オランダのソーラー発電する自転車専用道路ができて6ヶ月。その後の経過は?

6 Months Later, Here's What's Happened to the Netherlands' Solar Bike Paths
5月11日【Tech.Mic】http://mic.com/articles/117948/6-months-later-here-s-what-s-happened-to-the-netherland-s-solar-bike-paths


(画像はすべて、http://www.solaroad.nl/en/beeldbank/

オランダで全国の自転車専用道路を太陽光発電する道路に変換しようというプロジェクトで、始まって初めてのテストが行われましたが、その結果は大成功を治めました。

アルジャジーラが伝えたところによると、この道路はソラ・ロード(SolaRoad)という名前で、アムステルダム近郊のクロメニーという町の近くにある70mのテスト用トラックでは、操業から最初の6ヶ月間の間には3,000 kwh(キロワット時)の発電がなされましたが、これは、「一人暮らしの家庭一年分の電気がまかなえる程度」の電気量です。

これは一年では、道路1平方メートル当たりにつき70 kwhの発電に相当し、設計者が計画段階で「上限値」として予想していた数値に値します。

簡単に言うと、この道路はとても、非常によく機能したということです。


背景:
この道路は安い大量生産のソーラーパネルがガラスやシリコン・ゴム、コンクリートで保護されており、表面上層部が滑らないようにコーティング加工されています(アルジャジーラ)。


現在のバージョンのものは、最高で12トン(アメリカの自動車の重量の平均は2トン以下)までの車両に耐えることができますが、バスや貨物トラックのようなさらに重い車両にはまだ、使用できません。


2014年11月12日に初めてのソラ・ロードが開かれましたが、この大望のプロジェクトはわずか1、2ヶ月程度で建設されました。当時、当サイトMicのソフィー・クリーマンは次のように述べています。




「太陽に向けて傾斜をつけることができないため、住宅の屋根のソーラーパネルよりも発電できる量は約30%少なくなります。そして、非常にコストが高く、地元の自治体を中心に約370万ドル(約4.5億円)が支払われましています」


また、オランダの全道路の最高で約20%の87,000マイル(約14万km)に「ソラ・ロードが採用される可能性があり、これは400~500平方kmの太陽光発電システムに相当」するということです。(デザイン誌のInhabitat)



滑り止めのコーティングは長時間に渡る日光の照射と温度の変動が原因で剥がれ始めているものの、アルジャジーラの報道によると、研究家らはすでに改善されたバージョンの開発に取り組んでいるということです。


なぜ重要なのか:

ソーラー道路は、おそらく将来には大きなうねりとなることでしょう。この技術は価格が高く、未だ完全とは言えませんが、何十年もこの道路を利用することによってその費用は道路自らが払い返してくれる助けになるかもしれません。


広報担当Sten de Wit博士、Gazette Review誌:
「住宅の屋根にあるソーラーパネルは、一生、つまり一般的に20~25年はもつように設計されています」


「この種類の道路板もその程度の寿命を持つことを期待しています。資本回収期間が15年である場合、その後も道路から資本が回収されるとすれば、最終的には道路はより安価なものになります」


以前のBBCとのインタビューの中で、de Wit博士は、地元で電気を発電しているというさらなる有利点ばかりでなく、センサーに動力を与えることで「交通管理を改善し、あるいは自動的な車両誘導を可能にする」という潜在性を説明していました。


同様のプロジェクトに取り組んでいるのはオランダばかりではありません。

アメリカではIndiegogo(訳注:インディゴーゴー、一般市民が様々なプロジェクトに対する資金を募集するサイト)上で、いつか国内の道路や駐車場に太陽光発電する道路を舗装するための資金を募集し、そこには200万ドル以上の資金がすでに寄せられています。

(画像:アメリカでの太陽光発電道路の予想デザイン図)



ソラロードはまるでSF映画から飛び出たかのように聞こえるかもしれませんが、太陽光発電する道路という点では、未来がすでに現実のものになりつつあるようです。






(翻訳終了)



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【コメント】

この道路について、いくつかご意見をいただきましたので、同社HPのよくある質問から確認して来ました。
http://www.solaroad.nl/en/faq/


Q. 自転車の人や歩行者が過電流を受けることはありますか?

A/ いいえ。電気部品は非常に慎重に保護されていますし、素子あたりのボルト数は低いです。


Q. なぜ実験は自転車専用道路で行われているのですか?

A 車道よりも負荷が少ないため、また何かの調整が必要な場合に車道よりも簡単なためです。


Q. 照り返しは大丈夫ですか?

A.通常の道路よりも照り返しがきつくて不快感を与えないようにするというところから、この道路の設計が始まっており、この問題は、ソラロードの上部のレイヤー開発において重要な課題として扱われています。実験室では視覚的な点についての実験が行われており、照り返しの程度も計測されています。またこの試験的な道路の設置においても、この点について調査が行われています。