受験数学勉強法 | 仮面浪人医学部合格の記録&医学部生の受験勉強法解説

仮面浪人医学部合格の記録&医学部生の受験勉強法解説

都内国立工業大で仮面浪人した末、
都内国立医学部に合格することができました。
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まだ未完成ですが、載せときます!更新できなくてすみません!











こんにちは。とっしーです。今回は数学の勉強法を書きました。医学部受験をしない方にも参考になる勉強法だと思いますので参考にしてくだされば、と思います。というか、今回の記事は難関大志望者全体に参考になるように書いたので、ぜひ読んでみてください。



[1.記事作成時の苦労]
仮面浪人が終わってから、今後の受験生の参考になればと思い、様々な科目について勉強法を書いてきましたが、数学の勉強法を書くのには非常に困りました。というのは、数学は持つべき意識というものがかなり大切になってくるためです。正直、記事を書いたところで、俺の考えている「数学を勉強する際の意識」というものを受験生に伝えることができるのか、と疑問でした。同じ参考書を使っていてもかなりの学力差が生じてしまう数学という科目の勉強法を文章で適切に伝えられるかが疑問でした。ちなみに今も伝えられているか疑問です。
ただ、家庭教師や塾講師をし、様々な問題集、参考書を参照して行く中で、多くの受験生が俺の伝えたい意識を理解してくれるような問題集や勉強法の伝え方というものを俺なりにつかめた気がするので、今回記事をあげてみることにしました。全ての方に伝われば幸いですが、伝わらなかったら申し訳ないです。
今後も家庭教師や塾講師で数学を教える場面があると思うので、伝わらなかった場合は出直してきます。




[2.数学の勉強段階]
ここでは数学の勉強はどういう手順で踏む必要があるのかを、どういう手順だと効率がいいのかを紹介します。
さて、俺の中では数学力は基本的には三段階あると思っています。

・第一段階・
教科書内容の理解(定理や公式の正しい使い方の基本を知る)をする。普通の人は学校の勉強で事足りるはずである。もしやってないとしたら、教科書や教科書レベルの本を自分でやる必要がある。

・第二段階・
標準典型題を把握し、それに使われる解法、定理を正しく使えるようになる。自分で分野毎に必要な問題パターンを書き出せるようになることがこの段階の「卒業条件」である。とはいえ、第三段階に移行したあとも、第二段階の問題の復習は欠かさずやる必要がある。受験日の前日までやり続けて欲しい勉強である。(東京一工阪、旧帝、早慶、医学部などの難関大志望以外の人はこのレベルまでで十分。実際難関大志望でもこのレベルをマスター出来れば、合格点近くまで取れると思う。)

・第三段階・
難関大志望者の場合、難関大頻出の典型題を習得する必要がある。難関大志望者にとって、合格点を超えてしっかり合格する為には、絶対欠かせない勉強である。問題の解法やそれを用いる理由、分野毎にどれだけの問題パターンがあるのかを把握して初めて、この段階をマスターしたことになる。ただし、直前までやり続けること。ちなみに都市部医学部に受かりたいのであれば、この段階は完成させないとダメです。この段階をやらずに受かるのはかなり厳しいです。第二段階で満足せずやりましょう。

数学が苦手な人の多くは色々な段階を混同しながら勉強している人が非常に多いと思います。また、それに加えて勉強時に必要な意識を持たないまま、ただ機械的に解法を覚えているとなったら、それは当然伸びないと思います。全体のアウトラインを掴まないまま、無駄に復習ばかりしても正直無駄です。数学の勉強の段階を意識して、自分の立ち位置を把握して、後述する「数学の勉強時の意識」を持ちながら勉強した方が遥かに効率がいいです。背伸びをせず、また自分の今いる段階に満足せず、勉強をして行きましょう。




[3.志望別に望まれる学力とその時期]
ここでは、志望別に望まれる数学の勉強法を紹介していきます。自分の立ち位置を把握し、間に合ってない場合は急ピッチで間に合わせて下さい。また、間に合っていたとしても早めに次の段階に移行した方がいいので、慢心せずに頑張ってください。(無理する必要はないですが。)


(a)上述の難関大志望現役生(特に医学部、東大志望)
高3になるまでに数学3Cまで全分野を第一段階のレベルで学習するのは基本になります。国公立で進度が遅い場合は自分で未修分野を終わらせてください。現役で安心して受かりたいなら絶対です。ポテンシャルの高さを自負していてもダメです。他の合格するような医学部受験生はあなたと同じようにポテンシャルは高いです。早めにこの第一段階を終わらせることが、現役合格への一つの鍵となります。
そして、第一段階が終わったあとは、すぐさま第二段階に移行してください。この第二段階は少なくとも夏休みまでには、「全分野」について「一通り第二段階の卒業できたな」、「マスター出来たな」と思うレベルまで到達する必要があります。
そして、夏休みの中頃までには「絶対に」第三段階に移行する必要があります。(早めに移行できればそれがベストです) 思ったより第三段階は時間がかかります。というのも第二段階も並行して勉強しなければならないためです。頑張りましょう。
で、第三段階の問題集を一通り勉強出来たら、過去問を解き始めてください。現役生だと、この時期は早い人で11月、遅い人で12月くらいだと思います。ちなみにこの時期になっても、第二第三段階の勉強は並行して行ってください。あとはウェイトを変えながら入試まで復習と過去問演習をやるのみです。
このペースでマスターしながら勉強すれば、全統記述模試で偏差値70は絶対に超えます。逆に超えていないとなると、段階ごとの勉強が未熟か「数学の勉強に必要な意識」を持たずに勉強している可能性があります。後者の場合はわりと深刻です。後述する「意識」をしっかり持って勉強していきましょう。

(b)上述の難関大志望浪人生
予備校の授業に力を入れないつもりの学生が対象です。あとは学力が高めで、予備校の授業が非効率に感じるようになったレベルの学生が対象です。それ以外の人は、予備校のテキストをやった方が無難です。ただしどちらの学生も後述の「意識」を持って勉強することは必須です。とくに浪人生は「意識」を持たなくなりがちなので注意です。逆に意識を持って取り組めば驚異的に学力が伸びます。
あと、滑り込み合格したマグレ野郎がドヤ顔で「○○○って問題三周すればOK」とか言ってくることがあるかもしれません。無視しましょう。まぐれ合格者の勉強は当てにできません。聞くなら、せめて絶対的な学力で合格した現役の友人にしましょう。
さて、浪人生の場合、割と学力がある場合は四月から第二段階に移行して構いません。浪人生の場合、早くて6月、遅くて8月くらいまでに「全分野」について「一通り第二段階の卒業できたな」、「マスター出来たな」と思うレベルに達する必要があります。
そして、その後は速やかに第二段階の勉強を並行しながら第三段階に移行する必要があります。ちなみにここで大切なのは、第二段階を並行してやることです。慢心せず第二段階の勉強もできる限りでいいので並行して行なってください。
で、第三段階の問題集を一通り勉強出来たら、過去問を解き始めてください。かなり優秀な浪人生なら夏頃に始めているかもしれませんね。(東大志望の勉強できた友人が夏頃から25ヶ年をやっていたのを覚えています。)まあそこまでいかなくとも、11月にはちょくちょくやるべきだと思います。12月には絶対解き始めましょう。ただし、その際も第二第三段階の勉強は欠かせません。あとはウェイトを変えながら入試まで復習と過去問演習をやるのみです。
ちなみに「意識」はしっかり持って勉強してください。

あと未修の分野がある現役同様の浪人生は(a)の現役生と同じ感じで勉強してください。

(c)中堅大学志望の学生(理科大、上智、MARCHなど)



[4.数学の勉強の仕方ー日々の勉強ー]
数学が得意な人からしたら当たり前すぎて、「わざわざ何を書いているんだお前は。」と思われるかもしれませんが、意外に分かってない人が多いのも事実です。なので、一応しっかり読んでいただけるとありがたいです。さて、数学の勉強というのは、独学の際は以下のようにするのが普通です。

・Step1・
問題集の問題を解く&考えてみる。
正直、学力が安定するまでは数学の問題は自力で解くのが厳しいので、ここで時間をかけすぎる必要はないです。解けるなら解けるに越したことはないですが、時間がない人なら計算を省いたり、解答のアウトラインだけ作るにとどめてもいいと思います。(ただし、問題を最後まで解ききることはある程度は絶対に必要です。)まあ問題を知るっていうフェーズです。
・Step2・
解説を「意識」しながら読んで理解する。
意識や問題の解き方等については後の項で詳述しますが、とにかく「意識」しながら問題の解法を理解し身体で覚えて下さい。
「この問題の方針はなんなのか」
「この変形はどういう意図で行なっているのか」
「お、ここの変形便利じゃん!次使おう!」
「この解法は要するに○○○って事だな。そういえば、この解法はあの時のあの問題の解法に似てるな」
とか、そういう意識を持って問題の解答の理解に励んでください。
また、一通り問題を理解できたと思ったら問題の整理を行ってください。
「ああ、この問題はベクトルの問題で、内分点の公式を拡張させた問題だな。内分点の公式を使う場面は○○○みたいな時だな。そしてこの問題は△△△の問題の類題になっているな。」
みたいな感じで問題の要約をして下さい。これ意外に大事です。問題をマクロに見る作業って大事です。

・Step3・
問題ができるようになるまで復習する。
解答が理解出来たら今度は、解けるように復習しましょう。一度は全部といてみるといいでしょう。それで出来たらそれ以降の復習はアウトラインにとどめる程度でいいと思いますが、まあとにかく復習しましょう。数学力を伸ばす鍵は復習です。復習なくして数学力は伸びません。復習には、解法の整理、「意識」の定着化、実践力の向上など様々な効用がありましょう。復習もしないで、数学が伸ばしたいとか言ってたら言語道断です。復習はメチャクチャ大切です。
ちなみに復習というのは忘れる直前までにするのが大事です。忘れてから復習したのでは手遅れです。それは一回目の復習と同じになってしまいます。忘れないうちに復習しましょう。忘れそうになったら、気が向いたら復習。そんな軽いノリでいいんです。反復すればするだけ伸びます。(まあ当たり前になったら復習し続ける必要性はなくなりますが)ただし、復習する際にもStep2で挙げたような「意識」を持つことは忘れずに。意識を持たないまま復習してもたかがしれてます。


まあ、こんな感じで日々の学習をしてみてください。今まで、機械的に覚えた解答ももっと意味合いを持つようになると思いますよ。というか趣旨を理解している問題を増やせれば自ずと伸びます。どんな人にも納得させられるような説明ができるレベルに到達できればその問題はクリアです。そんなクリア問題を増やして行けば数学の成績はきっと伸びます。
ただし、たまには自力で初見の問題を解くトレーニングもしてくださいね。復習だけでは、前述の「解答力」は満足なレベルまで伸びません。以下の5項や6項に書いてあることを意識しながら、たまにはトレーニングもしましょう。普段の問題集を使うのでも構いませんから。




[5.数学の勉強時に持つべき意識ー日々の学習での意識ー]
前項でも書きまくりましたが、数学の勉強をする際に一番重要になってくる要素の一つです。というか「意識」を持たずに勉強しても伸びるわけがないと思います。闇雲に復習する学生と意識をもって復習する学生では雲泥の差があります。
では、その「意識」ていうのは何なんでしょうか?俺自身、未だに要約することはできませんが、だいたいは把握できているとは思うので、以下に箇条書きします。他にも色々あると思いますが、それは個々人で意識するようにしましょう。

・問題文を読んだ時・
「要するにこの問題は何を言いたいんだ?」
「要するにこの問題は何を求めさせたい、何を証明させたい問題なんだ?」
「この文章を式化するとどうなるんだ?」
「そうか。ここで(1)を使うのか。」
「まず、この問題の方針をたてよう。」

・問題解説を読んだ時・
「そうか、ここであの公式を○○○という理由で使うのか」
「この変形はどんな意図で行ったんだ?」
「この問題に使われた解法の使用できる条件ってどんな時だ?」
「この問題の解法は要するに○○○ってことだな。この問題は△△△という部分においてあの問題と類似しているな。」
「この計算法って賢いな。覚えておこう!」
「この問題の解法を一通りまとめておこう」

・復習する時(問題解説読解に加えて)・
「ここでの方針は○○って理由で△△を使うんだったな。丸暗記にならないように理解しながら覚えとこ。」
「なるほど!前回は気付かなかったけど、こんなところにも他の問題と共通点があるのか。」
「この解法の使用条件は○○○だったな。何度もやるうちに染み込んできた!」

こういうことを意識するとしないとでは、理解の差や応用力の差が大きく開きます。目的意識を持って勉強したり、一つ一つの過程を「意味付け」して考えることはとても重要です。学力の高くない学生は、殆どが勉強の意味付けをできていない気がします。大体の人が杓子定規に
「合格者はこの問題集三周したから伸びた。おれも三周するぞ。」
「とにかくこの問題を出来るようになるまで解きまくるぞ」
みたいな感じでなんでそれの何が大切か分からず闇雲に解いているだけの気がします。さらにそういう人ほど「やってるのに伸びない」で負のスパイラルに陥りますし、それで自分を過大評価していたらもうどうしようもないです。そうなる前に意識する習慣をつけましょう。
分かりやすい先生ってのは、「なんでこうするのか」みたいなことを説明してくれると思います。そうした意味付を自分でもやっていってください。「意識」は大切です。


[6.数学の問題の解き方ー自力で問題を解くー]
復習も大切ですが、入試本番は基本的に未知の問題に当たることになります。未知の問題を今まで培ってきた知識とセンスと思考力で対応することが必要になってきます。
そうした解答力を身に付けるには日頃から練習、というか正しく問題を解けるようになる頭の使い方を習慣化する必要があります。
数学があまり得意ではないという方は問題を解くときどのようなことを考えていますか?

・最大最小を求める問題だからと言ってむやみやたらと微分したりしてませんか?
・がむしゃらに式変形してドツボにはまっていませんか?
・なんにも思い浮かばなくなって白紙のまま硬直していませんか?
・解答中にいきなり自分が何をやっているのかわからなくなっていませんか?

こうした経験のある人はすぐさま頭の使い方を変える必要があると俺は思います。難しい問題になったら手も足も出なくなるだろうし、量こなしても解けるようになりません、というか非効率だと思います。