例えば、「仕事」や「忙しい」しか言わなくて、親の面倒、手続き、いろんな家のことを一切やらないで、遺産とか、ここぞという時に態度を変える兄弟とか。
私の兄がそうでした。
兄は父が入院してる時にも、母が入院してる時にも最初しか顔を出さず。
あとは、ぜーんぶ私に押しつけてました。
病院の洗濯室で母の洗濯物を洗いながら、私はいつも、
「お兄ちゃんは地球を守ってるんだ。だから、忙しくてもしょうがない」と自分に言い聞かせてました。
そう思うと、ちょっと笑えて、イライラしなくてすみました。
そんな兄は不摂生で40代で死んじゃうのですが、私、お葬式の時、全然涙が出なかった。私は兄が好きじゃなかったんだと思います。
ただ、そんな兄も駆けつけてくれた取引先の人からは、真面目でよく働いていたと言われてました。いつもニコニコしていて、お年寄りにもきちんと挨拶して。
なんだか別の人みたい。
でも、兄の笑顔は嫌いじゃなかったなぁ。悔しいから好きとは言わないけど(笑)。