学力を伸ばすために最も重要な事 | 仮面浪人医学部合格の記録&医学部生の受験勉強法解説

仮面浪人医学部合格の記録&医学部生の受験勉強法解説

都内国立工業大で仮面浪人した末、
都内国立医学部に合格することができました。
現在は、勉強法紹介ブログとなっています。
よろしくお願いします。

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@igakubu_teacher

こんにちは。とっしーです。
今回は今までの記事の中で一番漠然とした内容かもしれないです。

ただ、最も重要な事だと思います。

家庭教師や塾講師をしていて思うのが、どんなに分かりやすい説明やまとまった解説をしたとしても、「これから書くこと」が大事だということに気づかないと成績は思うように上がらないし、真の実力はつかないということです。
俺も一浪の途中で気付いたことです。この事にもう少し早く気付けば、一浪で医学部に受かっていたかもしれません。それだけ大事なことです。では、それはなにか?

簡単に言えば「問題解決能力」です。

「勉強はめちゃくちゃしているが」浪人しても成績が上がらない、現役生でコツコツ努力したのに成績が上がらないという人はじっくり読んでみてください。
ただし、勉強をあまりしていない、勉強量のハードルが低くやった気になっているという人はこの記事以前の問題ですので、勉強量を増やしてください。勉強をしていないケースというのは論外なので以下では考察の対象から除きます。


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[0.伸びない受験生の現状と解決の糸口]
家庭教師や塾講師をする中で、また俺のブログや質問サイトを見ていて、よく来る質問が、

「この問題集を何周やれば⚪⚪大学は受かりますか?」
「これをやれば、伸びますか?」

というものです。
はっきり言えば、このような質問をする時点で「伸びない可能性が高い」と言わざるを得ません。

同じ問題集をやっても偏差値70のひともいれば、偏差値40の人もいます。
青チャートと過去問だけやって医学部に受かる人もいれば、赤チャートまでやって浪人する人もいるわけです。
両者の違いを生む理由は何か?
当然、参考書の良し悪しではないですね。

「取り組む際の考え方」

こそが両者の差を生む要因なわけです。
ここに気づいて欲しいんです。一番大切なことなんです。
何周やるとかは学力を上げる「目的」ではないんです。あくまで物事を定着させるための「手段」なんです。
何をやれば受かるかではないんです。正しい考え方があって初めて、参考書の良し悪しが選べるんです。参考書は学力を上げる目的ではなく「手段」なんです。
このことに気づいて欲しいんです。

考えてもみてください。俺のように大手予備校に通って勉強しまくって落ちてしまう人もいれば、受かる人もいるんです。
医専予備校で個別指導を四六時中受けながらも落ちる人はいるんです。
なぜ差が生まれるのか?それは、

「自分に課せられた問題を論理的に考え解決策を考える習慣が根付いているか」
「ひとつひとつの解答の中の式変形や解法に論理的な意味付けをできているか」
「教えられたことに対して、その教えた意味や目的を考えたことがあるか」

つまり「問題解決能力」の有無が原因なんです。このことに気づいて欲しいんです。
「問題にたいして論理的に解決策を練り実行する」という考え方を、勉強で生じた疑問や勉強そのものに対して毎度毎度使うことが出来れば、必ず勉強が得意になります。

「問題解決能力」こそが取り組む際の考え方を良くし成績を伸ばす、解決の糸口なんです。


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[1.問題解決能力のトレーニング]
問題解決能力を向上させるために、「何でそうなるのか至る所で考えろ」といっても、そういう訓練を日頃からしていなかった人にとっては難しいと思います。
なので、この記事では、例として様々なケースについてみていこうとおもいます。
この例を見て、普段の学習で早速トレーニングしてみてください。


a)数学の演習
・問題解決能力のある人
→問題文から求めたいものを把握し、それを求める手段を問題の条件から考える。その際、論理的に順序立てて手段を考えて行く。つまり求めたいものに1番近いであろう解法を考えて解いていく。また、自分の選択した解法は妥当か、一度頭でイメージしてみる。

・問題解決能力のない人
→とりあえず式変形してみたり、根拠のない解法を感覚だけで用いろうとする。分からない問題に直面しても「論理的に」考えはせず、漠然と分からないとしてしまう。

・両者の違い
→問題解決能力のない人は漠然と分からないと思ってしまい、論理的に手段を考えることをしていない人が多いです。コレは、普段の演習で解法の使用条件や使用方法、それを用いる事の意味を考えていないためです。変えましょう。


b)数学の復習
・問題解決能力のある人
→なぜこの解答はこのような解答に至ったかを全体を通して考える。また、一つ一つの式変形の意味や解法の選択理由について考える。それらを総合して、自分の解いたことのない問題も解けるように、解法の使用条件や解法そのものを頭にまとめる。方針の立て方についても学ぶ。

・問題解決能力のない人
→入試問題で問題を解けるようにすることが最終目標ということは分かっているが、そのためには何が必要かを考えていない。そのため、問題集を漠然と復習をし、何回解いたかというところにだけ焦点を当ててしまう。解説の仕方が下手な人や解法の使用条件や分野別の解法をリストアップして説明出来ない人。

・両者の違い
→解決能力がある人は、入試問題を解くために何が必要かを分かっている。問題集の問題が解けるようになる事は入試で点を取る直接のファクターにはならない。入試で点を取るために、その場に応じた解法や論理の立て方を問題集を通じて学ぶわけです。数学の得意な人はどういう場面で何を使うかがわかっています。それは、そういう勉強をしているためです。


c)普段の勉強
・問題解決能力のある人
→自分の学力を伸ばすにはどうしたらいいのか、それについての具体的な計画案を練る。自分の学力を客観的に把握し、そのレベルにあった解決策を考える。その結果、基本の文法ができないと分かったら、基本文法の問題集を取り組む。ただし、問題集選びの際は薦められた問題集をとりあえず買うのではなく、なぜ勧められたか、どうしていい本と言われるかを本の内容を見ながら考える。

・問題解決能力のない人
→とりあえず英語が出来ないので、色々な所でオススメの教材を調べて、買ってみる。ただ、自分の中でその問題集をやる必然性がないので、どこに焦点を当てて勉強をすればいいのかが分からず、成績は伸びにくい。

・両者の違い
→自分の学力を伸ばすために必要なことが何かをしっかり考えているかどうかの違い。解決能力のある人は、自分の学力の中でもどこが足りないのかを考え、それを伸ばすための問題集を探す。それに対して、解決能力のない人は、長文が読めないから、毎日長文を読むというような感じで、自分に必要なことを深く精査せずに表面だけの対策を行なってしまう。さらにひどいと、自分が何ができないかを分かっていないので、「とりあえず単語やろう」みたいになってしまう。


d)勉強の計画
・問題解決能力のある人
→自分の志望校との差を把握し、到達しなければいけない学力値を過去問等から把握する。そしてそれに達するために、自分のどこの学力を伸ばす必要があるか考える。足りない学力は何かを考えたら、それに対する解決策として、問題集や参考書を選んだり、塾や家庭教師を取ることを考える。その際も闇雲に解決策を練るのではなく、問題集や塾の内容を考え、自分の足りない部分を満たすかを考える。

・問題解決能力のない人
→志望校に到達していないことが分かり焦る。焦るものの、何が足りていないのかが分からない、もしくは考えようとしないから、「とりあえず問題集を買ってやってみたり、塾や家庭教師を取ったりする。」ただ、やはり自分の足りていない部分を分析する時間が短いので、どこに焦点を当てて勉強していけばいいかわからず、問題集の復習回数ばかりにこだわるようになる。また、先生に計画を練ってもらったにせよ、それがどのような意図で計画されたか分からないため、計画を消化できず成績が伸びない。

・両者の違い
→目標に対して具体的な解決策を「じっくり」考えるかが両者の差です。漠然と学力差を感じて、漠然と勉強のモチベーションを上げたり、漠然と焦るのではなく、「自分と志望校はどういう部分で差があるのか」「その差を埋めるためにはどのような勉強が効果的か」「そして勉強の際にどのようなことを意識するか」と具体的に解決策を練る人が伸びます。


e)質問の仕方
・問題解決能力のある人
→「⚪⚪を伸ばしたいので、そのために△△という本を使っている。どのように使っていくと△△で⚪⚪は伸びるか教えてほしい」「⚪⚪という分野の△△の要素が弱いので、これを克服する方法を教えてほしい」「⚪⚪大学志望だが、△△が足りていないため合格点に達しない。△△を伸ばすにはどうすれば良いか?」
というように、疑問点を明確にしてそれについての対処方法を聞く。自分の弱い所を直していく姿勢がある。

・問題解決能力のない人
→「△△を使っているが、どのくらいやれば完璧か?」「いつまでに△△をやると⚪⚪大学に受かるか?」「数学ができない。どうすればよいか?」「⚪⚪大学に受かりたい。どういう風に勉強すればよいか?」
というように個々人による問題に対して、一般的な共通解を求めようとする。つまり、自分自身の学力の分析を行っていない人。自分の弱点に対しての解決法を自分で論理的に考えないため、勉強プランを立ててもらっても大して学力が伸びない人がとても多い。

・両者の違い
→自分で論理的、合理的に考えた方法論や対策案についてより良くするためのアドバイスを求めるのが解決能力のある人。対して、解決能力のない人は直面した問題や疑問を全て丸投げするので、教えてもらってもその方法論を自分で考えないため、非効率な勉強しかできない。




どうでしょうか?違いがわかりましたか?問題解決能力のある人というのは、
「問題に直面した時に、自分なりに具体的な解決策を練り問題を考察したり、解決したりできる人」
なのです。こういう事が習慣になると嫌でも成績は上がるし、自然と良い勉強法になっていきます。日々トレーニングしていきましょう!

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[2.最後に]
文章の書き方がいやらしく、不快に思った方がいるかもしれません。
ただし、ここに書いてある問題解決能力の有無というのは長い目で見るとビックリするくらい大きな差を生みます。

勉強しているけど伸びないで困っている人はぜひ、自分の勉強が悪い勉強になっていないか考えてみてください。

そして問題解決能力を上げるために上に書いてあることを真似してみてください。
自分のやっていることについて考察することで、問題解決能力はグングン伸びていきます。そして、学力も見違えるほど伸びていきます。

頑張ってください!