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「欧州の農業はなぜ発展したのか。欧州の顛末」(前半)三橋貴明 AJER2024.2.6<br>

  

令和の政策ピボット呼びかけ人に「やまと経営者連盟 代表理事 古賀真氏」が加わって下さいました。

 

アメリカと全面戦争!?日本の食糧安全保障を揺るがす、農業基本法の改正案とは?[三橋TV第824回] 三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/fM1I9XOBIiA
 

 日本は97年の橋本緊縮財政以降、経済がデフレ化し、
総需要が不足する⇒生産された財やサービスが売れない⇒価格を引き下げる⇒生産者の所得が下がる⇒総需要が不足する
 という悪循環を延々と続けてきました。


 総需要不足に始まるデフレから国民を守るにはどうしたらいいのか? 一つは、もちろん財政支出による需要創出です(ケインズが言う有効需要)。需要が不足しているのだから、政府が財やサービスを余計に買えばいいのです、。


 そして、もう一つが「価格統制」なのです。価格に対する、政府の規制強化、事業者間に競争をさせない。


 総需要が不足している状況で、
「自由競争で~す! 市場原理で~す!」
 などとやってしまうと、各経済主体が生き残りのために過激な価格競争に突入します(突入しました)。これが、事態を悪化させる。


 日本は90年代後半以降、「緊縮財政+規制緩和」という最悪の組み合わせを選択しました。結果、世界第二位の経済大国が、見事なまでに凋落した。


 正解は逆で、「積極財政+規制強化」だったのですよ。

公共工事の賃金基準“労務単価” 平均5.9%引き上げへ 国交省
 ことしから建設業界で時間外労働の規制が強化されるのに伴って、人手不足や待遇改善が課題となる中、国土交通省は公共工事の賃金の基準となる「労務単価」を来月から全国平均で5.9%引き上げることを決めました。
 労務単価は公共工事の工事費の見積もりに使われ、工事で働く人に支払われる賃金の基準となるもので、毎年見直しが行われます。
 これについて、国土交通省は来月から全国平均の労務単価を5.9%引き上げ、一日当たり平均で2万3600円とすることを決めました。(後略)』

 公共事業の労務単価は、バブル期に2万円前後だったのが、その後、1万2千円台に下落し、21年頃にようやくバブル期並みに戻りました。


 日本は、政府までもが「価格引き下げ競争」に参加していたわけですね。何をやっているんだ、という話。
 

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皇統論第六十一回「祇園精舎の鐘の声」、歴史時事第六十一回「三帝会戦」が配信になりました。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
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 国土交通省は、昨年12月に、運送サービスについて「標準的な運賃・標準運送約款の見直しに向けた検討会」の提言を発表しています。特に、問題の「荷主」に対しては、
◆荷主等への適正な転嫁 
 <運賃水準の引き上げ幅を提示> 
○ 運賃表を改定し、平均約8%の運賃引上げ
○ 原価のうちの燃料費を 120 円に変更し、燃料サーチャージも 120 円を基準価格に設定
 <荷待ち・荷役等の対価について標準的な水準を提示>
○ 待機時間料に加え、荷役作業ごとの「積込料・取卸料」を加算
○ 標準運送約款において、運送と運送以外の業務を別の章に分離し、荷主から対価 を収受する旨を明記
 と、内容は真っ当なのですが、提言に「強制力」はありません。


 もっとも、今回の物流総合効率化法と貨物自動車運送事業法の改正では、少なくとも特定事業者(荷主はおよそ3千社)は、計画提出と報告を義務付けられ、取り組みが不十分な場合は勧告、命令、公表、罰金と「規制の強制力」が発揮されることになります。


 となると、さすがに荷主側も「標準的な運賃」を無視するわけにはいかなくなるでしょう。
 

 自由競争主義、市場原理主義に従えば、上記の規制強化は「イデオロギー的な悪」になります。が、人間社会、特に経済はイデオロギーに従ってはくれません。そして、現実をイデオロギーに従わせようとすると、マルクス主義にせよ市場原理主義にせよ、碌なことにはならない。


 正しい解決策は、環境によって異なる。市場原理主義にせよ、絶対的な(イデオロギー的な)善ではありません。正しい時もあれば、間違っているときもある。


 デフレ期の市場原理主義に基づく価格競争の激化は「国民が豊かになるという価値観に基づけば」間違っている。同時に政府の価格統制は「国民が豊かになるという価値観に基づけば」正しいという話に過ぎないのですよ。

 

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