【ナイジェリア】
ツーリストが行かない国なので情報がなくその中でボコハラムも未だに勢いは衰えない(実際にナイジェリア滞在中に50人100人が亡くなる規模のテロが二度あった)そして国境を越えて着く街はアフリカ三大凶悪都市の一つラゴス
そして
西アフリカを旅していると、どこどこの国境が酷いやクソだとよく耳にすることがある
今日通るベナンとナイジェリアの国境(ラゴス方面)はその中でも特に酷いらしく役人の悪態ぶりに旅人は二度とこの国境を通らないと心に誓うらしい
ベナン側もナイジェリア側もクソ、しかも何人も連なって警察がおり、その度に賄賂請求をしてくるらしい
悪条件の中、安全とはいえ国境抜けまでも最悪だなんて気が重くて仕方が無い
もはや試練である
やだな…なんて思いながら朝の10:00に宿を出た
ここからすぐに悪い癖が出始める
そう、ワクワクしてきたのだ
まず未知の国ナイジェリアにいよいよ足を踏み入れるドキドキ、そして国境での試練だ
これは何か試されているな
そうだな、旅でよく感じるあれだ
〝心のスキルを試されている〟
今までこの国境を通ってきてギャフンとやられてきた旅人をイメージしてみる
役人がクソなのは知っているはずだ
その中できっと気負ったに違いない、ナイジェリアに行くだけでも気負う、その中で国境でギャフンとやられれば気持ちが持たない、いやでも気負うはずだ
気負うと感情は乱れる、乱れると役人にも感情が移り悪循環
よし、俺は無心で行かしてもらおう
〝ありがとう諸先輩方〟と心の中でお礼を言った
賄賂も払わないにこしたことはないが、どうにもいかなくなれば少額なら払おう
そう思いモトバイク(300CFA)でダントクプに行きベナン側の国境セレ行きに乗車した
800CFAだが旅行客には割増で取ろうとしていたのでちょうど用意した方がいい
30分待ち出発
いよいよだな、ナイジェリアも国境の試練も…といつも以上に車内から見える流動的な景色が俺の気持ちをリラックスさしてくれた
30分後にベナン側の国境付近のターミナルに到着
ズラリと並んだ小さな机で待機する両替屋たち
(ここで心に余裕を持たす為に100ナイラ×10用意した)
そこから歩いて20分
まずはベナン側の出国である
ナイジェリアよりも酷い場合があるらしい
慎重に大胆に、心のスキルを試されてるぞタビジュン。と怒らないように暗示をかける
ふぅ
さっそく小さな机に座った男にパスポートを渡そうとすると、男は横に指を差した
3人程いたかな
その中でもすぐにボスはわかった。大柄でかなり無愛想だ
横の子分がパスポートのJAPANを見て日本語で〝ありがとう〟と言ってきた
わからないがイケるかも
横の小部屋に入るボスと子分
ここで出国スタンプを押してもらうのだが、お金を払わないとパスポートを返してくれないらしい
笑顔も通じないボスだったので子分とのコミニケーションに切り替える
なぜ日本語が話せるのか、君は凄いな、他に知ってる日本語は?などよく国境でするおべんちゃらシャワーである
その会話のさなかボスがスタンプを押したのを横目で確認した
ここからボスが賄賂を請求してくるはずだと思い間髪入れずにボスに会話をスイッチした
「ベナンはここで終わり?」
「そうだ」
「じゃ次はナイジェリアの国境だよね?」
…無愛想に頷く
「あー最悪ー!」
「???」
「だってナイジェリアポリスは本当に酷いんでしょ?みんな言うよ!
お金が大好きで絶対マネーマネーって俺からお金をたかるんだ」※英語はイメージで
するとボスが初めて笑った
どこの世界もだいたいの隣国は仲が悪い
しかもナイジェリアなんて西アフリカ諸国から嫌われている
先にそれを言われれば嫌いな国と同じ事をしたくないだろうしマネーとは言いにくいはすだ
作戦は見事に成功し笑顔でナイジェリア頑張れよと言いながらパスポートがかえってきた、苦い笑顔を作り親指を立てその場を離れた
よし、ベナン側は一先ずかわせたぞ
ナイジェリア側に向かおうとしたところ小さな机に座っていた男にパスポートとイエローカードの提示を求められた
作戦が成功したことに気が緩んでいた俺は素直に提示
一通りチェックする役人、イエローカードを返してきた後パスポートを
机の中に隠した。しまった…
そして
「700ナイラだ」
ここかぁ…
冷静に冷静に
「なんで?」と聞くと、君はこの国境は初めてだろ?初めてなら通行料として700ナイラ必要だ。と言われる
ふぅ冷静に、そして話すスピードは遅く相手に付き合うな
「いや、払わないよ」とスローに言うと、かなりぶっきらぼうに〝払え!〟といってきた
イケる、小心者だな
払え。払わない。の無意味なやり取りが続き、周りも応戦してきたがここでムカつきテンポアップしてしまっては相手も意地になる、ヒラリとかわすように冷静にやり取りを続けた、ただ埒が明かないので
「わかった、わかった、払うよ、その代わりあなたの名前をここに書いてくれる?」
「いいぞ、しかしお金が先だ」
いや名前が先だとまた同じに不毛なやり取りになってしまった…
やり取り中も他の渡航者はいるのだが、その間に入り会話を続けた
他からの賄賂請求を邪魔することで俺とのやり取りを長引かせたら損するよ作戦だ
すると向こうが先に痺れをきらし名前を書いてきたのだが嘘だろう
かなり考えながら書いていたので〝君もこの名前を書くのはファーストタイムか?〟と言い返した
少しづつ俺もムカついてきている
「嘘でしょ、この名前?もしかしてあなたも偽物の役人じゃないの?」
相手は怒りながら本物!だと語気を強めた
「本当に本物?」「そうだ!」
「じゃ、名刺頂戴」
少し戸惑ったが
「オフィスだ」
「取りにいってよ」
「仕事中だ」「それも仕事でしょ」
「それにこのお金は本物の役人が請求する正規のお金なの?」
「そうだ!」
「そしたらレシート出るよね」
「出る!」
「じょ払うよ」
「お金が先だ!」
「レシート見せてくれたら払うよ」
…
すると
不服そうにパスポートを投げつけてきた
この役人とのやり取りだけで20分以上もかかり疲れたが0円で乗り切れた
後半はさすがに俺もペースを乱され少し口調が強かった
まずいな
相手のペースではないがあまり俺に余裕がなかった
これ以上の態度でこられてたら怒ってたかもしれない、そうなれば向こうも意地になるはずだ
助かったな
落ち着け、落ち着け
次はそれ以上だと噂のナイジェリアだぞ
落ち着け
落ち着け
オチツケ
オシテケ
思い出しただけで疲れるわーい(;´Д`A
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