶対にやめましょう。(以前の記事「それがいかんのよ!」参照)


・・・といったスキンケア指導、してもらってますか?

デロデロの湿疹で来る患者さんも、まずこのスキンケアを徹底するだけで、お薬を使うことなく治ってしまうことだってあるんです。


僕はまずこのスキンケアを徹底してもらい、1週間後に再チェックします。

たいがいは治ってます。

それでも少し残っている湿疹に対して、まず非ステロイドの軟膏をお出しします。

同時に必要であれば充分な効果が見込める保湿剤(プロペトではなく)も処方し、しっかり塗りたくるよう説明します。

これで95%は完治してしまいますね。


皮膚科で長年アトピーが治らなかった子にも、まずこういった基本的なスキンケアの指導から始めると、強かったステロイドが次第に弱い物に代わっていき、最終的にはステロイドが必要なくなるまでになります。


はっきりいってステロイドは万能です!

どんな皮膚症状にも効果を発揮します!

でも、根本的なことが改善されてなければ、ステロイドをやめると再発します。

この状態でアトピーだと誤診されてませんか??



正しいスキンケアをすれば、どんな湿疹も治るし、アトピーも治ります。

(というかそれはもはやアトピーではない!)

当院でもアトピーのお子さんは100人以上フォローしてますが、ごく例外を除いて皆さんほぼ完治しています。

治療法が正しければアトピーは完治します。



スキンケアをもっと考えるようにしましょう。

医者もね。