上田家の家系図をひも解くと、
祖先の一人に「上田玄次郎」なる人物がいる。
彼は、江戸時代、化政文化が栄えた頃、
「この世には摩訶不思議な現象などひとつもない。
蘭学の力ですべて解き明かしてみせる」
と主張する蘭学者だったらしい。
彼は当時、江戸市中を騒がしていた
「蠻惨血魔(ばんさんけつま)」と呼ばれる
妖術使いの退治を依頼され
それを見事に討ち果たしたとの言い伝えが残っており、
私に負けず劣らず有能な人間だったことがうかがえる。
天才の血というのは、
代々受け継がれるものなのだ。
ただ、私はこれまで、
自分の頭脳を超えるような人間と
一度も遭遇したことがない。
やはり、私以上の天才が、
今後地球上に現れることはないのだろうか?
いや、そうとばかりは言えない。
私の遺伝子を受け継いだ子供であれば
将来、私を超えられる可能性も皆無ではない。
そう考えると、私の遺伝子というのは、
ますます重要な意味を帯びてくる。
未来の担い手である天才誕生の鍵は、
私の遺伝子が握っているのだ。
さしあたって、
7月11日に行われる参議院選挙において、
各党は、取り組むべき最優先課題として
「上田次郎の遺伝子保存」という項目を
マニフェストに盛り込むべきではないだろうか。