挿し木苗や実生苗を植え付けて 超ミニ盆栽を作っていると

どうしても真っ直ぐで背が高い文人木が多くなります。


超ミニ盆栽を元気に育てることができるようになったら

第二段階へ進みます。


樹形をデザインする。



盆栽には色んな形があります。 昔から先輩たちが どんな形の

盆栽が美しいのか 研究を重ねて 盆栽樹形が決まってきました。


盆栽を作る時から 将来樹形をきめて素材作りから 育てます。


あるいは育てながら針金を使ったり 切り戻しをしたり 取り木をして

理想の樹形作りを目指します。





↑ ツゲの超ミニ盆栽(直幹 チョッカン) 挿し木3年生。




盆栽の樹形

直幹(チョッカン):幹がまっすぐに上に向かってのびた樹形

斜幹(シャカン):幹がまっすぐか ゆるやかな曲線で斜め上へ
伸びた樹形

双幹(ソウカン):足元で幹が2本に分かれて 伸びあがった
樹形(親子になっているのが好ましい)

3幹(サンカン): 足元から3本の幹が 立ち上がった樹形で
足元がひとつになっているのが好ましい

株立(カブダチ):足元から4本以上の幹が立ち上がっている
足元はひとつになっているのが好ましい

模様木(モヨウギ):幹が曲がりながら立ち上がっている樹形

吹き流し(フキナガシ);風に吹かれて幹や枝が なびいている
ような樹形

懸崖(ケンガイ):崖の上から たれさがって生きているように
見える樹形

寄せ植え(ヨセウエ):複数の木を寄せて植えつけした樹形

そのほかに 文人木 甲羅吹き 半懸崖 螺幹(バンカン) 途中双幹
つまみ植え などいろいろあります。


また 中間的な樹形の方が実際には多くて
懸崖風の模様木とか
模様木楓の懸崖とか
樹形は無限にあります。





↑アイビーの超ミニ盆栽 斜幹 挿し木2年生。

真っ直ぐ植えつけすれば 直幹となりますが
ちょっと変化を付けて 斜めに植えつけすれば
斜幹になります




↑ニレケヤキの超ミニ盆栽 双幹  挿し木5年生

足元はつながっています。




樹形の好み

直幹樹形が好きだったり 右流れの木が好きだったり
すると 自分の棚の上の木が似たような木ばかりになります。

好みなので盆栽をひとつずつ楽しむには 問題ないのですが
展示会で飾る場合は色んな樹形がないと 組み合わせ
ができません。 

展示会に向けて色んな樹形の木を作っておきます。


見本のストック

樹形を作る場合は 自分の頭の中にあるスケッチブックから
適当な樹形を引っ張り出してそれを見本として
作ります。

多彩な樹形を作るためには自分の 頭の中に
沢山の見本を持っていることが必要です。

沢山の見本を持つには 沢山の盆栽を見る。
流し見をせずに しっかりと見る。
写真や本も勉強のつもりで見る。

沢山の見本ストックを持っていると 素材の個性に
合わせて どのように作ったらよいかが判かります。 




↑ カングミの吹き流し樹形


↓ モミジの寄せ植え



樹形の基本は そうなのですが
正三角形よりも2等辺3角形の方が格好が良かったり。

きちんと着物を着るよりも 着流しが好きだったりします。


特に超ミニ盆栽はアイデアとセンスを大切にしているので
常識的であるよりも 従来の掟破りのほうが
斬新的で 新しかったりします。
(基本は大切です)



盆栽を長くやっている大先輩の樹形を見せていただくと
先輩の服装から性格まで なるほどと納得させられることがあります。