2014/4/22
“地元”と言ったら、いったいどれほどの範囲を思い浮かべる
でしょうか。
「~県~市出身、~部屋。」
館内アナウンスから考えれば、お相撲さんは「~市」が地元。
政治家なら自分の選挙区が地元でしょう。
『ヤンキー経済 ~消費の主役・新保守層の正体』
原田曜平著 幻冬舎新書
本書で事例が紹介されているヤンキーの地元は「石神井」です。
「石神井」は東京都練馬区にある町です。
たった5k㎡四方に収まってしまう範囲です。
電車なら池袋まで9分、新宿まで16分で行ける位置にあるにも関
わらず、池袋や新宿はアウェーで、地元とは言いません。
一口にヤンキーと言っても現在主流となっているのは、かつての
ようなコワモテなイメージとは違うのです。
社会や大人への反抗心をむき出しにすることはめったになく、犯
罪に手を染める人も減っています。
全体的にいい人が多く、やさしくマイルドになってきています。
本書では、これら地元志向のヤンキーを“マイルドヤンキー”と
呼んでいます。
そしてマイルドヤンキーこそが、実は現在すでに優良消費者であり、
今後の経済を担う層となると指摘しています。
「夢はあと5万円、給料が上がること。」
「仲間とくつろげる場所が欲しい。」
「スポーツカーより、仲間と乗れるミニバンが最高。」
「一軒家を建てて初めて一人前」(地方の場合)
「電車に乗るのが嫌」(大都市圏の場合)
こうしたマイルドヤンキーの調査を通して著者は、今後ウケるで
あろう商品やサービスを紹介しています。
・高級ブランドがおトクに買える、かわいいアプリ
・ご近所に恥ずかしくない子供服
・アマチュア家庭教師マッチングサービス
・親子おそろいのニコイチ・サンコイチ高級ブランド
・実際に旅行しなくても旅行した気分が味わえる商品
・格安のレンタルルーム
・複合アミューズメント施設のフードコート拡大版
・同級生割引
・限度額が低いクレジットカード
マイルドヤンキーは、時代の重要なキーワードなのです。
是非、ご一読を!