【とある居場所でのこと】
ある日のこと。
フードシェアの食品を届けた先の居場所カフェのスタッフさんから、お昼ご飯をごちそうになることになりました。
始めは、「フレンチトーストでいい?」と聞いてくれていたスタッフさんが、いざ食事のタイミングになると僕の目の前にオムライスを運んでくれました。
「あれ?メニューが変わったのかな?」と思いながらも、他のスタッフさんの「まかない」もオムライスだったので、あまり気にせず食事をし始めました。
数分後。最後まで調理を続けていたスタッフさんが、別のテーブルに座り、こちらに背を向けて食事を始めました。
「あれ?こちらで食べたらいいのになあ…。」と思っていたら、その方の体の向こう側に、ひょっこりとフレンチトーストが覗きます。
「あ〜っ!すごい気配りだ。これぞ配慮だ!」と感動しました。僕の目の前には、オムライス。これはきっとそのスタッフさんが食べる予定だったもの。突然とはいえ、来客にそれを譲り、自分は軽めにフレンチトースト。
もちろんこの捉え方が「正解」なのかはわかりません。しかし、この配慮に感動し、この居場所カフェがみんなに喜ばれている理由に触れた気がしました。
その居場所カフェの代表が書いた本には確かこんなことが書いてありました。
居場所とは、人と場所さえあればできあがるものではない。そこにいる人たちの工夫や配慮によって作られる。
(立地などの条件も確かにあるとは思いますが)
これは核心です。