3月に確定申告が終わりまして、税理士さんから送られてきた提出書類の「職業欄」に「タレント」と書いてあって衝撃を受けた坪田です。
「いや、タレントじゃないし」
と直観的につぶやいたのですが、
そもそも「タレント」ってなんなんだろう?
とも頭に浮かびました。
そこでWikipediaで調べてみました。(辞書を引く習慣は無くなってしまった…知識の消費化とも言えますね…)
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タレント(英: talent)は、才能、あるいは才能がある人を指す言葉[1]。転じて、日本では、テレビやラジオなどのメディアおよび各種イベントに出演し出演料を得ることを収入源としている人を、本業としている人だけではなく副業や一種の副収入としている人も含めて一般に指す用語。
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なるほど。この定義だと確かに当てはまるのかもしれない。
4月のメディア収録および放送を調べてみたら
①ナイツのチャキチャキ大放送(TBSラジオ)
②大﨑洋と坪田信貴のらぶゆ〜きょうと(KBSラジオ)4本
③ワルイコあつまれ(NHK eテレ)
④ホンマでっかTV(フジテレビ)2本
⑤かまいたちの机上の空論城(関西テレビ)
⑥生島ヒロシのおはよう一直線(TBSラジオ)
⑦お茶とおっさん(BSよしもと)4本
⑧warai ni negaiwo(BSよしもと)
イベントは
①第53回MDRT日本会大会in福岡(4500人以上の参加らしい)
②BIS(ビジネスIT&SaaS EXPO)未来を作るIT総合展(1万4千人の参加らしい)
講演会は
①電気連合千葉地方評議会
②学校法人安養学園西川口幼稚園
の2つ。
単純計算で、2日に1度メディアに出演していて、
イベントや講演も出ていたら、タレント…と職業欄に書かれても反対するのはおかしいのか…とは思いました。
ただ、じゃああなたの本業は何ですか?
と聞かれたら、やっぱり「坪田塾の塾長」です。
「教育」という言葉は好きじゃなく、「共育」だと思っているのですが、足りないことは多々あるので互いに育て合う、共に成長するものだと思っています。そういうメッセージを、目の前の生徒に伝えるのか、メディアを通じて多くの人に伝えるのか…本質的にやっていることは、ここ20年以上変わりません。
先日、「ワルイコあつまれ」の子ども記者会見の収録で、「今、生徒さんを教えてるのですか?」と子ども記者の方に聞かれて、「していません。僕より若くて優秀な先生たちが指導しているので」と答えました。
次世代が活躍するために、これまでの知識や経験を深め、伝え、次世代の時代の流れから新しい知識や技術を一緒に学んでいくこと、そしてその根底に相互尊敬と信頼、愛情があること。(そのために、指導者は、「憧れ」の存在であること)
これこそが「共育」あるいは本当の意味での「教育」だと思っています。
坪田塾の先生たちにはその指針を意識しながら日々精進して欲しいし、僕は、坪田塾以外の人たちにもそれを宣教師のように外部の人たちに伝えていくという役割です。
それが本であったり、インタビュー記事であったり、SNSであったり番組であったり、対面であったりと、媒体は異なれど、坪田塾的なメッセージを伝えていく。
そんな活動をこの10年やってきて、改めて実感するのは、
「媒体によって伝わる伝え方が本当に異なるな」ということです。
英語も、対面だと話しやすいですが、電話やメールになると異なる能力が必要になるのと似ていて、
同じ「SNS」でも、YouTubeやTwitter、Instagram、Facebookでは根本的に伝わる伝え方が違います。
Twitterは140字以内の文字がメイン。
YouTubeは動画です。Instagramは写真や動画。Facebookは友人への長文文字…という感じ。
YouTubeで「文字を読ませる」みたいな動画を作るのは悪手だし、Instagramはやはり「映える」撮り方やモノ、人を意識しないといけません。
メディアにおいては、対面で一対一で話す分は、長尺でも耐えられますが、テレビの生放送だと、1分も話されると飽きてしまいます。
ラジオだと、比較的ゆっくり、背景から説明できる。
新聞は、キャッチーなフレーズを意識しつつも、
記者さんが書きたいことはなんなのかをある程度読み取りつつ、自分の意見をちゃんと反映してもらうにはどうしたら良いかを考えながら話さなければなりません。
一対一で指導するのと、三人を相手に話すこと、二十人を相手に話すことが全く異なるように、それぞれのシチュエーションやメディア別で「伝え方」が異なることをこの10年でかなり深く学びました。
これは、ビジネスの現場でも活かせます。
「ホームページでどう集客するか」「新聞チラシでどう集客するか」「口コミをどう発生させるか」「プレスリリースはどのタイミングで出して、どのように書くのか」と言った、多くの企業が「当たり前にやっているけど成果が出ていない」(これまで通り)ということも解決できます。
何が言いたいかというと、家族であれ、企業であれ、「組織」です。
自分ができることをさらに伸ばす…という考え方は大切ですが、それを他の人にどうできるようになってもらって、自分はその知識や経験や技術、人付き合いをベースに異なる世界に飛び込んで成果を出す。そしてそれができるようになったらまた、次の人にバトンタッチ…というのが健全な組織なのだと思います。
そして、「教育」と言われるものだとしたら、
その「自分のスキルやノウハウ、コツ」をシチュエーション別にどう伝授させるか…という観点で人材育成を行い、決して「その人が元から持っている才能」のようなものを選び取り、どうにか楽できないかな(自分が大変だから)…みたいな発想でいたら、いつまで経っても誰も自立できないという状況になります。
今2年ぐらい寝かせている本の企画があるのですが、改めてその辺をちゃんとまとめて、書き直そうと思いました。
てか、タレントじゃないし。