ご存知の方も多いと思いますが、ヨーロッパでは照明に蛍光灯を使わず、オレンジ色の白熱灯を使います。

それが、夜の街並みをなにげに暖かく、幻想的に照らすのですが、、、家の中ははっきり言って暗いです!!


しかも、白熱灯は電気を食うせいか(←電気代が高いという意味(笑)、アパートなどの公共のスペースは普段電気がついていないので、昼間でも薄暗いです。

で、エレベーターや各家庭のドアの横にこんな感じで スイッチがあって、それを押すと一定期間、電気がついているというしくみになっています。節電になるし、とても合理的。


ところが、ある日外出するため、自分の部屋がある13階から下に降りようとエレベーターを待っていたのですが、なかなか来ないので(3分待ちとかあります(笑)、気軽な気持ちで「非常階段で降りようっと」と階段室に入りました。そこにもこんな感じで

スイッチがあるので(謎の発光体ではありません)、ポチっと押して明るいうちに何階か下る、そしてまた暗くなったら、ポチっと押して、、、と思いきや、突然真っ暗になるではありませんか!まぁ、これは予想していたことなので、ヨロヨロと壁づたいにスイッチのある場所を見ると、あるべきはずの発光体が無い!!


確か、まだ6階くらいなはず。この真っ暗闇の中、1階までたどりつくのは至難の業、かなりマズイ!(そのときは階段室を出れば、エレベーターに乗れると思いつかなかった(汗)。

あせりつつも、壁をゴソゴソさぐること数分。ありました!しかしながら、そのスイッチは光ってないし、そもそも13階から7階くらいまでは同じ場所にあったのに、全然違う場所にあるし。。。


日本の建物なら、そういう設備が階によって違うなんてありえないので、かなりあせりました(笑)。


しかもこのときよりもあせったのが、先日記事にしたLa Fontaine での出来事です。開演前にトイレに入ったところ、家庭で泥棒対策用に使われているような、左に何度もグルグル回して閉める鍵がついているではありませんか。ジャズクラブのトイレなのにずいぶんと大袈裟だなぁと思いながら鍵を閉め、用を済ませて出ようと思ったその瞬間。。。。


突然ブツンッ!!と電気が落ちたときのあの音と共に、ひとり暗闇の中に取り残されたのです。「え!て、停電?」と思いつつ、とにかく外へ出ようと鍵を回すのですが、なんせ泥棒対策用なので重いし、しかもあせっているせいで手に汗をかいているのか、すべって回らないのです~~~(涙)。


「せっかくジャズを聴きにきたのに、演奏中ずっとトイレの中なんて悲しすぎる」

そう思って必死で回すのですが、開かない。。とにかく、落ち着こう、明るくなれば何とかなるだろうし、電気をつけようとスィッチを探すことに(←再び)。


するとスィッチらしきものはあるのですが、いくら押しても押ささらない。押してもダメなら、、、ということであれこれいじっているうちに、急にパッと視界が明るくなりました。何とそのスィッチは、タイマー式になっていたのです。よく換気扇のスィッチにあるような、右に回してしばらくすると勝手に左に戻って、スィッチが切れるやつ。


そう、そのトイレもそんな感じで、前の人が回したのが残ってて、私が出ようとした際にタイマーが切れただけだったのです。明るくなって、落ち着いて鍵を回してちゃんと脱出して、ちゃんと演奏を聴けました(ホッ)。


このように、フランスの日常では日本では味わえないようなスリルとサスペンスを味わうことができます(苦笑)。