只今、西遊記のご紹介中です(・ω・)




西遊記は、宋の時代(960~1279年)に、

原型となる説話「大唐三蔵取經詩話」(三蔵が猴(猿)行者を連れ取経の旅をする)が存在していました。


各地に伝わった三蔵伝説や猿にまつわる逸話などを吸収し、南宋代の都市で語られた講談雑劇で発展しました。

元末期頃(14世紀)に大枠の話が成立した後、

小説として16世紀に完成を見たようです。


現存する最古のテキスト(文字で残された文書)は、1592年初版の『新刻出像官板大字西遊記』(世徳堂本)で。


西遊記でいま残っている最古の物語は、

元の時代(1271~1368年)の西遊記の逸話を収録したとみられる朝鮮の書『朴通事諺解』(1677年)だそうです。






さて。 


どの語り、どの物語であっても、

この、主人公の玄奘三蔵。

 聖人・聖僧であるがゆえに、妖怪たちに食べられそうになるわけですが、


実は、三蔵法師。


前世で9回も、沙悟浄に食べられているのです。



「沙悟浄の首に掛けている9個の髑髏は、すべて三蔵法師の前世の髑髏である」

との記載が、呉承恩の再録作にあるそうで。


すなわち、三蔵は、下界に転生させられてから、九回も流沙河で立ち往生したあげく、

沙悟浄に取って喰われていた、ということになります。


「三蔵法師は、前世で2度、取経の旅に失敗したが、ようやく3度目で81つの難をくぐり抜ける事に成功した」ということでしたから、

そのうち二回は、お経をもらいに天竺を目指して旅をしていたと、いうことになります…



ちなみに、三蔵が聖人・聖僧と言われる所以は…


この、十回生まれ変わる間、

一度も精を漏らしたことがない、と、いうことからだそうで…


それで、聖僧と言われているのです( ̄◇ ̄;)

徳が高いから狙われた訳では無かったのです。( ̄▽ ̄)




中野美代子氏『西遊記 ―トリック・ワールド探訪―』には、こんな風に解釈が記されているそうです。


{811C0EE4-5755-4EA7-9DBA-09FF5CB2175C:01}


“三蔵の旅の阻害者たる妖怪どもは、三蔵の清浄な肉を食らい、それに内在する聖性のゆえに、不老長生を得るであろうことを期待している。


女怪どもは、清浄無垢のからだを持つ、ハンサムな三蔵を誘惑し、その元陽(元精とも。つまり精液)の気をうばおうと狙っていた。

{896239C0-27AF-47D6-8AE4-292028C577D6:01}


いっぽう、妖怪どもがねらう三蔵の肉は、金角大王のことばにあるように、

“ただの一度も女を抱いたことがない” がゆえに、清浄このうえなかったのである。

つまり、

三蔵の肉にたいする妖怪どものいわば「食欲」と、

三蔵の「元陽」にたいする女怪どもの「情欲」とは、

アンビヴァレントな(相反する関係)にあるといえよう”



つまり、女怪は三蔵と交わってみたし。

女怪と交わられたら、その肉に霊力がなくなる訳で。


妖怪と女怪との間で、三蔵法師の取り合いがある訳ですね(笑)





欲望や憎悪により、人間から妖怪へと変わった妖仙達は、

一度も性を漏らしたことがない清らかな聖僧を見た事も聞いた事もないわけで。



人間の生理的欲望をも抑える事のできる強固な意志を持つ奇異な存在…

…聖人の三蔵法師を喰えば、不老長生となる、

と噂し、一度食してみたいなぁと思うのです。



そんな訳で。


三蔵一行はいく先々で、妖仙達に狙わることになるのですが…


十回目の転生、かつ、三回目の取経の旅の挑戦で、

悟空以下の強力なメンバーに加え、

宿敵・沙悟浄まで部下にし。


ついに三蔵法師は天竺にたどり着いて、ありがたいお経を手にするのでしたヽ(*・ω・)人(・ω・*)ノ





三蔵法師って…なんか、すごい。( ̄◇ ̄;)




つづく。




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