終了〜ヴィブラートの準備
宮地楽器小金井センター主催
遠藤記代子のかっこいい!ヴァイオリンベーシック・スタディ〜美しいヴィブラートの準備〜終了しました。
受講生のアンケート
「ビブラートは体の中から起こることがわかりました。」
大人から始めた方の弱いところは「◯◯しながら◯◯」すること。
ヴィブラートが特に難しいのは、実は脳の問題もあります。
今回、これを鍛えるために、私は面白いヴィブラートの話を振りながら私の体操(動き)を真似していただくという方法を取りました。
受講生は話に答えると体操が止まるか、動きがいい加減になるか、または、次の体操に進んでいるのに気が付かなくなります。
私が指摘する度に、会場に笑が起きました。
難しいです、よね。
でも、この「ながら」が自然にできないと、ヴァイオリンは大変なのです!!
講座ではナンバ骨体操と、ムーブメントを21分全て行い、休憩を挟みながらヴィブラート体操を全て行いました。
さて、良い演奏家になるための秘訣だと伝えられる項目に「審査する」というのがあります。
アマチュア演奏家の方は「審査」するご経験は少ないでしょうから、
敢えて今回、これをやりました。
ラヴェルの「ツィガーヌ」という、H音ソロでカッコ良く始まる曲です。
2人のCDを聴き比べていただき、審査員になったつもりで、批評していただきました。
上達する秘訣は、違いがわかることと自分の好みを知っていること、ですよね。
批評なんておこがましいと思われるかもしれませんが、
この冷静な耳が、後で自分の演奏向上に役立ちます。
ラヴェルのツィガーヌを聴いた直後、
H音を最大級の音量とヴィブラート量で弾いてみていただきました。
ヴィブラートのレッスンは、この「最大級ヴィブラート」をかけるところからスタートします。
また、上達の秘訣は名手と一緒に演奏すること。
当ブログでも、「狭い部屋で、名演奏家がマジ弾きするのを間近で聴いたら、音楽人生変わるよ」
などとあらゆる場面で書いてきましたが、
一緒に弾いていただくことは
「マジ弾きを間近で聴く」+「演奏する」が、同時に行えることになります。
こんなに良い経験はありませんね。
やっぱり、「音楽」は「音楽」の中でしか学べません。
私も学生時代から師である江藤俊哉先生と室内楽演奏会を4年間やらせていただいて
たくさん学べたこと
そして、最近ではチェコ・フィルと一緒に演奏してみてわかったヴィブラートやボウイングのこと、など、
私の経験もたくさんお話しさせていただきました。
私の体験談からアンケートの反応を見て、ヴィブラートは「動き」の中にはないこと、お伝えすることができたように思いました。
なお、来月は、チェコからブルノ・フィルをお招きして、kpb弦楽アカデミーを開催予定です。
ご興味ある方はどうぞ、まだ若干お入りいただけますので音楽歴問わず、お気軽にご連絡ください。
kpbホームページ→ナビゲーターより「講習会案内」をクリック
そして、そのような環境も大事ですが、
教材も大事です。
というお話しから、Ševčík Op.6
のご紹介などにも時間を割きました。
チェコの共産主義時代の教育は、「できない人」にも目が注がれているためか、
とてもとても教本が丁寧です。
身体作りに加え、Ševčík Op.6を丁寧に行えば、初めの段階からボウイングも左手も、力みは生じることはありません。
実は、力んで演奏することが普通になってしまった方の力みを取るのは、
とても大変なことです。
できれば初めから、力むことない奏法を学んでいただきたいと願います。
しかし特例として、
身体の力みを取るためにヴィブラートを指導することはあります。
10月23日(日)9:00〜17:00
相模湖にて少人数制の、ヴィブラート集中講座があります。
ヴィブラートの経験の有無は問ません。
(むしろ、ご経験ない方の方がお教えしやすいこともあります。)
今回行った体操をゆっくりペースで行い、
個人指導の時間もたっぷり設けます。
ご興味ある方はお気軽にご連絡ください。
宮地楽器小金井センター
今日のプログラムを書いたホワイトボードです。
・いつから始めるのか
・どんなプロセスで練習していくのか
・どうやって上手くなっていくのか
・ヴィブラートの種類
・学びやすい曲があるのか
Q.良い演奏家になるための5本の柱
・演奏する
・聴く
・教える(伝える)
・執筆
・審査する
①ナンバ術ヴァイオリン12の骨体操
Q.どんな人にVib.を指導することができるか。
A.身体の1点たりとも居ついていない人
↓
居つかない身体を作るためのメソッド
②ナンバ7つのムーブメント
③Vib.体操
④右手・左手の余計な力を抜く実技練習
⑤種類別練習法
お配りした資料
右手の余計な力が完全に抜ける
Ševčík Op.6
開放弦の段階から、先生には素晴らしい演奏をしてもらうために。www
残念ながら、時間切れでこれはできませんでした。
10月23日に行います。
ヴィブラートは腕を回すのですが、そのコツはポジションチェンジで体得していきます。
Ševčík Op.1-3と、課題曲の例パガニーニのカンタービレ&ドヴォジャークのラルゴ