「悲しかったことと楽しみなこと。」あい | ばいばい

ばいばい

遥か望む彼方の光
君を照らし出さなくていい
狂おしい花びらを舞い散らせて
堕ちる桜を抱いて 眠る

私は早く大人になってお母さんを助けてあげたいと思っていました。
でも、お母さんは私を置いていなくなってしまいました。
月花ちゃんはひどいことをされたそうです。どうしてあんなに意地悪になってしまったんでしょうか。私を睨んですごく怒ります。階段を上っていくお母さんに馬鹿って言ったら親にそんな口を聞くなと言ってどんってされてしまいました。転びました。それから私は大きくなれなくなってずっと十三歳のままです。
それから、子供になりたいなと思ったので月花ちゃんと綾緋くんの子供になります。夫婦じゃないらしいです。兄弟だっていうけど大人です。お母さんみたいに私を捨てたりきっとしないので小学校に入る前に戻ります。
月花ちゃんはおじいちゃんの子供で綾緋くんはシステムです。システムは難しいことをしているそうです。私の我儘を聞いてくれるのできっととても大人です。でもお母さんより年下です。お母さんはおばさんだけどお兄さんです。私はお父さんが好きではないのでお父さんになってくれるなら嬉しいと思いました。
月花ちゃんは植木鉢のクランベリーでジャムを作って食べさせてくれました。全部私が一人で食べてしまいました。月花ちゃんのお友達にも分けてあげれば良かったです。とっても美味しかったです。赤くて綺麗でした。固かったのに柔らかくなりました。フランスパンに塗ってもらいました。おしゃれなフライパンで煮ていました。砂糖と蜂蜜で作っていてすごいなと思いました。私もいつかお料理の出来る大人になりたいです。
お母さんは幸せになれると良いと思います。きっと、おじいちゃんのお家に帰れば大丈夫だと思います。犬のベティちゃんもいます。ちさこねえちゃんもいるので優しくしてもらえると思います。
私は風邪を引いたので今日は病院に行くことになりました。喘息らしいです。首が腫れているので見てもらいます。川の上の橋を渡るのが楽しみです。神社とお墓もあるそうです。猫がいるそうです。
綾緋くんが朝ご飯にお味噌汁に葱を入れてくれます。お汁がたくさんあってお母さんのとは違います。納豆とご飯を入れて食べます。お行儀が悪いけど子供だから大丈夫だそうです。玉子も入れてもらえるそうです。朝ご飯にたくさん食べるのはしなかったので楽しみです。
それから月花ちゃんをお母さんと呼ぼうと思います。お母さんは色んなものを作れるのですごいです。ハンドメイドを作ります。銀のアクセサリーも作れるらしいです。私も作れるかな。この前指輪を作っていてすごかったです。余った粘土で遊ばせてくれるらしいので私も何か作れると良いと思います。火を使うので大人の人とやらないといけません。早く大人になりたいです。