カッパの正体は諸説ありますが、
一説によりますと、日本各地で聞かれる河童の正体は、
『間引きされた子ども』だと言われています。
川に流され亡くなった命が、親の未練によって現世に蘇り、
妖怪・河童となって戻ってくるのです。
遠野でも、間引きは行われていたようです。
ですが、
遠野のカッパの顔が赤い事からさっするに、
遠野のカッパは生きた人間ではないか?
…と想像できます。
では、なぜ、
生きた人間と想像できるのか…と、言うと。
遠野物語55話、56話から読み解けるのですが、
母親は普通の人間であるのに、
産まれた子供は異形である、
…事から想像できます。
つまり、
遠野の河童は、かなりの早産のためか、
なんらかの障がいを持っていたか、
または、双子だったのではないか…?
…と思われます。
早産で生まれた赤ちゃんは、
発達の途中なので、
毛が退化しなくて小猿のように全身毛に覆われていたり、← しばらくすると抜けるのですけどね。
身体全体が未発達なために、手足が細かったり、目玉がギョロリと見える事が少なくなく、← 3歳になるとバランスはとれてきますけどね。
一見、猿や河童によく似ています。
うさ吉の体験談…っていうか、うさ吉、8ヶ月の未熟児で生まれていまして、その時の母の体験であり、感想です。
また、
なんらかの障害……身体に奇形を持っていたとするなら…
口外裂傷があったり…
人の胎児期初期には誰もが持っていたモノであり、胎内での成長過程で死滅するはずだった細胞がなんらかの理由で残ってしまい、水かきを持って産まれてしまったとしたら…
隠したくなるのは当たり前なのだと、思います。
ではなぜ、
そんなにも早産や奇形児が多かったのか?
…と言うと。
奥深い山の中にある農村では、
村人が外部へ出たり、
外部から人が来る事が、
ほとんどなかったといいます。
…と言う事は。
狭い地域内で、子孫を残して行かなくてはならなかったので。
結婚相手は、親戚などの親族が多かったようです。
そして、家に閉じ込めておいたにもかかわらず妊娠したとなれば…
夫以外の家人が父親……カッパという事になります。
つまり。
早産などの異常分娩や、
奇形児の出産の原因は、
血の近い者同士の婚姻によるものだったり、
近親相関によるものだったのではないか…
と、言う推測が成り立つのです。
早産の原因は、働きすぎなど、いろいろありますので、なんとも言えませんが…
双子は、犬ばらと言われ忌み嫌われていましたから、
1人を座敷牢に閉じ込め。
その子が座敷童になったと言われるように…
双子の片割れだけでなく、異形で産まれてきた子も、
閉じ込められて、隠されて育てられる事もあったでしょう。
間引かれなかっただけで、家の中に閉じ込められて、
自分の存在を否定され続けるかのように生かされるのは、どんなにか苦痛だった事でしょう…。
たまに部屋から抜け出て遊んでいた姿を、カッパと称したのかもしれませんね…。
遠野のカッパの正体は、
閉鎖的な地形の土地柄によるものと思われます。
もっもとも、遠野に限らず…
日本中にカッパの民話はありますので。
それを読み解くと、人間の負の歴史を知る事になり…
哀しかったりしますが…
民俗学や歴史は、知れば知るほど、のめり込んでしまうものですね(・ω・)ノ
遠野のカッパだけでなく、
日本中のカッパだけでなく、
世界中のカッパに、
哀しい歴史があるのかもしれません。
でも、カッパを愛でてあげることで、哀しい歴史に埋もれてしまった命を愛でる事になると思います。
カッパを愛する事が、怖れや憎しみで葬られた命の供養になるのかもしれませんね…
つづく。