おはようございます。

坪田塾の塾長の坪田信貴です。

今日、朝5時に目が覚めまして静かな朝なので読書(今読んでる本はこれ)


三体三体
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をしていたら、朝7時ごろに長女が起きてきました。

一緒に歯磨きを手伝って、Netflixを見たいというので娘に選ばせたら、

「アイドル戦士ミラクルちゅーんず」





という番組をみはじめました。

簡単に言うと、女の子版の戦隊モノですね。

僕も子どもの頃好んでいていたなぁと思いつつ、リビングで仕事をしながら娘が見ているのをほのぼのとした気持ちで見守っていました。

すると、戦闘シーンになって思わず目を見開きました。

というのも、変身した後に、このアイドル戦士たちは一曲踊るのです。しかもJ-POPとヒップホップの融合みたいな曲を。

かなりの長尺で。


おお!

と思ったら、今度はそのアンサーソングみたいなのを敵が歌って踊り、攻撃をする。

更にアイドル戦士が歌って踊りながら攻撃をする。


ちょっと待て。

なんだそれは。


と驚きました。


昔から、仮面ライダーやら戦隊モノを見ていて、
変身ポーズを取ったりしてる間になぜ敵は待ってみているのか、さっさと攻撃すれば良いのになんて思っていたのですが、

今や「一曲歌って踊る」とかシュールすぎるだろと。


「ネガネガー」とか言いながら敵が踊って攻撃するのも笑っちゃうのですが、何にせよ、その曲が30秒から1分くらいで戦闘時としては長尺も良いところです。


でも、ふと思い出したことがあります。


それは「元寇」。

鎌倉時代に中国が日本を攻めてきて、2回とも結果的に台風が来て停泊していた船がボロボロになって逃げ帰ったという「神風」神話の元寇です。

その時、対馬とかでは鎌倉時代の武士たちは、
最新鋭の武器である「てつはう」や「集団戦法」によってボロボロにされてヤバかったのだけど神風のおかげで助かった!

みたいなことを教科書では学びます。

ところが、結局、これって、鎌倉の武士は「やーやー我こそは◯◯国の△△の家来!□□である!」みたいな前口上を言うことで後々の恩賞(ご恩)が貰えるからお互いが言い合ってから戦闘するみたいな慣習があって、対元の軍隊だと、それを言ってる間に、集団でガーッとやられたみたいな話を聞いたことがあります。

戦隊モノや仮面ライダーはその戦いの流儀を受け継いでいるわけですが、

そう考えると、

このミラクルちゅーんずの戦闘シーンは令和の時代の前口上なんだな、しかも「女の子」だから、歌って踊りながらの前口上になるのかと感心しました。



ところで、先日、ツイッターでも言ったのですが、

「面白い人」というのは、視点が複数ある人か、独特な視座を持って物事を見て、伝えることができる人

だと思っています。


これは、人生のあらゆる出来事を「面白い」と感じることができるための必須のスキルでもあります。

女の子の戦隊モノを見た中年のおじさんは、
興味がないとか、あるいは、この女の子かわいいなーみたいな視点で見るのかもしれません。

その中で、「歴史」という視座で見ると、「戦隊モノの系譜」における進化を感じたりできますし、更に、日本の「武士の戦い方」まで俯瞰してみると、脈々と受け継がれていながら、現代の子どもの嗜好性にアジャストしているんだなーと感じたりすることができ、それだけで「面白く」見ることができます。

「勉強」の意味や意義の一つはこれだと思います。


アイドル戦士たちは、アイドルの「卵」なのでしょうけれど、

「卵」一つとっても、これを見て、英語の「egg」という解釈を持つことでそれがなぜeggなのだろうとか、「卵」の漢字の成り立ちを考えてみたり、
理科という観点では、この「殻」や「中身」の成分を調べてみたり、あるいは化学式で考えてみたり。
歴史という観点では、卵が食用され始めたのはいつか、流通し始めたのはいつでその社会的背景は何か。
数学的には、この「楕円」を式で表せるか、積分するとどうなるか、国語という観点では、卵をみて俳句を考えてみたり、卵を比喩表現として使う場合にどういう要素があるのかなどなどです。

5教科をそれなりに勉強していれば、
5つの視点を持って物事を解釈することができます。

人間はあらゆるものに「意味付け」をする主体ですが、そこにどんな意味付けをするかで毎日の生活の彩りが変わります。

そんなことをこの夏休みの一日に親子で話してみたらいかがでしょうか。

とりあえず、ミラクルちゅーんず、面白かったです。