七夕である。
そもそもの起源は精霊を祀る
盆行事のひとつだったと言われているが、
時代と共にその在り方が変化し、
いつしか笹の葉に短冊を吊るして願をかける
“七夕祭り”が行われるようになったという。
経緯はどうあれ、
夜空を見上げ、星々に思いを馳せる夜。
叙情的ではないか。
科学にもロマンは必要だ。
ただ諸君は、
あらゆる願望や期待を自らかなえてきた私には
縁遠い行事と思うかも知れない。
しかし、実はそうでもない。
と言っても、私は「願をかける側の人間」ではなく、
「かけられる側の人間」なのだが。
今日、各地で掲げられている短冊には、
少なく見積もっても2000枚以上は、
私の活躍を、「何度も」「じっくりと」
「擦り切れるまで観たい」という
願いが掲げられていることだろう。
私は、そんな人々の願いをかなえるため、
いくつかのアイテムを用意することにした。
私がたった一人の力で
子守唄に秘められた哀しい思いを解き明かした
一夜村の事件の顛末を収めた記録DVDである。
これは、諸君が星に託した願いを具現化した
私からの贈り物である。
ついでに、矢部刑事が起こした騒動の
一部始終を記録した映像も用意してある。
いずれも、10月８日にレンタル版が、
10月22日にセル版がリリースされる予定だ。
また、万練村の一件もDVD化が決定している。
この私からの贈り物を手にした暁には、
今一度、私の活躍とその天才ぶり、
及び矢部刑事の額から上にあたる部分のフィット感を
改めて確認しておくといいだろう。
ちなみに、３か月も先の話を
覚えていられないという者のために、
私がここで特別な記憶法（科技大式暗記法）を
伝授しておこう。
10月８日は、「トー！ヤー！の日」と、
22日は、
「次（２）郎のような天才は
二（２）人と現れない…の日」と
覚えておけば間違いない。
その日になれば、自動的に諸君の脳が
重要な一日であることを思い起こさせるはずである。
