ただいま、西遊記の馬のご紹介中です(・ω・)ノ







日本の西遊記を楽しんでいる方の中には、

なぜ、非力な馬を取り上げるのか?(笑)と、思われる方も少なくないと思います。








ところで。



三蔵法師の乗っている馬。



なぜ白馬なのでしょう?





何を見ても三蔵法師が乗っているのは、白馬です。






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なぜかって?







それは…










三蔵法師が乗るのは、白馬と決まっているからです。(σ・∀・)σ イエイ
















白馬とはいいますが、





本当は、










龍なのです(^ ^)










西海竜王・敖閨(ごうじゅん)の第三太子なのです(・ω・)ノ


龍神の子でありますが、西遊記の中では三蔵法師が乗る白馬の姿で登場します。








三蔵法師の乗る白馬なのですが、

いろいろな名前で呼ばれていたりします。




1.玉龍(原作に登場する実名。ただし実名敬避俗(本当の名前を明かさないのが礼儀とされていた)により、観音菩薩が一度呼ぶのみ)

2.白竜(中国ではこの呼び名が一般的とされている)

3.小竜(別名。文字通り小さい龍という意味。原作では主にこの名で呼ばれる)

4.八部天龍(釈迦如来が任命)

5.白龍馬(中国または台湾の民間でよく使われる通称)

6.三蔵法師が乗っている馬(日本の多くの作品では名前がないのです)




その他に、意馬、龍馬三太子、東海火龍太子があるようです。



…まぁ…日本では、まったく活躍しない馬は馬としか言いようがないので、しょうがないですけどね(笑)






さて。


その玉龍ですが。


こんな事をしでかしたために、馬となりました。








西遊記の馬、玉龍の話


昔、天界には何人もの龍の王がいた。

西の海を統べていたのは白龍、名は敖閨(ごうじゅん)。


敖閨には、何人かの子供がいた。

 

ある日、天界において 、第三太子である玉龍が、

父・敖閨が大切にしていた御殿の珠(宝玉)を、火事を起こして焼いてしまった。


怒った敖閨は、「第三太子は大変な親不孝者」と、天帝に訴え出た。


親不孝は重罪であるため、

天帝は訴えを受け、罰として宙づりにして300回の鞭打ちのうえで、死罪にすると言い渡した。



玉龍は捕らえられ、天空で鎖につながれ、処刑を待つ身となって泣いているところに、

たまたま観音菩薩の一行が通りかかった。



観音菩薩が、

「あなたはなぜこんなところに囚われているのですか?」

と聞くと、若い龍は泣きながら、

「父の宮殿でうっかり火を出してしまい、父の宝珠を焼いてしまいました。

親不孝と言われ、その罰で、明日処刑されるのです。

どうか御慈悲を…どうか私を助けてください。」

と訴えた。



東の国から西の国に三蔵真経を取りにくる者と、 

その従者を探していた観音菩薩は、

この若い龍に慈悲を与えることにした。



菩薩は、天帝の元に赴くと、

「取経の旅には強い馬が必要です。

どうぞ、あの龍を私にお譲りください。

取経者の乗り物として使いとうございます」 

と、頼んだ。


天帝は快くそれを許し、玉龍を解き放った。



観音菩薩は、龍を蛇盤山の鷹愁澗(谷川)に連れて行き。

取経者の乗り物となるために、ここに潜んで待つことを命じた。







それからどの位の月日が経ったのか…


ようやく、猿を連れた法師が馬に乗ってやってきた。

しかし、若い龍はこの者が観音菩薩の言う取経者であるとと気付かず、

あまりのひもじさゆえに、いきなり、三蔵が乗っていた白馬を鐙(くつわ…鞍と手綱)もろとも呑んで、水に潜ってしまった。



驚いた三蔵は、

「馬がなかったら旅が出来ない」

と泣き言を言うので、悟空は水に飛び込み、

「馬を返せ!」

と、龍を何度も如意棒で殴った。

あまりの痛さに、龍は猿のお供が怖くなり、岩の陰に隠れて出てこなくなってしまった。



仕方がないので、悟空は土地神たちを呼び出し、

「手伝わなければ殴る!」 

とおどし、手助けを求めた。



土地神たちは龍の事情を知っていて、殴られたくないので手を貸すが、

龍は一向に岩陰から出て来なかったため、観音菩薩を呼びに行った。


観音菩薩がやって来て

「玉龍よ、私です」

と呼びかけると、龍は気まずそうに出てきた。


観音菩薩が、なぜ三蔵法師を襲い馬を食べたのかと問うと、


「私はあの方が取経僧とは知り得ませんでした。

取経の者のシュの字も、唐僧のトの字も、誰も言いませんでした」

と、龍はいった。




観音菩薩はため息をつくと、

「悟空よ…この龍は仏門に帰依し、取経者の乗り物となるよう約束をした、帰順者です。


この先、あと二人、帰順する者が現れるでしょう。

かならず、取経の旅をしていると、告げなさい」

と、悟空に言った。



そして、観音菩薩は、玉龍の角を切り、鱗をはがし、
うなじの下の龍珠を取り上げると、仙気を吹きかけた。

すると、龍は美しい白馬に変わった。


「これから心して罪をつぐなうのです。

功徳をつんだ暁には、凡百の龍を越えた金身の証果を得ることができるでしょう」

玉龍は、観音菩薩の言葉をかしこまってきいていた。




すべてが終わると、川の中から龍馬のたてがみをつかみ、悟空が三蔵のところへ戻ってきた。


「悟空…鞍(くら)や、手綱はどうしたました?

それに、なんだか前よりも  りっぱな馬になっていませんか…?」


「そりゃぁそうですよ。食われた馬とは ちがうやつですからねぇ」

悟空から、いきさつを聞いた三蔵は、

観音菩薩が南を統べる仏だったので、南に向かって、ひたすら拝むのだった。





裸馬に乗って歩くと、夕方に一軒の家を見つけた。

裸馬では乗りにくいと、悟空が勝手にその家の洗濯者から紐を取っていると、家の主人が出てきた。

そして、盗人のような振る舞いをした悟空たちを許し、一晩の宿を提供してくれた。


三蔵が、これまでのいきさつを話すと、

家の主人は、観音菩薩のお導きで旅をしているなら家宝の鞍(くら)や手綱を、ぜひ使ってほしいと差し出した。

翌朝、三蔵が厚くお礼を述べて頭をさげると、家も、老人も消えてしまった。

 

驚いていると、空中から声が聞こえてきた。


「わたしは、普陀落伽山(ふだらくせん)の山神・土地神でございます。

観音菩薩さまの命によって、鞍と手綱を届けにまいった次第…」



三蔵は、馬から飛び降りて空を拝みましたが、悟空は、

「なあに、私に殴られるのが嫌だったんでしょうよ」

と笑った。






ーーー・ーーー・ーーー



悟空の強さというか、あこぎな振る舞いに、

観音様以外の神様はビビりまくりですね(笑)


「殴る!」の一言で、土地神を従えてしまうところに、悟空の極悪さ (*゚ー゚)ゞ が、よく伝わってきます。




西遊記にでてくる竜王たちも、悟空より弱い立場でして…脅されたり、退治されたり…(笑)



玉龍も龍の姿の時は、ボコボコに殴られてしまいます。


でも、馬になってからはとても大切に扱われています。



実は悟空、馬の扱いにはとても慣れているのです(≧∇≦)

馬好きなのです♡



その話は後ほど…。






さて、玉龍は白龍である西海竜王・敖閨の子供なので、白い龍なのです。

(龍の色は、龍の中でも最高の位にある龍が金龍。
東を統べるのが青龍、南が紅龍。
西が白龍、そして、北が黒龍、と、なっています。
なので、敖閨のことを、西海白龍王と呼ぶ小説もあります。

観音菩薩のいう「功徳を積めば金身の証果が得られます」とは、 
徳を積めば金龍となれる資格を得る、ということですね。)




その白龍が化けた馬だから白馬なので。


三蔵法師が乗る馬は、白馬でないといけないのです。








つづく。







いつもありがとうございます(≧∇≦)





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