今年で25周年を迎えた「わかさ生活」の社長 角谷が、従業員に話してくれる「豊かな心」になる話を毎週紹介しています! 

 

みなさんは自分の考えを人に伝えるときに、どんなことを意識していますか?


誰かに何かを伝えるときに、最も大事なのは、相手が「ちゃんと聞いてくれているか」ということです。

 

 

話をただ聞いているのと、ちゃんと聞いているのとでは、伝わり方がまったく違います。 


慣れとは恐ろしいものです。

 


慣れを感じると人の集中力は非常に下がってしまいます。

 

 

「この話は知ってる」「いつもの話か」と感じると、どうしても注意がおろそかになってしまいます。

 


なぜそうなるかというと、脳が「これは知っている話だ」と判断すると怠けてしまうようにできているからです。

 


そんな中で、しっかりと自分の考えを伝えるためのコツは、「相手に強い印象を残す」こと。

 

 

「今日はいつもと何か違うぞ…?」という状況をわざと作るのです。



強い印象を残すためには、いろいろな方法がありますが、わたしが昔使っていたのが「あえて怒る」というやり方です。


 
もう20年以上前のことになりますが、わたしは「怒る日」を決めていたことがあります。

 

 

長い間会社を経営していると、スタッフから緊張感が失われ大切にしているお客さまの声への対応が遅れるようなことがあったり、品質改善をやめてしまったり、ということも起こります。

 


そんな時、わたしは「よし、明日は怒る日にしよう」「今週の金曜日にこうやって怒ろう」などを決めて、わざと怒っていた時期がありました。


そうすると劇的な効果がありました。

 


会議が始まってしばらくはいつも通りだったのですが、わたしはスタッフに強い印象を残すために「怒る日」と決めていたので、あるタイミングで空気をガラッと変えたのです。

 


すると、当たり前ですが「今日はいつもと違うぞ…」と、明らかにスタッフの顔が変わりました。

 


「腹が立つから怒る」ではなく、「このことをちゃんと記憶に残して、仕事への姿勢を直してもらうために怒る」ということの効果がしっかりと出て、仕事はすぐに改善しました。狙い通りの効果です。


今でも、その場にいたスタッフは「伝説の会議でした」「20年近く経った今でも、あの時のことは忘れないです」と印象に残っているそうです。


そして、その場にいなかったスタッフやそのあとに入社したスタッフにも「なんか、伝説の会議っていうのがあったらしいですね」というぐらい、記憶に残り、伝わっているのです。

 


そのときのことが、個人の記憶を超えた組織の教えとして残っています。



他には「会議をわざと異常に長くする」「特別な場所で食事をする」ことや、また、褒められたことではありませんが「この人とはもう会いたくない」という相手に会うときには、ネクタイまで真っ黒のスタイルで臨む、など。

 

 

このように、「大切なことを伝えたい」、「人に変わってほしい」ときはわざと変化を起こすようにしていました。


当然ですが、今では昔のように「怒る」という方法はしていません。

 


当時も怒りたかったわけではなく、時代的にも怒ることが「強く伝わる、人が変わる」手段であったから、その方法をとっていただけです。

 


このように「いつもと違うぞ」と思わせることを目的に「印象」を意識してみましょう。

 


一見すると変なことであっても、わざとであればそれは立派な『印象の戦略』です。

 


あなたの話がもっと相手に伝わるようになります。