朝7時。
いろんな疲れを心にも体にも感じながら目が覚めた。。。腰が痛い。。。

とりあえず母に供える朝食をつくる。

父も起きてきたけれど、相変わらず顔も見たくないワタシ。

母の分だけつくって、とりあえずもう2時間休ませてくれと弟に言って横になる。

やっぱめちゃめちゃ疲れてたみたいで、泥のように一瞬で眠りに入った。





お昼前に目が覚める。
まだ疲れを感じる。

母に供える昼食をつくり、洗濯をしただけなのに体がまだ重い。

怒りというより悲しみで満タン状態の自分を感じていた。

それは例えるなら、コップいっばいに水が入っているようなもの。

その水は涙。

そこに一滴の涙の雫が落ちようものなら、
コップいっぱいの涙の水が号泣となって頬から流れてしまいそうだったんだ。

泣きたくないから心を閉ざす。

それは、めちゃめちゃがんばって我慢しなきゃならないコト。

幼い頃からこうやってずっとがんばってきたんだよなぁ。。。ワタシ。





だから今日は父だけじゃなく妹の顔も、妹家族の顔も見たくなかった。

母に供える食事をつくる他は、夕方まで布団に横になって過ごした。

19時に母に供える夕御飯をつくってると、長男家族がやって来た。
 
小さな子供がいると空間が賑やかになり、救われる。

まだこの時のワタシの心は頑なだった。




 
日中休めたおかげで少し心に余裕ができたのか、
妹に夕御飯を一緒に食べるか聞くことができた。

これが今日初めての会話だった(笑)

返事は、妹の旦那さんが外に出たいから外食する予定とのこと。




そりゃ息が詰まるよなぁ。。。娘であるワタシでさえ、この家に一日中いるのはツライもん。

妹の旦那さんに思わず同情するワタシ。





ワタシと長男家族の分だけの夜ゴハンをつくって食卓に並べる。

ゴハンが並ぶとやっぱ、一気に空間が華やかになる。

するとその雰囲気につられてか、父が食卓につく。

「え。。。( •̀ㅁ•́;)」



内心、
とーちゃんの分は用意してないんですけど?!(~_~;)

と、心の中で呟いた(笑)




でもなんとかふんばって、口には出さずにおいた(笑)





すると今度は弟が食卓についた。
 ( ゚д゚)エッ




弟はいつも自室にこもって食事をするので、
これはかなり珍しい現象なのだ。

想定外ではあったけれど、妹夫婦以外の家族。。。
父、弟、姪っ子、ワタシの長男家族、そしてワタシで夕食を囲んだ。

母が亡くなってから初めての、
会話が飛び交い笑顔がこぼれる賑やかな食卓。

すると弟が突然、
「親父と俺の二人の生活が始まるにあたって、
これからは親父と一緒に食事しようと思っている」
と話し始めた。



Σ(゚Д゚) 
父と弟の確執を知っているだけに、めちゃめちゃ驚くワタシ💦



ワタシの父は真正の変人(笑)

人を不機嫌にさせる特殊な能力を持っているため、父と交流のある人間は母以外にほとんどいなかった。

ワタシだって正直、49日まで父と過ごすのかと思うとやりきれなくなり、
今すぐにでも東京に逃げたくなるのを必死でこらえているのだから、
父が亡くなるまで二人で生活しなければいけない弟の気持ちを思うと、
その計り知れない苦労に切なくて胸が痛くなるほどなのだ。

父と長年連れ添った母でさえ、耐え難き苦しみに耐えてきた結婚生活だった。

その苦しみが膵臓がんの遠因だと、家族の誰もが思っている。


花嫁姿の母



伊良部島といえばその昔、島流しの刑に処された罪人たちが集められた場所だという。

そのため伊良部島の人たちは人一倍努力家で精神力が強く、お互いに強い絆で結ばれている。

ところが、宮古島以外の人たちにとっては差別の対象。

オトーリに代表される宮古独特の文化は、昔から人々の嘲笑の的だった。




結婚後、母はその差別を父の親族から受けることになる。

父方の親戚の家で唇を噛み締めて我慢している母の顔を幼心に見たワタシは、
その表情を忘れたコトがない。

花嫁姿の母はどの写真も悲しげで、
これから始まる結婚生活が茨の道であることを最初から覚悟しているように見える。

生前母は、父と娘のワタシが人生における汚点であるといって憚らなかった。

この二人のせいで体を壊すほどに苦労させられていると言って恨んでいた。。。





「今まではお袋がいたから俺も自分の部屋でゴハン食べてたけれど、
これからはお互いに協力してやっていかなきゃいけないから、努力する。
すぐにうまくいかないのは分かってるけど、2年でも3年でも時間かければいずれ、
いい関係になれると思う。」

覚悟を決めた表情の弟が、唐突にこう宣言した。

これを聞いて目が点になったワタシ。
 
弟の努力はワタシの数倍、いや数百倍になるだろう。

そして考えた。

確かに三次元世界におけるワタシと両親の間には、拭い難い怒りや悲しみがある。

でも意識の世界では、肉体レベルの感情を超えた魂の繋がりがあるんだ。

それは心底恨んだ時期もある母だけど、
その命の最期は素晴らしい時間だったことでハッキリ分かったコトでもある。

魂の存在として交流したワタシと母は、間違いなく愛そのものだった。

そして思い出した。

今回沖縄に向かうとき、ワタシはこれが間違いなく修行になることを感じていたんだ。

そして、修行を終えた先にはまったく新しいワタシが、
これまで足を踏み入れたことのない領域に行けるはずだというコトも、
東京から沖縄に向かう移動中になんとなくだけど感じていたんだ。




父に対する怒りがあるのは、反応のレセプターをワタシが持っているから。

つまり、自分の醜い部分を父に見ているからこそ、抑えられない怒りが出るんだ。

これはなかなか承服し難いけれども、紛れもない事実。

現に、妹はどんな父に対しても怒りという反応を起こさない。

自分の醜さを認めて受け入れるコトができれば、
妹のように父に反応することは無くなるはず。

言い換えれば父の人を不機嫌にさせる能力とは、
その人の醜さを鏡として映し出す役割を担っているから。。。




むむむ。。。(@_@)

なかなかこの修行はハードルが高いな(笑)




とはいえ、
夫婦という関係において母が成し得なかったコトに弟が挑戦する覚悟を決めている。

4月になれば東京に戻るワタシが、挑戦しないわけにはいかない(笑)

寝る前にシャワーを浴びながら、ワタシは49日まで心して修行に励もうと決めた。

つまり、自分の醜さを直視して受け入れるコトで、
父に対する怒りのレセプターを消滅させる努力をするのだ。



なかなか手強いのは分かっている。




でも、今がその時なのも分かっている。




変人の父を変えようとせずに、自分を変える。



それをワタシの魂が求めているのを感じている。



2011年から現在まで、
世間でいう不幸というものをいくつも経験したワタシ。

ツラいし苦しいし、もう嫌だと何度も思ったけれど、
一方で魂が喜んでいるのもしっかりと感じていた。

人間として体験できるあらゆるものを体験したい。。。

そう願うワタシの魂は良いんだか悪いんだか、
非日常の出来事であればあるほど輝きを放つようなんだ(^_^;)




肉親との確執は、誰にとっても苦行であることは間違いない。

弟の決意に促されて思い出した形だけれど、
ワタシはこれから49日までの日々を修行に捧げることにする。

無理して父を好きになろうとか許そうとかではなく、
ワタシの中にある父に反応する部分を直視して受け入れるコトで、
怒りの反応そのものを消滅させるのが狙い。

父との関係でこれができれば、
たぶんこの世の誰との関係でも容易くできるようになるだろう(笑)




夜が開けると怒涛の一日が始まる。

明日は早朝から、出棺、火葬、告別式、納骨と、分刻みのスケジュールが待ち受けているんだ。

あと2時間半後には起きて母の食事をつくらなきゃ。。。




これから始まる新たな修行の日々。

面白がってる自分が間違いなくここにいる(笑)