被害者と加害者の攻防戦。 | タビジュンのテキーラみるく★~世界一周編~
真昼間から繰り広げられるボッタクリバーならぬ、ボッタクリカフェ。早く脱出しないと状況は悪化するばかり。タビジュンの作戦はいかに。
{529E3CAB-A2C5-4C0C-91F1-9FE489B35CCC:01}








領収書には絶妙な額が記載されていた。




1985元。日本円で約3万円。



たかだか5分や10分話しただけで、目の前にはブランデーのボトル、フルーツの盛り合わせが並び、そして3万円の請求額である。

確かに日本人旅行者がその場ですぐに払えない額ではない。



この時、怖いという感情はなく、それよりもこんな手口に引っかかり、払ってきた日本人がいるのかと情けなくなった。

多少動揺はしていたが、つけ込まれると思ったので、そんな素振りは一切見せずに淡々と対応した。




これは何なんですか?


頼ンダ分ノオ金デス


高すぎやね?


普通ダヨ、ミタラ分カル、イッパイ机二、アルデショ




最初は優しい話し方だった女も、払う素振りが見えない事から段々と語気が強まる




いや、勝手に頼んだんでしょ?あなたが払いなさい。ジュースの分はちゃんと払います。


ナンデ!オカシイヨ!中国デハ男払ウノ当タリ前!!


いや、払わんよ、あんたが勝手に頼んだんやろ、俺は払わない。


ジャ、私100元出ス、残リ払イナサイヨ!


払いません。


ジャ、200元出ス、残リ払イナサイヨ!


そんな大金持ってません。


ウソ!財布見セナサイヨ!


見せない。


警察ヨブヨ!


どうぞ呼んでください。



こんな不毛なやり取りを繰り返していると、女が店員を呼んだ。

応援要請である。


最初は1人だった店員も、そこから3人になり、俺を中国語で罵倒し始めた。

大声でまくし立て、それは、それはすごい剣幕だった。



ただ、罵倒されながらも頭の中は静かだった。




この不毛なやり取りをいつまで続けるのか。

何か脱出の作戦を考えないと、さらに追い込まれ、益々逃げれなくなる可能性が出てくる。

とりあえずジュースは飲んだ、その分のお金を払わないと無線飲食になってしまう。

ただ、ここで財布を出すのは、強引にお札を抜かれたり財布を奪われるリスクがある。

確かエレベーターすぐ左はトイレだった。

トイレ内で財布から100元札を出しポケットに入れ、そしてトイレを出て女に100元札を払い、そのどさくさに紛れ、エレベーターに乗り込もうと考えた。

ただ、逃げる事を警戒されトイレに行かしてくれない場合もある、その時、もうバカみたいだけど、漏れそうな演技をするしかないか。





今度は俺が動き出す番だ。





女に、トイレに行きたいと伝えると、意外にもアッサリとOKが出た。


少し気になったが、予定通りトイレに向かった。



トイレに入り、財布から100元札を出しポケットにしまう。



落ち着いてはいたが、自分で気付いてないだけで、もしかしたら興奮状態かもしれない。


鼻から息を大きく吸い深呼吸。

さらに気持ちを落ち着かせ、そして同時にヤルゾと鼓舞をした。よし。



ドアノブに力強く手を掛け、ドアを開けると、そこには想像すらしていなかった光景が待っていた。




(またまたまた)続く。


にほんブログ村 旅行ブログ 世界一周へ
押し忘れ注意❤︎