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「物流24年問題の実態と解決策(前半)」三橋貴明 AJER2024.3.5

  

令和の政策ピボット呼びかけ人に「独身研究家 荒川和久先生」が加わって頂けました。

 

なぜ2024年問題が起こったのか?〜未だかつてない物流業界の危機を引き起こした元凶[三橋TV第829回] 三橋貴明・高家望愛


https://www.youtube.com/watch?v=zznoDaIWlRc
 

 まさに、日本国を凋落させた政治家の代表株。しかも、一見「保守」っぽく、
「国家観は正しい(ように見える)が、貨幣観が間違っている」
 典型。

【正しい国家観と正しい貨幣観】


http://mtdata.jp/data_73.html#KAN

 伊吹文明。元・大蔵官僚、政治家に転じて以降は財務大臣。日本を凋落させた戦犯の一人。
 
税金の2割は「借金の元利払い」で消えている…「債務残高1000兆円」の日本に残された"政治的対処法" 元財務大臣「高額所得者へのバラマキはやめるべきだ」
(前略)◆国債という「麻薬」の中毒から抜け出せなくなっている
その後、多くの国では、国民の投票で議会や政府が形成され、国民の日常生活を支える現在の統治制度が定着します。納税者と公共サービスの受益者は、議会や政府を媒介させることで一致したのです。国民は納税者であり、かつての王様のような主権者にもなったのです。「王様」が多くの公共サービスを期待するなら、その費用もまた、「王様」の負担のはずです。
 しかし、ここに抜け道が出来ました。現状の課題を解決するために、税負担を増やして費用を調達するのではなく、国債を発行し、支払いを次の世代に先送りしてしまうという方法です。これは、現世代の痛みを緩和する「麻薬」とも言えます。麻薬も適切に使えば、麻酔効果で良薬になるように、不況で税収の少ない時に利用し、景気が回復し、税収が増えたら、まず借金を返済していけば、麻薬中毒にはなりません。しかし、一度楽になると忘れられずに使い続けて、結局、中毒症状から抜け出せなくなっているのが現状ではないでしょうか。(後略)』

 まず、根底から間違っていますが、「借金の元払い」などやっていません。単に、新たな国債を発行し、国債償還をしているだけです。つまりは、借り換えを続けているに過ぎません。といか、「元払い」やっているならば、国債発行残高が減らないとおかしいでしょ?


 その上で、政府は税金を我々から徴収し、国債と相殺して消滅させています。なぜ、税金が国債相殺で「貨幣消滅」に使われているのかといえば、「他に使い道がない」ためです。


 徴税されると、我々の銀行預金が銀行を経由し、政府の日銀当座預金(政府預金)としてBSの借方に計上される。とはいえ、すでに予算は国会で審議され、執行されていますので(スペンディングファースト故に)、「使い道がない」日銀当座預金で国債の償還が行われるのです。


 つまりは、政府は国債(国庫短期証券含む)を発行し、支出し、後から税金を徴収し、「使い道がない」ために国債と相殺しているに過ぎないのです。


「じゃあ、税金を取らない無税国家がにできるじゃないか!?」
 などと、頭の悪い批判を叫ぶ人がいますが、そんなわけがないでしょう。日本の税金には、
1.ビルトインスタビライザー(税金に埋め込まれた景気の安定化装置)※消費税にはこの機能がない
2.ミッション志向(格差縮小など、「国家がどうあるべきか?」というビジョンに基づく税制
3.日本円の流通を日本国内で強制する(いわゆる租税国家論)
 の三つがあるわけです。とりあえず、税金を無くした場合、日本が壮絶な格差社会になることは間違いありません。


 というわけで、政府は必要な支出のために国債を発行しなければならず、「後から」社会のありかたを調整するために、税金を徴収するべきなのです。


 当然、国債発行残高は増えていく。というか、増えていかなければならないのです。
 

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皇統論第六十一回「祇園精舎の鐘の声」、歴史時事第六十一回「三帝会戦」が配信になりました。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
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【日本の政府の長期債務残高の推移(兆円)】


http://mtdata.jp/data_88.html#saimuzandaka

 日本政府の債務超過残高は、1970年度と比較してすでに177倍です。二倍や三倍じゃないなんだよ、伊吹文明。


 伊吹文明は、国債という「麻薬」とやらの返済をしたのか。ついでに、明治時代と比較すると、日本政府の債務残高は名目で4000万倍(※4000倍ではない)、実質で600倍にも達している。


 それでも、何も起きていない。なぜなのか? 説明しろ、伊吹文明。


 ついでに、中世欧州の「王様」にせよ、別に徴税に頼らずとも、普通に貨幣(金貨、銀貨等)を発行できた。実際にしていた。


 それが、「貨幣に関する勘違い」が理由で、
カネを借りるとき、国王は将来の税収を担保にしなければならない
 という話になってしまい、フェリペ二世などは人生で五回もデフォルト(債務不履行)することになりました。


 そんなことをする必要はなかった。国王は、金銀の含有率と無関係に金貨、銀貨を発行し、流通させることができました。ただ、
「余が発行した金貨、銀貨での納税しか認めない」
 と、宣言すれば済む話です。その国で生き、家族を養いたいならば、国王が発行した貨幣を使い、稼ぐしかない。


 国王は必要に応じて、貨幣を鋳造し、それで支出すればいいのです。貸借対照表的には、国王の純負債が増えることになりますが、「で?」という話です。


 もちろん、戦争のような大需要に貨幣発行で対処しようとすると、インフレ率が適正な水準を超えて上昇していくことになる。とはいえ、問題は「そこ(インフレ率)」であり、伊吹文明の言うような「国債発行は麻薬」といった妄想とは違うのです。


 現在の国債発行も同じです。


 ボトルネック(制約)になるのはインフレ率(厳密には総需要と供給能力の関係)だけであり、「国債という麻薬中毒」といった妄想ではないのですよ。伊吹文明は四百年前の貨幣観で生きている。
 

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