不定期連載『浅草公会堂への道』です。すっかり話題の鮮度は落ちておりますが、まあハンパに時間が経った頃に思い出してみるのも悪くはないでしょう。
どこまで書いたっけ、、とりあえずプロジェクトが正式に動き出し、誰にも止められなくなったところまでかな。

前回も触れましたが、ここ最近の私はナイツの漫才ばかりを聴いている日々でして、すっかり大ファン。浅草の漫才協会に在籍し、よく浅草ネタもテレビ、ラジオ等で話しているので、「ナイツの地元、浅草公会堂でやるんだから、勢いでお願いするだけしてみよう、しないと後悔する!」と決心しました。
『春のベースまつり』の楽屋にて、ナイツ塙さんと親交のあるSundayカミデくんの本番前の大切な時間を奪って、連絡先を聞きつけました。
大盛り上がりのベースまつり翌日すぐに、自分がいかにナイツの漫才を愛しているかを力説しつつ、塙さんにオファーのメール。すると、やはり即答くらいのすごいスピードで電話がかかってきて、「ぜひ出たい」とのお返事を生声でいただいてしまいました。「すごい!毎日カーステレオで聴いている塙さんの声と同じだ!」なんて思いながら出演OKをいただいたのですが、果たして相方の土屋さんに確認はとったのか?と心配になるくらいのスピードでのお返事でした。ありがたい!

 

 

これで文句なし!夢のラインナップが集まりすぎて、これ以上誰も呼べない!豪華出演者で超満員のポスターが出来上がりました。発表の順序などの都合もあり、顔の『?』マークがだんだん明かされていく、と言う仕組みで、最初はジュニアさんとみうらさんだけの発表だったのですが、その時点で「なんだ、このイベントは?」と言う謎のワクワク感は出ていたのではないかと。

時期を同じくして、せっかく50歳を迎え、イベントを開くのならば、「ニュー・アルバムを作りたい!」「作るべきだ!」と言う考えが突然頭をよぎります。10月17日リリースのアルバムの構想が5月の終わり、、。遅すぎるにも程があります。
本当はホフディランのニュー・アルバムをポニー・キャニオンから出せたりしたら一番美しい形だったとは思うのですが、さすがに6月から企画書を出して準備して10月にリリースできるような簡単な世界ではありません。

そこで、以前『恋は渋谷系〜ヴォーカロイドver』と『育児研究中EP』を一緒に作ったゴンドウトモヒコさんに相談。ゴンドウさんは『愚音堂』というレーベルを運営しており、そこからのリリースの方向で「ぜひやりたい」と快諾のお返事をいただきました。
思えば、公会堂ゲストだけにとどまらず、レコーディングやその他色々なことが、今回はほとんどその場での「二つ返事OK」に支えられておりました。いろいろとスムーズに事が進んだのは、皆さんの「快諾の嵐」に助けられてきたのだというありがたき事実を再認識し、改めて皆様に感謝しております。

ゴンドウさんとアルバム制作の話がついたとはいえ、彼はミュージシャン(プレイヤー)としても超売れっ子なので、この頃もツアーを3本くらい掛け持ちで回っておりまして、お会いすることすらなかなかままならず。実際のレコーディング作業に突入できたのは、ホフの7月3日クアトロ終わりくらいだったかと。かなりギリギリのスタートでした。
最近書いた曲や、高校時代はおろか中学時代の作曲練習時代の、自分でもほとんど忘れていたような曲まで引っ張り出してのレコーディング、楽しかったな〜。大昔の曲と最近の曲の違和感の無さに驚くやら呆れるやらでした。

 

 

そんな頃、なんといとうせいこうさんから「無理やり時間を捻出したぞ」との連絡が!なんでも、「みうらさんが心配だから時間ギリギリになるが、駆けつける!」とのこと。「みうらさんが心配?どういうことだろう、、」と、ずっと思っていたのですが、どうやら「僕がツッコミにチャレンジするのでスライドショーをお願いできませんか?」という打診がみうらさんを大いに不安にさせてしまっていたようで、大変申し訳なく思っている次第であります。
しかしながら、みうらさんが不安になってくれたおかげで、浅草公会堂の自分たちのライブにいとうせいこうさんが来てくれる!という最高の結果を招く事態となりました。
 

 

みうらさんにはご迷惑をおかけして申し訳なかったのですが、『いとうせいこう&みうらじゅん=ロックンロールスライダーズ』が出演してスライドショーをやってくれるなどという夢のような展開になるとは!みうらさんにご迷惑をおかけしてよかった(笑)。

 

 

これで勢揃い!スペシャルゲスト最終決定〜!私にとってはこれ以上望みようもないくらいの最高のゲストの皆さんが揃ってくださいました。もう満足でした。
ライブは自動的に、勝手に良くなるだろう、なんて、また楽観してしまいそうな自分との戦いでもありましたが、でも、この顔ぶれでイベントをやったら絶対面白くなるに決まっているので、細かい決定はいろいろ下す必要はあれど、私1人はもうすでに大船に乗って安心しちゃってました。

 

 

ここまで、あまり小宮山雄飛とコンタクトを取っている形跡がないことに皆さんお気づきでしょうか?基本スタンスとして「今回はワタナベくんのやりたいようにやってくれ」と、任せられているのか、呆れて物も言えなくさせていたのかは置いておいて、私にはもう一つの壮大な計画があったのです。

バースデーライブの件で日々忙しく坂本と計画を練り、アルバムのレコーディングにも忙殺される日々。そんな日々の真っ只中に、我が家に第2子が誕生する事が予定されておりました。

当初、私はそのことをライブ当日まで小宮山雄飛に全く秘密にして、浅草公会堂ライブのアンコールでステージに再登場する際、いきなり生まれたばかりの赤ん坊を抱いて登場し、雄飛にドッキリというか、ビックリというか、サプライズ報告をしようと企んでいたのでした。そのためには、もちろんお客さんにも、周囲の人にも完全に極秘にしなければならないのですが。アンコールでいきなり赤子を抱いてのの大発表!という今後2度と出来ないであろう壮大な演出計画で、これは相当ウケるんじゃないかと思っていたのですが、実行していたらどうだったんだろう?

そんな野望を抱いていたため、相方に真っ先に報告ができず、相方にも報告していない事を他の人に言う訳にもいかず、皆さんへの報告もどんどん後回しになってしまいました。
どうしてもスケジュール管理上と演出の相談のこともあり、マネージャー坂本だけにはそのことを伝えたのですが、「ベイビーさん、雄飛さんにはちゃんと事前に伝えてください!」との強硬姿勢。
「いや、先に伝えちゃ計画倒れだしな〜」としばらく粘ったのですが、「演出的にも心配だし、人間関係的な事も含め、ちゃんと伝えてください!」と念をおされ、出産予定日2週間前くらいまで粘りつつ、雄飛に報告。
所詮他人事かと思いきや、意外なくらいにぶっ飛んで驚いてくれて、「これは公会堂アンコールのドッキリ計画、行けたんじゃないか?」と思えるくらいの好反応。デニーズでの軽い会合だったにも関わらず、帰り道には足がもつれるくらいにデニーズワインを飲んでくれてました。動揺していたのか、予想以上に喜んでくれていたのか。

結局、「首も座っていない子をステージに出すなんて冗談じゃない」という妻の一言で、私の壮大なアンコール演出計画は幻と終わってしまったのですが、8月23日に無事長女が誕生いたしました。

 

 

娘の誕生の翌日か翌々日だったか、運命の一般チケット発売日を迎えるのですが、一番肝心なそんなタイミングで子供が生まれるという一大事を迎えていた私は、まるで告知どころではない大騒ぎの状態で、ブログで宣伝することすらままならず。スタッフ総出で大々的に宣伝、告知を繰り広げてくれている最中、私だけが沈黙している状態となってしまっておりました。スタッフのみんな、バックアップありがとう!

でも、かえってその方が良かったのか、蓋を開けてみると売れ行き絶好調!坂本と定めていた低めの目標なんか軽くクリア!どころか、完売も夢ではない、というゾーンにいきなり突入。
発売日に買ってくれた皆さん、ありがとうございました。だいぶ安心してその後の日々を過ごせました。

いやげものTシャツデザイン、VIP席のお客様へのお土産の決定、セットリスト、イベント全体の流れの決定〜などなど、やらなければならない仕事は山ほどありましたが、私の頭の中だけでは完全にイメージが出来ていたこともあり、いろいろ忙しかったのかも知れなかったけれど、全然苦にならない、楽しい期間でした。スタッフやユウヒは心配だったかもな〜。

10月に入り、リハーサルがいよいよ始まりました。それまでは「本当に大丈夫なのか?」みたいに心配顔だったメンバー達も、いざやるとなったらビシッとキメてくれます。リハーサルもクリエイティブに進み、演奏も日に日にタイトになっていきます。

さすがうちのメンバー!やる時はやってくれるぜ!と、今更ながら改めて小宮山雄飛、ベスト3、そして真城めぐみに惚れ直しながら、いよいよ10月17日、誕生日ライブ当日を迎える事となります。

 

 

 

まだ続く

 

ワタナベイビーより