今年で25周年を迎える「わかさ生活」の社長 角谷が、従業員に話してくれる「豊かな心」になる話を毎週紹介します!
普段の暮らしの中で、『五感』というものを意識することはありますか?
“視覚”、“聴覚”、“触覚”、“味覚”、“嗅覚”は、当たり前になっていて、意識して感じる機会はないですよね。
しかしキッカケさえあれば、人はたちまち五感をフル稼働させます。そして、しっかりと五感で感じたことは、脳裏に鮮明に記憶されます。
わたしが衝撃的な「五感の体験」をしたのは、初めてフィンランドに行ったときのことです。
フィンランドには、ブルーベリーの一種でビルベリーという果実があります。とても栄養価に富んでいるという情報を聞き、現地へ見に行きました。
飛行機が北欧エリアに差しかかったとき、窓から外の景色を見下ろしてみると、一面に湖と森が広がっていました。
キラキラと太陽を反射する湖と、柔らかな絨毯のように広がる緑の森。その風景を見ているだけでも心が踊ります。
フィンランドの森は、日本の雑木林のようにさまざまな種類の木が生い茂っている暗い印象というよりも、針葉樹のすき間から光が差し込んでくる明るい森でした。
冬はマイナス30~40℃になる世界で、夏でもそれほど気温が上がりません。
そのため、虫もあまりおらず、空気もシンとして澄んでいます。
地面の近く、足のひざ下くらいのところにビルベリーがたくさん実っていました。
それをよく見るために、わたしは地面に這いつくばって観察したり、写真を撮ったりしました。服には潰れた果実がつき、紫色に染まっていることにも気づかないほど夢中になっていました。
ビルベリーを見ながら触ったしっとり湿った地面の感触。果実を手にとり口に放り込んだ瞬間の味と匂い。ふと地面から顔を上げて気づく森の静けさ。空から枝葉を通して差し込む光。
この時、わたしは人生で感じたことがないくらい、五感を研ぎ澄ましてその空間を感じていました。
わたしは日本に帰ってから、あのとき感じた心の高揚をお客さまに伝えることができればと、新商品の開発に取り組みました。
試行錯誤の末に誕生したのが『ブルーベリーアイ』です。
また、バラのサプリメントを作った時もブルガリアのバラの街「カザンラク」まで実際に赴き、辺り一面に広がるバラの香りを体いっぱいに吸い込んで体感したこと基に商品化しました。
この時の経験からわたしは何か新しいことを始めるときなど、いつでも自ら現場に行き、『五感』を意識して体感するようにしています。
自分が見て感じたことを人に伝えるときも「この匂いに近いけど、もうちょっとさっぱりとしているほうがいいね」「あざやかすぎる色だと親近感がわかないかな」「もっとサラッとした手触りだと気持ちがいいよ」など、自分の言葉でしっかりと表現できるようになるからです。
大切なのは『自分の目で、耳で、鼻で、舌で、肌で確かめる』こと。
自分が本当に良いと思ったものを追究し、それを人に提供して喜んでもらうためには、まず自分が体験することが一番大事なのです。