こんにちは。
いよいよ2月2作目の作品の紹介となりました。
2月の資材として届いた「KAISER CRAFT」のScrap Studioというコレクションに関しては
バラと蝶が中心のモチーフとなり、新緑の庭を思わせるようなビジュアルデザインでした。
しかし・・・・・
実をいうと、わたし蝶々がダメなんです。
鳥と魚もNGです。(デフォルメされたイラストならOK)
このコレクションにある蝶は、とってもリアルな描写で半分が蛾でした・・・
なので、1作目はバラを中心にキリっ凛々しい作品を
2作目は蝶の絵柄を先に全てちぎって、frayedな絵柄をレイヤーして組み立てていきました。
そんな2作目がこちらです。
12インチとメモラビリアボックスです。
実は今回は10期DT全員に
「シェイカーカード以外の使い方を提案する」というお題で
それぞれにJillibean Soup(ジリビーンスープ)のシェイカーカードが与えられていました。
私の届いたカードはShaker Card Square
真ん中に四角い穴のあいたカードが6枚、それを入れる封筒が6枚入っていました。
はじめは、シャドーボックスにしようか考えたのですが、シャドーボックスにするためにはスクエアの部分が小さすぎました。
次に浮かんだのが、「さわる」仕掛け絵本でした。
これをスクラップに取り入れられたら素敵だなあと。
で、出来上がったのがこちら。
メモラビリアは、大切に保管しておいたもので、汚れてしまうのが嫌だったので
表紙はカバーをしました。
カバーに使ったのはこちらPoetic Rose Ephemera & Acetate
透明なエフェメラを2枚張り合わせてスクエアの穴をふさぎました。
エフェメラを通し、中のメモラビリアが見えるようになっています。
コレクションの中でも比較的イラストタッチだったブルーの蝶々と黄色いバラをあしらった
スリーブを外すと、絵本のように中が開きます。
このBOXは、カードを3枚張り合わせて作りました。
中にはスクエア型の窓がもう一つあり、その窓にはあえてカバーをせず触れるようになっています。
ピンクのタブを引っ張ると、引き出しのようにスライドしてメモラビリアを収納できます。
隠しポケットしは、入院中に隣で眠っている息子を描いたイラストの写真を忍ばせています。
(原画は病院のナースステーションにプレゼントしました)
今から11年前。
長女を妊娠した際に受けた検査で、子宮に進行性の悪性腫瘍が見つかりました。
“子宮の外にがんが広がっている状態。リンパ管や血管を経由して、がんが全身に広がっている可能性がある。”という状態でした。
何度となく検査を重ね、がんの進行をみながら半年間体内に胎児とがんの両方を共存させていました。
幸い、子宮ガンは進行が遅く妊娠を継続することができました。
たまに襲う恐怖は忘れ「この子が命をつないでくれた」とただただそんな思いでした。
産後すぐに腫瘍を摘出する手術をしました。
それから5年。がんの再発もなくこうして3人目のわが子とともに病室で息をしていることが本当にうれしくて幸せで、長男の出産で入院していた12日間は「すべてのことに感謝」をした記憶があります。
私にできることは「絵をかくこと」だと思っていたので、暇さえあれば絵を描いていました(笑)
このメモラビリア(黄色い帽子)を見ると、その時の気持ちがまるで昨日のことのように思い出されます。
そして、そのおまけ的な意味合いで、出産日の写真を12インチでレイアウトしました。
左うえから、入院前日の写真。
上2人に比べて、前に大きく突き出したお腹。本当に苦しかった。
まだ私の体の中に体を丸くして産まれてくるその瞬間を待っていたんですよね。
メインの写真は、手術室で産声をあげた直後の息子の写真。
助産師さんが撮ってくれたものです。
そして、メモラビリアと連動する「黄色い帽子」をかぶった息子の写真。
保育器に入れられて、大きな一粒の涙を流しています。
そしてメイン写真のマットとして敷いてある白い紙は、Shaker Card Squareの封筒です。
「BLESSED」=神聖な というダイカットをめくると
つばめと、赤いバラが現れ、封筒の中にはエコー写真を忍ばせました。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
スクラップブッキングはニッチなクラフトといわれますよね。
デジタル&ペーパーレスな時代に完全にアナログなクラフトかも。
今は車や、洋服ですら所有するよりシェアする時代。
写真もプリントするよりSNSでシェアして「現在進行形」を共有する時代です。
「思い出」なんて時代にマッチしていないんでしょうか?スクラップブッキングの市場は年々縮小傾向のように感じます。
だけど、私たちは人間は、こうして肉体を持ち、筋肉を使って大地を踏みしめています。
電源を入れている時だけ「生きている(通信している)」わけではなく、24時間365日肺で呼吸をして生きています。
どんなに情報を整理し、存在意義をオンラインネットワークに求めても「いいね」や「フォロワー」を増やしても、その存在は、実在があるからこそ成立するはず。
大げさですが、人類が実在し続けている間は、スクラップブッキングという素晴らしいクラフトがどうかなくなってしまわないよう(笑)
これからもこのクラフトを愛し続け、その素晴らしい価値を普及していくことに微力ながら力を注いでいきたいと思います✨
3月からは11期のDTにバトンを引き継ぎます。
まだ、どなたが就任されるのかはわかりませんが、引き続きご声援をいただけたら嬉しいです。
半年間、本当にありがとうございました。
中西 真寿美