物語を語るのは誰か? セッションで気を付けること | 地球のお母さんになりたい

地球のお母さんになりたい

地球に生まれ、地球に育まれ、地球に与えられ、いまここにいる私。いっぱい包んでもらったから、私は地球のおかあさんになりたい。
みんなのお母さんになりたい。

 

生きるとは自分の物語をつくること。

 

現実を生きるのがつらくなった状態は、

自分の物語の喪失です。

 

これは、セッションでも、占いの鑑定現場でも、

よく感じることです。

 

心理学者の河合隼雄さんは、

鑑定の現場での、カウンセラーについて、

「質問する側が勝手に物語を作ってしまうんです。下手な人ほどそうです。(中略)

了解不能のことと言うのは、人間を不安にするんです。

そういう時下手な人ほど、自分が早く了解して安心したいんです」

と語っています。

 

これは占い師でも同じで、

占いのデータから、自分が作りやすい物語を作って、

それを押し付けてしまう。

 

イテテテテテ。

 

短い鑑定時間で、物語を失った人に、

物語を取り戻してもらおうと、

鑑定の側が主役になってしまうと、

実は本人の物語ではないものを押し付けてしまうことになります。

 

そして、その物語は、鑑定士の物語の一部なのです。

 

これに、気が付かないと、鑑定士そのものも、

罠にはまりこんでしまうような気がします。

 

自分の物語を語りすぎる傾向のある人は、

他人の物語も自分なりに脚色してしまいますね。

 

私は、そのことが実はとても気になっていることに、

最近、気が付きました。

でも、気が付けた自分が誇らしくもある。

 

私たちの仕事は、あくまでも、自分の物語を失った人に、

それを取り戻すきっかけを与えるにすぎない…。

 

最近は、私は、自分の物語、ドラマとでもいうか、

それさえ捨てようとしています。

物語にはまりこむと、外側の世界にとりこまれたまま。

それを手放すことで、自分の根源がうっすらと見えてくる…。

 

私がその意識でいるとき、

きっと鑑定内容やセッションも、物語の色を消して、

より透明化してくれるのではないかと思うのです。

 

生きるとは、自分の物語をつくることだけど、

そこも止まってみてみると、

物語の奥に、その人を本当に支えている、

命本来の力がしっかりと流れていることに、気が付けるのかも知れません。