笹森礼子とルル娘 | お宝映画・番組私的見聞録

笹森礼子とルル娘

前回取り上げた「河内ぞろ」シリーズの主役といえば宍戸錠。
石原裕次郎のケガ、和田浩治主演作品の不入り、そして赤木圭一郎の事故死といった事情から二谷英明とともに主演俳優へと昇格することになったのだが、その初期のヒロイン役として目だっていたのが笹森礼子である。
元々は赤木圭一郎映画のヒロインとして活躍していたのだが、その死後は、小林旭、二谷英明、そして宍戸錠などの主演作品のヒロインとして花を添えた。その大きな瞳が特徴的だ。
しかし、日活映画女優としてその活動期間は六年弱(60~65年)。結婚して引退したのだが、さすがにそれから50年近く経っていることもあってか、意外と調べても、あまり情報の出てこない人なのである。誰と結婚し(芸能界の人ではないらしいが)、その後どうなっているのかなど一切不明である。引退後、公の場には姿を現していないのかもしれない。
わかっていることといえば、当時のことだけで、映画女優以前は、テレビ創成期の人気番組「日真名氏飛び出す」(55~62年)に高校在学中からレギュラー出演していたということ。
この番組のスポンサーは三共製薬(現・第一三共ヘルスケア)で、三共といえば「ルル」である。笹森はその二代目のCMタレントを55~56年の間務めていたという。
番組には三共の生コマーシャルがあったといい、そのCMガールの初代は宮地晴子、淡京子だったらしく、笹森は番組の方でも二代目のCMガールだったという。どのくらいの期間出ていたのかは不明である。
話は変わるが歴代のルルのCMガールは、大空真弓、いしだあゆみ、由美かおる、松坂慶子、早乙女愛、大竹しのぶ、富田靖子といった蒼々たる女優(歌手)が並んでいる。それが09年、20代目にして初の男、石川遼が起用されている。
ちなみに初代は渡辺典子。もちろん角川娘ではなく、当時童謡歌手として活躍していた少女である、6~9歳にかけて務めたようだ。浅丘ルリ子のデビュー作「緑はるかに」(55年)にも出演している。
そして、二代目の笹森は15歳の時に起用され、三代目は急に年齢があがり当時23歳の東宝女優・河内桃子が起用されている。4代目は再び童謡歌手の伴久美子(当時15歳)が起用されている。ちなみに伴久美子は86年に脊髄腫瘍により44歳の若さで死去。前述の渡辺典子も92年頃に47歳くらいで亡くなったという。その前年に行われたキングレコードの同窓会には元気な姿を見せていたというが死因などは不明である。