今日であの日から
二週間経ちました。


少し落ち着いたのでここに
今の気持ち、書こうと思います。


私の母は
二週間前、11月6日、帰らぬ人となりました。


原因は
病気が病気を引き起こした、
『低酸素脳症』。
一ヶ月ほど、生と死の狭間で母は頑張ってくれましたが、
最期は眠るように、亡くなりました。


今年の夏は猛暑で暑く、
母は暑いー!と言いながらも、お盆のお墓参りにも一緒に行きました。
まさか、その三ヵ月後に母がいないなんて
思いもせずに・・・。


私の音楽魂は
母が私の手を引き、連れていってくれた、ピアノ教室から始まります。
その頃は他の子よりも下手くそなくせに、将来の夢は『ピアノの先生』と言っていたのを思い出します。
私の手を引くその母のぬくもりはとてもあたたかく、
その頃、内気でおとなしい私を
いろいろな場面で、背中を押してくれたのを今でも覚えています。


低酸素脳症は本人の意識はなくても、
耳は聞こえていることが多い、ということから
亡くなる直前、毎日通った病院先で、
耳元でたくさん、たくさん『 お母さん、お母さん』 と呼びました。
そして、病院でもかまわず、耳元で歌も歌いました。
アッパーグラウンドの『 君ができること』。

「つないだ手を やさしく握り返す
まずはそんな位でいい
君ができること
その笑顔で 幸せになれる人が
ほらすぐ傍にいるでしょ
大丈夫 できるよ」

結局、母は私の手を「握り返す」ことは
できないまま、そのまま帰らぬ人となりましたが、
もうだめだと分かっていても、私の声が、歌が、
聴こえているかもしれない、ただ、聴こえているだけでもいい、
この想いや歌を伝えることができるだけで、それだけで十分でした。
今まで育ててくれて「ありがとう」そんな気持ちを心で叫びながら。。。


昔の数々の思い出たちを思い出せば、どんな時でも心あたためてくれます。
息を引き取る前の母の手のぬくもりのその記憶はずっとずっと、消えることがなく、
大切に大切に心の真ん中に浮かんでいます。
目を閉じて思い出せばいつでも思い出すことができ、心をあたためます。



人の命は儚い。
いつ、何か起こってどうなるかなんて、誰も知らない。
いつ、自分の愛する人、そして家族、大切な周りの人たちを失うかなんて、誰もわからない。
だからこそ、今大事に、そして、自分を支えてくれている、周りの人たちを大切にしなきゃ、感謝の気持ちはちゃんと伝えていないといけないな、と改めて思いました。

そんなことを改めて思わさせてくれることは、親が子に最後に残すメッセージ。
世間一般で言えば、早すぎる死でしたが
早すぎる死もすべて母からのメッセージだったと思って、ぎゅっとかみしめ、
これからも前を向いて歩いてそして、歌っていこうと思います。


今までよりももっと深い歌を歌うことができるような気がします。


―――――――――――――――――
前を向いていれば
きっとあなたを見つけることができる
きっと私を見守っていてくれる
悲しい時は風となって奪い去ってくれる
楽しい時は月となって遠くから微笑んでくれる
きっとずっと近くで・・・
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母のこれからは第二章。
第二章は私の近くで見守ってくれるかな。
そうだといいな。
とりあえず第一章、育ててくれて、今まで、ありがとう。


そして、これを最後まで読んでくれた皆さん、ありがとう。

$アッパーグラウンド未花の 『きょうの未花ん家!』
(母です)

                 2010,11.20 未花