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「物流24年問題の実態と解決策(前半)」三橋貴明 AJER2024.3.5
令和の政策ピボット呼びかけ人に「独身研究家 荒川和久先生」が加わって頂けました。
最悪の自民党の現役国会議員「古川禎久」と引退国会議員「伊吹文明」[三橋TV第838回] 三橋貴明・高家望愛
過去四半世紀、なぜ、日本経済が成長しなかったのか? 簡単です。投資が不足していたためです。
ここまでは構造改革主義者も認めるのですが、ここで分岐点がある。
投資とは、具体的には「資本を投じる」です。なぜ、資本を投じるのかと言えば、需要に対し供給能力が足りないためです。
「お客さんは100個欲しがっている。だけど、我が社の生産能力は90個分しかない」
という状況になって初めて、企業は投資をするのです。なぜ投資するのかと言えば、理由は簡単。儲かるからです。
というわけで、企業の投資を増やすには「需要を拡大する」政府の財政政策が必要なのです。
ところが、構造改革主義者は、投資が不足しているのは「政府の規制が厳しいため」と解釈するのです。彼らは、マクロなデータは見れないのでしょう。
彼らが想定するのは、旧ソ連です。旧ソ連では、政府がガチガチに経済を統制していたため、投資をしても儲からない。結果、生産性が上がらず「インフレギャップ」の状況になっていました。
その状況で、規制緩和、貿易自由化等を行い、競争を激化させれば、生産性を高める投資が増え、インフレギャップが埋まる。
上記は「事実」なのですが、構造改革主義者たちは、「需要(市場)が不足しているが故に、企業が投資をしない」デフレギャップ状態の日本に対し、旧ソ連に対する処方箋のような構造改革を押し付け、強行していった。
結果的に、デフレギャップは埋まらず、企業はカネを借りず、投資もせず、日本経済は延々と低迷する事態になった。
【日本の民間企業の借入・設備投資の推移(兆円)】
http://mtdata.jp/data_89.html#GDPKARIIRE
信じがたい話ですが、97年の橋本緊縮財政でデフレ化した以降の日本では、民間企業の借入残高は減っていきました。つまりは、民間企業の負債が減っていったわけです。お判りでしょうが、その分、マネーストック(ほぼ銀行預金)は減少します。
同時に、民間企業の設備投資はひたすら停滞した。
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『日本のGDP「4位転落」の“犯人”は、政府の間違った経済政策の継続 中野剛志:評論家
◆23年はGDPでドイツにも抜かれる 人口減少などではない「根本原因」
日本経済は、日経平均株価の34年ぶりのバブル期の最高値更新や初の「4万1000円」台などに沸いているが、直近公表の2023年10~12月期の実質GDP(国内総生産)は2四半期連続で前年比マイナスは免れたものの、低迷は続く。23年のドル建ての名目GDPはドイツに抜かれ、世界4位に転落した。
10年にも世界2位の座を中国に明け渡したが、中国の場合は人口が日本よりはるかに多く、また高度成長期にあったため、人口減少局面にある成熟社会の日本が名目GDPで中国に凌駕(りょうが)されるのは仕方がないというような風潮が当時はあった。
しかし、ドイツは違う。人口は8,300万人と日本より少なく、人口が増加しているわけでもない成熟社会だ。しかも、近年はドイツ経済も停滞が続いており、特に23年はマイナス成長だった。
日本経済の長期停滞の原因や背景として、人口減少や高齢化、成熟社会などが言われているが、したがって、今回はそういった言い訳は通用しない。
より「根本的な原因」がある。(後略)』
中野先生は、後略部で、日本政府は需要不足であるにも関わらず、需要抑制と供給拡大という、デフレを起こす政策続けたと指摘しています。
橋本政権以降、政府がしてきた政策は、財政健全化、「小さな政府」、消費増税、金融緩和、規制緩和、自由化、民営化、労働市場の流動化、グローバル化の促進。
うん。見事に「供給能力を引き上げ、需要を縮小する」デフレ化政策のオンパレードですな。
財政健全化や「小さな政府」は、公共需要を抑制し、消費増税は民間の消費需要を縮小します。
規制緩和や自由化、民営化、労働市場の流動化は、競争を促進し、生産性を向上させて供給力を拡大する。
デフレとは、需要が不足し、供給が過剰になる現象です。それにも関わらず、日本政府は(金融緩和を除き)需要を抑制し供給を拡大する政策ばかりを推進してきたわけですね。
結果が、図の通り、ということでございますよ。
日本経済が成長しないのは、投資が進まないため。そして、企業が投資をしないのは、需要が無いため。この状況で、需要や投資を主体的にできるのは、日本政府しかない。
この「根本の事実」を多くの政治家が共有しない限り、我が国に未来はないのです。
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