【プアマンズ エラン】(駄文)
1990年代
カーグラとかを読んでるマニアの方々は、ユーノスロードスターを、
貧乏人の為のロータスエラン『プアマンズエラン』と呼んだ。
いわゆる蔑称。小馬鹿にしていたのかもしれない。
「見た目はそれっぽいがデカい」
「エランは600kg台。ユーノスは1トン。重てえナ。走んねえヨ」
「120馬力ってロータスビッグバルブと数値は合わせててもね、回り方がエモくない。所詮実用車のソレ」
「中身はロータスには遠く及ばない。MGBというかミジェット言うか。ガワだけロータス風のふいんきだけヨ」
「あんなのレプリカではなくフェイク。偽物パチモン」
当時のエンスーからはそんな風に言われていた。
『新参のユーノスを差別する事がホンモノを知るマニアとしての優越感』みたいなアレ。
ロータスエラン。良いですよね。
いまだに完調なモノは驚くほど走るし、軽快感も凄い。気持ち良い。名車です。
純正(風)な脚は、軽い車体でタイヤを地面に押し付ける為に、意外にもロールピッチングは深いし乗り心地も凄く良いです。
予め姿勢をキメてコーナーに入ればその後は路面が凸凹してても安定してグイグイアクセル踏める。
クネクネシナシナ箱が動いてタイヤが路面を離さない。滑らか。
「スポーツカーはガタゴトするもの」だと思っていると肩透かしを喰らう。
コーリンチャップマン は『ロードホールディングする脚の方が速いのだ』と言ってたとか聞いた事あり。
未舗装など多かった当時の荒れた道路を軽いクルマ細いタイヤで速く走らせるにはそりゃそうだなと。
これも蔑称「ダットサンスポーツトラック」と言われましたね。
馬力任せで硬い脚で飛んだり跳ねたりしながら進む、
トラックのような乗り味のスポーツカー全盛だった時代には革新的な考えだったんだろうなと。
クネクネシナシナ脚が動く(正確には箱がそんなに不愉快に揺れない)
コレがチャップマンの当時の理想だったんやろなと。
で、ユーノスロードスター。
『プアマンズエラン』というのなら、【ちゃんとプアマンズエランにしたろかい!】と思いましてね。
うえしまなりの解釈で、クネクネシナシナ快適粘り脚を頑張って作った訳です。
クリニック脚はどの脚も基本的に同じ考え同じ雰囲気ですが、その考えの頂点が『ストリート改』ですわ。もう自画自賛。
ノーマルよりも快適。脚が動くとはこの事。気持ち良いロールとピッチング。
ヒラヒラシナシナと車をひるがえしながら走らせればもう最高に楽しい。
安定してコーナーを駆け抜ける走りは「ライトウェイトスポーツってコレでしょ!」って思える。
その為に「あえて減衰力の低い量販ストリート向けダンパーを選んだ」のもミソです。
【プアマンズエラン】
かつての訳知りっぽいオジサン達に、
「ええ、そうですヨ。どうですかボクのプアマンズエランは(クスリ」と、蔑称を逆手に取って沈黙させるロードスターに。
低くて硬くて速いだけがスポーツカーではなく、
人馬一体
「ちょっとしたコーナー曲がれば気持ち良くて日頃の疲れが吹っ飛ぶ」
そんな日常からの解放をさせてくれるのも、ライトウェイトスポーツカーとしての一つの役割だと思う訳です。
おしまい。