金曜日。

私は彼に叱った。

どうして、こっちが真剣に話してるのに冗談で返すのか。

どうして嘘をつくのか。

どうして答えないのか。

ここでいいたいのは、彼の悪さを書きたいのではない。

私は彼を叩いた。
ほっぺを軽く。

すると彼は笑い出したのだ。
へらへらと。人が真剣に向き合っているのに。

私は彼が奇妙に、そして気味が悪く、そして私の中で怒りに繋がった。

自分は真剣なのに、
相手にないがしろにされると
私はむきになってしまうらしい。

ちゃんと真剣に話を聞いてよ!
そういう意味で

もう一度腕を叩いた。

すると、彼のへらへら笑いがいっきに
苦渋な顔になり、苦しそうな表情になった。

目からは涙が漏れて、
嗚咽が混じり、息がつらそうな表情になった。


死ぬんじゃないか。


と、一瞬思った、本気で。

一瞬じゃない、彼の発作がおさまるまで何回か思った。



軌道を確保して息をするように促した。


彼は苦しそうだった。死んじゃうんじゃないかと思った。


パニック障害かな?と一瞬にしてかんじた。


しかし、
私のしたことといえば、ちょっと声を張って話をちゃんと聞けといい、パチンとする程度に叩いただけ。


それが私にとっての私の行動の認識だった。


だから一瞬、演技なのか?とさえ思った。

あまりにも引き金としてはそぐわないと思ったからだ。


けど、彼の頬の皮膚は痙攣して、
目はいってしまいそうだった。


たったあれだけで?


いまでさえ、そう思って自分の行為を甘くみそうになる。


けど、たしかに彼は私が怒る姿にとてつもない恐怖心を抱いてるのだ。

私にとってはこんなことで?なのかもしれないけど。

私は自分のやりかたを改めなきゃいけないのだ。

私は彼が好きだ。

彼をいじめたいわけじゃない。

ただ、すこし歩み寄ってほしかっただけ。


気遣って欲しかった。
心配してほしかった。
真剣に話を聞いてほしかった。


ことばにすると、簡単なことなのに、
彼にそれが伝わる前に
恐怖が伝わってしまう。

私のやりかたじゃ、
彼に恐怖心しか生ませられない。


私のやりかたを変えないと
私は彼を壊してしまう。

私が変わらなきゃいけない。

平等なんて、そんな言葉は捨てる。

私がこれくらい頑張ってるんだからあなたもこのくらいやりなさいと思うのはやめる。

どうして私がそこまで歩み寄らなきゃいけないの?

私がここまで頑張ってるんだからあなたもここまで頑張りなさい。

私の根っこはそう思ってる。

でも、彼を壊さないには
そんな平等の形を変えなきゃいけない。

私が変わらなきゃいけない。


私は彼が好きだ。

彼の素直で、子供みたいなまっすぐなところとか、好きだ。

彼の大切な部分は壊したくないはずでしょ?

どうにかしないと。

頑張ろう。









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