ブラッドハーレーの馬車 沙村広明

絶望を与え自ら命を断たせるのと
希望を与え耐え難きを耐えさせるのとどちらが幸せか


或る一つの絶望を中心としたオムニバス。
エログロ苦手な人にはオススメはできません。
が、世間で言われてる程に酷過ぎる物でもなかったです。

中心となる設定はペリペテイアを齎す装置として、十全に働いているものの、
悲惨に晒される立場の少女達が皆無力で抗う術を持たず、
やはり悲劇でなく惨劇の類、エンターテイメントとなっている。

存在感のある設定からすれば、もっとタブーに切り込んでいけたのではと
思わずにはいられません。ただ、沙村先生はそうしたくなかったんだろうな、
というのも何となく。「無限の住人」に感じた美学と同種の物を感じます。
ストーリーは添え物で、雰囲気を味わうべき作品。

ただ、その中で第2話だけは異彩を放っており、
悲劇然としていて好みです。



異国迷路のクロワーゼ 1~2 武田日向

意外と気づかないものだよな
目の前にいる時はさ 目で見てなかったんだ


萌え絵によるハートフル異文化コミュニケーション。

各所で絶賛されていたので探し歩き、漸く見付けて購入。
想像していたよりも話が軽く、個人的には目新しさも感じられず。

主人公の苦悩を取っ払って、日本から来たヒロインに
スポットを当てて、もっと明るくほんわかした話にすれば
「ARIA」の如く癒しすら感じる物語になりそうなんですが。

苦悩を描くなら描くで、もっと徹底的にやって欲しいですが
そこまで描くつもりもないのでしょう。ヒロインの成長や
関係性も混じって主軸がブレ、どの要素も半端に感じます。

あと、折角巴里を舞台に据えているので、もっと巴里ならではの
ギミックや街並を描いて、そこに行きたいと思わされる位
世界に没入させて欲しい。
デパートより前に凱旋門や建設中のエッフェル塔に行って
カルチャーショックを受ける程度の事をしても罰は当たらないと思います。
カバー裏で執筆後に初めて巴里に訪れた、と読んで納得しましたが。

海外視点からの日本や文化的なすれ違いは面白いですし、
背景を中心として絵は綺麗なんですけどね。

金髪碧眼美形は大好物なだけに、惜しい。



範馬刃牙 19 板垣恵介

地上最強のファックユー

どう展開するかは解り切っているので、あとは各シーンを楽しめるかどうか。
ジャックは結構頑張ってくれました。
しかし、街頭の目撃者による決着の解説は、花山VSスペックの時が
良かっただけにどうしても見劣りしてしまいます。

しかし、オーガが大人しくなってしまっていて残念。

取り敢えず、やっと始まりました。