京都錦市場で購入した川エビでセウジョッ(エビの塩辛・魚醤)を作っています。塩加減が分からず、ネットで検索したらこんなすばらしい文献が。
「東アジアの魚醤魚の発酵製品の研究(1)」
http://ir.minpaku.ac.jp/dspace/bitstream/10502/2914/1/KH_011_1_001.pdf
文献の韓国の魚醤の項を読むと、セウジョッの塩分は30%程度が適当とある。あー、塩入れすぎました~!これでは発酵しないので急遽つけ直し。発酵させなくちゃね。常温で様子見です。
上でご紹介した文献を見ていたら韓国の魚醤の一種には日本のなれずし、にあたる食べ物「シッヘ」という食べ物があるという記述が。
へ?シッヘ?シッケなら聞いたことあるけどね。あの中途半端に甘い甘酒みたいな飲み物でしょん。そういえばあれも発酵食品だ。でもな~???
文献にでている「シッヘ」は魚を粟飯などで発酵させた食べ物らしいので、私の知っている甘酒風のシッケとは大違い。どうも納得がいかない。
それでさらに検索の旅に出ると見っけ!
中央日報「새 우리말 바루기 8. '식혜'와 '식해'」
発音の似ている2種の食べ物식해(食○酒へんに塩の右側) と식혜=甘酒(食醯)。ふたつは発音もスペルも似ているが違う物とある。日本語は母音の種類が少ないからどちらのつづりも「シッケ」になりますが、韓国人も間違えやすいんですね。
甘酒のような飲み物が식혜
一方お魚の発酵食品は식해
老眼だと違いがわかりませんが、魚の方は紛らわしいので文献に従い「シッヘ」と呼ぶことに。
「シッヘ」も地方によって色々種類があり、代表的なものが咸鏡道のガジャミ(カレイ)シッヘ、他にも黄海道のドルムッ(ハタハタ)シッヘ、江原道のプゴ(明太)シッヘ、慶尚道のマルンゴギ(干物?)シッヘがあると。おお、地域的にはほぼ日本海に面した地域なのですね~。
さらに探索の旅に出ると出るわ出るわ
こちらのサイトにはガジャミシッへの作り方が写真付きで詳しく。カレイのぶつ切りに塩をしてからニンニク、ショウガ、コチュカルに粟飯を混ぜ発酵、食べる時に食べる分だけ取り分けて大根をまぜてますね~。うーん、どんな味なんだろ~???
他にも懐かしいmixiの掲示板がヒット。日本の「切り込み(なれずしの一種)」トピが立っていましたよ。
文献としてはこちらの本の75ページにシッヘについての記述があるらしい。
淡海文庫5 ふなずしの謎
滋賀の食事文化研究会 編
サンライズ出版
\1,020(税込)
ISBN4-88325-107-1
さらに2008年当時、良才のハナロマートでシッケを買った方のブログ
北朝鮮咸鏡道ハムギョンドの郷土料理として紹介されますね。
2013年ソウルの 된장예술 で食べたことがあるというサイトも。このお店今もあるのかしらね?
というわけで、魚の発酵食品식해シッヘは韓国の主に日本海側で食べられる料理で、塩漬けした魚の切り身を米飯または粟飯、と薬念で漬けて発酵させる食品。独特の臭みがあるがとても美味しい(らしい)。薬念には唐辛子粉のほか、ショウガ、みそ、ごま、油、しょうゆ、麦芽、麹がはいるという記述もあるがこれは確かではない。
マッコリのアテになりそうな謎の食べ物シッヘ、もし召し上がったことが有ったら是非どんな味だったか教えてくださいませ。
琵琶湖の川エビから始まった韓国の発酵食品シッヘについてのお勉強はここで一旦おしまい。
↓↓ここをぽちっと応援して頂けたらうれしいな。
にほんブログ村
↓よろしかったらこちらもぽちっと。
人気ブログランキングへ
いつもありがどごじゃいま~す。