良いセラピスト、悪いセラピスト | サイコセラピスト(心理療法士) 棚田克彦 公式ブログ

こんにちは。

サイコセラピストの棚田克彦です。

http://www.tanada-katsuhiko.com/index.php?FrontPage






前回のメルマガ<http://x.vu/259796 >で、


『愛着障害を含む心の傷は、

人との出会いによって癒される』


というお話をしましたが、






今回は、


「人の変化・成長をサポートする能力」


について書いてみようと思います。






「人の変化・成長をサポートする能力」ということは、

もちろん、

セラピスト、カウンセラー、コーチに

求められる能力ですし、


子育てをするお母さん、お父さんに

求められる能力でもあります。






心の悩みや病気を抱えている友人や家族を

支える立場にある人にも求められる能力です。






人は、

「自分自身に対して責任を取る(自己責任)」

という一つの大きな障害を乗り越えると、

自分の中に大きな変化が起きてきます。






自分自身に対して責任を取れない間は、

何をやっても心の悩みや病気は治りません。






ただし、

ここでいう「責任」とは、


「自分が自分の人生を作っている」


という事実を認めて受け入れることを

意味しています。






決して、

「起こったことを自分と結びつけて、自分を責める」

という意味ではありませんので、誤解の無いように。






つまり、

何が言いたいのかというと、


「何かを変えたいと思ったとき、

それは自分にかかっている」


ということです。






これを

「セラピスト、カウンセラー、コーチに求められる能力」

という観点から見てみると、

人の変化・成長をサポートできる人になるためには、


「相手の自己責任能力を促進するかかわり」


が求められるわけです。





こう考えると、

多くのカウンセリングやヒーリングにおいて

クライアントとセラピストとの間に依存関係が生じ、

クライアントの問題が解決しないままの状態で

両者のかかわりが長期化する理由が良く理解できます。






セラピストやカウンセラーをたずねる多くの人は、

従順でさえあればすべてが解決し、

セラピストが治してくれると考えています。






「治して欲しい」と思っている人にとっては、

クライアントに自己責任を要求するセラピストは

ずいぶんと意地悪にみえることでしょう。






そうしたクライアントは、

「セラピストはクライアントの問題に注意深く耳を傾け、

同情と共感とともにアドバイスを与え、

気分を良くしてくれるべきだ」

と信じて疑いません。






ところが、

そうしたセラピストは

一時的に気持ち良くさせてはくれますが、

悩みや問題の解決には至らないでしょう。






私がセラピストとして人と関わる際には、

クライアントに同情をして

苦痛とやライラを取り去ることよりも、

クライアントがさらに成熟して

自分で自分の人生に対して責任を

担えるようになってもらうことに

最大の関心を持っています。






あなたは頭痛の症状があって病院に行きました。

しかし、

医者は身体的要因を見つけることができません。

精密検査をしても、どこにも悪い箇所は見つかりません。






もし、あなたが私のところへ来たなら、

こう言うかもしれません。

「では、あなたがどのようにして頭痛を作り出しているのか、調べてみましょう」






自分で頭痛を作り出しているといわれて、

あなたは侮辱されたと感じるかもしれません。






「このセラピストはちっとも私の苦しみを理解していない」

と感じるでしょう。






「私は頭痛なんか作り出していないし、頭痛なんか望んでいない。

ただ、頭痛が起こってくるだけなんだ!」と。






私のカウンセリングでは、


「クライアントには、辛い思いをしてまでも、

それでも症状を作り出す十分なだけの理由がある」


と考えます。






「症状を出すことによって、

何を得ようとしているのか?」






その目的を発見することができれば、

頭痛を経験せずに、

その目的に叶う別の方法が見つかるかもしれません。






「あなたは頭痛を抱えていることで、

何か良いことはありますか?」






そう質問されて、あなたならどう答えますか?






「頭痛になると仕事を早退できる」


「職場の同僚も、私が病み上がりであることを知って、あまり多くを期待しません」


「いつも私に無理な仕事を押し付けてくる上司を後悔させされる」


「家族のために夕食を作る必要がありません」


「頭痛で苦しんでいると、みんながやさしく声をかけくれます」


・・・・・等など。






こうした「頭痛による恩恵」のすべてを放棄しなくてはならないとしたら、

あなたが頭痛を手放すことは難しいでしょう。






ここで試されるのが、

あなたの「自己責任能力」です。






私がセラピストであれば、



「今度、上司が無理な仕事を依頼してきたら、

『今たくさん仕事を抱えているので、

誰か他の人に頼んでください』

と上司に言ってください」



「疲れて家に帰るときは、

子どもさんや旦那様に、

『今日はお母さん疲れているから、

代わりにみんなで夕食を作ってね』

とお願いしてください」



と提案するかもしれません。






その際、

もし上司や家族に対して言いたいことが言えないあなたがいるとしたら、

あなたの中で一体何が起きているのでしょうか?






頭痛という症状が


「言いたいことを言えないあなた」


を守ってくれているのではないでしょうか?






頭痛になりさえすれば

たとえ言いたいことを言わなくとも

「やりたくない仕事をしなくて済む」

「疲れたときには夕食を作らなくても良い」

という目的は達せられるわけです。






私たちは子どもの頃、

自分と両親との間に生じた問題を解決できずに、

絶望感や無力感に襲われることがあります。






そして、

生き残る為に最善に解決法を考え出します。

それが「ビリーフ(思い込み、固定観念)」です。






そうした解決法は、

子ども時代の傷付きやすさと

知識不足・経験不足に根ざしていますが、

子ども時代にはそれなりに上手く行き、

私たちは生き残ります。






そして残念なことに、

私たちはそうした子ども時代の解決法を

そのまま大人の生活に持ち込んでしまい、

生き残るためには必要なものだと考えます。






「言いたいこと(本音)を言ってはいけない」






「人前で感情を出してはいけない」






「人からの頼みは絶対に断ってはいけない」






「自分を犠牲にしてでも他人を喜ばさなければならない」






しかし、

状況は変わっています。






あなたははもう無力な子どもではありません。






いまや立派に成長した大人で、

まだ無力な子どもであるかのように勘違いをして

子どものように行動しているだけです。






それはもう必要ありません。






私がセラピーやセミナーの中で人と関わる際には、

本当の子ども以外は子どもとしては扱いません。






私はセラピストとして


「あなたが変化をするために必要なものは、

すべてあなたの中に存在している」


ことを知っており、

あなたを「自己責任を取れる大人」として見ています。






私は


「誰もが自分の力で自分の課題を克服し、

自己変容を成し遂げる能力を持っている」


と信じているのです。






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では、また!






棚田