2015 Best Albums (So Far) | Rotten Apple

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25.KOHH「梔子」

[Japan,HipHop]

シーン内外を巻き込み若手ラッパーのトップに立ったKOHHによる2ndアルバムリリース後の1stアルバム。トレンドなフロウへと変わった今に比べれば多少拙さを感じるものの初期代表曲が揃えられた全曲シングルクラスのアルバム。飛行機に乗ってアメリカへ、そして今まで見たことないとこに行ってしまうのだろう。



24.YAMANE「I LOVE YOU」

[Japan,HipHop]

2013年に引退していたLOW HIGH WHO?のラッパーYAMANE復帰作。Dragon AshやDrakeのビート上に、さらに磨きのかかった独特のブルージーなフロウを乗せた良作。何はともあれお帰りなさい。夏リリース予定のアルバムも楽しみだ。



23.GOMESS「し」

[Japan,HipHop]

LOW HIGH WHO?の看板ラッパーGOMESSくんによる2ndアルバム。女性ボーカルとのコラボ、中原中也の詩朗読など新しいアプローチを見せつつも、彼らしい他人を意識した上でのネガティブさは相変わらずのようだ。「LIFE」のような曲は彼にしか書けないし、フリースタイルに言葉を吐き出していくライブは彼にしかできない。



22.Preston Harris「Love Crazy EP」

[UnitedStates,R&B]

Hit-Boy率いるHS87に所属するR&BシンガーのデビューEP。いわゆるナヨ系ボイスのスウィートなメロウチューンで全編構成されていて、Hit-Boyが手掛けた6分強の大作「Love Crazy」や寝起きの微睡みと心地よさを感じさせる「Good Morning」など彼女といるときに流すと良い雰囲気になること間違いなし。自分で書いててつらい。フリー。



21.WILHELM「How High Lily」

[Spain,IndiePop]

スペインはパンプローナ出身の5人組による2ndアルバム。自由奔放な女性ボーカル含めどこかドタバタ感あるポップさで楽しさが溢れてくる一枚。普通にタワレコとかに面出しで売ってるのにNYPで公開されているのは何故。



20.魔法少女になり隊「冒険の書1」

[Japan,RPG]

バンドという形式を取ったクリエイティブエンターテイメント集団マショ隊の1stミニアルバム。幼少期にFFやドラクエにはまりその後成長するにつれバンドやアイドルへのめり込んでいった全ての影響を、僕の考えた最高のゲームとテーマ曲で作り上げたようなアルバム。プロローグ的「冒険の書1」や、曲展開がゲーム展開とリンクするように感じる「狂騒曲ザラキ」など他のバンドでは浮かばないような音像が新鮮。物語はまだまだこれからだ。



19.Smallpools「Lovetap!」

[UnitedStates,IndiePop/Electronic]

デビューシングル「Dreaming」で脚光を浴びたLAの4人組エレクトロポップバンドの1stアルバム。前EPからの4曲もすべて収録し、先行カット「Killer Whales」など今の季節に合うキラキラエレクトロポップが詰まっているが、「(Submarine)」で夢心地のまま浸らせる終わり方が良すぎる。



18.CICADA「BED ROOM」

[Japan,Pop/R&B]

都会的上質ポップミュージックバンドの1stアルバム。黒さを感じさせるバンドが次々に出てきている中、Suchmosと並びその象徴ともいえる存在。「Naughty Boy」を筆頭に、ジャジーな曲調でミニマルなドラムに甘い歌声が乗るサウンドは90年代後半のJ-POPを彷彿とさせるし、「夜明けの街」は「Esperanza」を思い出させる。宇多田ヒカルやMISIAがヒットチャートへブラックミュージックを持ち込んだ頃のような大きな流れになってもおかしくはないほど今の国内シーンは才能に溢れている。



17.Jay Prince「BeFor Our Time」

[UnitedKingdom,HipHop]

Soulection周辺の作品にも参加しているUKのラッパーによる最新作。数年に一曲レベルの極上メロウチューン「Polaroids」を筆頭に数曲をIAMNOBODIが手掛けていたりととにかくスウィートな曲が揃った素晴らしいアルバム。フリー。



16.REI MASTROGIOVANNI「REI MASTROGIOVANNI」

[Japan,Ska/Mixture]

Ska×Hip Hop×Breakbeatsをクロスオーバーさせた "Nu SKA MIXTURE Style" を自称するナイスガイによる2ndアルバム。スタイリッシュな「REAL STORY」、イントロのギターやEDMライクなドラムロールから入るサビが印象的な「CLEAR」、ブラックミュージックテイストな「All That I Wish To Be」などすべての曲をピックアップしたくなるほどトピックスに溢れている。意図的にジャンルの壁を壊すのではなくすべてのジャンルに対するリスペクトを感じさせつつSkaというジャンルの可能性を広げた良作。



15.Hotel Books「Run Wild, Young Beauty」

[UnitedStates,PostRock/SpokenWord]

InVogue Records所属アリゾナ出身のバンドによる2ndアルバム。エモーショナルなポストロック調のサウンドにボーカルがひたすら語りまくるという唯一無二なスタイルではあるものの、メロディアスで非常に聞きやすく、叙情派や90年代エモが好きな方にもど真ん中に刺さるような普遍性を兼ね備えている。まずはタイトル曲「Run Wild, Young Beauty」を。



14.iNDEEDFACE「Who Killed the Last Dragon」

[UnitedStates,HipHop/PsychedelicFusion]

全世界レベルで広がりつつあるヒップホップバンドの中でも中心的存在なDJ Burn Oneによるバンドプロジェクトの1stアルバム。タイトル通りのエキゾチックな音像が全体的に漂いつつ、「Javelin」や「The Only One」辺りのメロウな曲に耳が行く。今年も良作を多数リリースしているMishkaNYCは要注目レーベル。



13.Especia「Primera」

[Japan,Pop/Funk/Soul]

パーソナルな一面を押し出した若旦那との共作「We are Especia」も賛否を呼んだEspeciaによるメジャーデビューミニアルバム。より黒さを増した「Sweet Tactics」「West Philly」や、G-FUNKな「さよならクルージン」辺りのバージョンアップしたサウンドを聞けば、やっぱり冒頭曲はいらなかったんじゃないかとすら思えてくる。



12.(((さらうんど)))「See you, Blue」

[Japan,CityPop/FutureFunk]

イルリメとTraks Boysによるポップバンドの3rdアルバム。DorianやSeihoとの共作もあるように彼らが築きあげてきた都会的ポップサウンドとフューチャーファンクをクロスオーバーさせ、クラブではなくデスクトップ(もしくはカーステ)で聞くことを想定されたような心地よい音が耳に残る。もうシティポップやファンクは食傷気味だという方にこそ聞いてもらいたい一枚。



11.Jakub Zytecki「Wishful Lotus Proof」

[Poland,ProgressiveMetal]

ポーランドの5人組Dieperseのギタリストによるソロアルバム。新世代ギターヒーローと名高い彼による最先端のギタープレイが堪能できるが、テクニカルさを押し出さないキャッチーな曲やアトモスフェリックに展開する大作も用意している素晴らしいアルバム。特にラストの「Yellow」は圧巻。2015年モダンプログメタルにおける傑作。フリー。



10.Burning Down Alaska「Values & Virtues」

[Germany,MelodicMetalcore]

REDFIELD RECORDS所属、ドイツの叙情派メタルコアバンドの1stアルバム。叙情派のお手本とでも言えるような涙腺直撃サウンドがアルバム全編で繰り広げられる。ギターソロや女性ボーカルでドラマティックに展開する「Savior」、終盤でBeing As An OceanのMichaelのクリーンを入れてくる「Phantoms」は反則技。



09.ひろしまMAPLE★S「ENDEAVORRR」

[Japan,Pop/Electronic]

広島のアイドル劇場STUDIO MAPLEに所属するメンバーによって結成されたグループの1stアルバム。ひたすら音を重ねたスケール感あるエレクトロニックサウンドとキャッチーなメロディ、そしてメンバーの心境を代弁するかのような歌詞が素晴らしい集大成的なアルバム。「RPM」のエモーショナルな歌詞は彼女たちが大きなステージに立つごとに重みを増していく。先日行った劇場が楽しすぎたのでどうにかして広島に住みたい。



08.Towkio「.WAV Theory」

[UnitedStates,HipHop]

Chance The Rapper率いるSave Money Crewのラッパーデビュー作。Save Moneyらしいアッパーチューンやファンクにハード路線まで幅広い曲調ではあるものの約35分と聞きやすいサイズなのがうれしい。チャンスが絡む「Heaven Only Knows」と「Clean Up」がずば抜けて素晴らしい。「Surf」の序章的立ち位置と思いきやこちらの方が全然良かった。



07.04 Limited Sazabys「CAVU」

[Japan,MelodicPunk]

名古屋のメロディックパンク通称フォーリミの1stアルバム。無条件で口ずさみたくなるキャッチーなメロディを武器に、少年のようなハイトーンボイスで綺麗に日本語を乗せる。メロディックをルーツとして様式美なサウンドを再構築しメインストリームへと雪崩れ込む。WANIMAと並びメロディック再評価の流れのキーとなる存在。



06.bacho「最高新記憶」

[Japan,Rock]

姫路の馬超13年目にして初のフルアルバム。日々の鬱憤を吐き出しながらも理想を追い求め、今に見てろよという強い思いが込められた歌は、ぼんやりとした不安を抱えるすべての人の心を震わせる。重なる一瞬の日々に輝く一瞬の火花 共に眺め、心震わせようじゃないか。



05.Awesome City Club「Awesome City Tracks」

[Japan,Rock/Pop]

誰もがその定義を把握できずに拡大していっている邦楽インディやテン年代シティポップと呼ばれる要素をすべて網羅したACCによる初フィジカル音源。虚構的アンセムな「涙の上海ナイト」や、チルウェイヴ~シンセポップな「Lesson」など待望の音源化。自主製作でやりたいことをやるよりも売れることを選んだ彼らの思惑通り今は進んでいっている。PORINさんに認知もらいたい。



04.校庭カメラガール「Ghost Cat」

[Japan,Pop/HipHop]

新鋭レーベルtapestok recordsからデビューしたアイドルラップユニットの1stアルバム。 キャラ立ち4本マイクなラップとエレクトロニックミュージックをベースに様々なジャンルを取り入れた10年代ヒップホップのひとつのかたち。オマージュでしかおもしろさを提示できなかったこれまでのアイドルラップをすべて過去に変えるコウテカの登場はちょっとした事件だ。



03.Dance Gavin Dance「Instant Gratification」

[UnitedStates,PostHardcore/Experimental]

Rise Records所属ダンス・ギャビン・ダンスによる6th。清涼さあるボーカルのキャッチーなメロとテクニカルなピロピロギターが共存する。「On the Run」「Stroke God, Millionaire」「Awkward」などどの曲をピックアップしても隙のない素晴らしい一枚。マスロックやモダンプログメタル好きも射程圏内な2015年ポストハードコアの傑作。



02.寺尾紗穂「楕円の夢」

[Japan,Pop]

現代至高の女性シンガーソングライター寺尾紗穂3年ぶりのアルバム。ピアノ、電子音、静寂を纏いながら生きていく上での根本的なことを問いかける。カフェでかかるような美しさを装いながらスッとぶち壊す痛みを突きつける歌詞とは対照的に、2~3分の曲をベースに構成されているため驚くほど聞きやすい。タイトル曲「楕円の夢」の思考を巡らせる余白のような長いアウトロを聞いていると、歌詞が深く体を駆け巡っていくのを感じる。



01.Negicco「Rice&Snow」

[Japan,Pop]

2015年はNegiccoの年だった(少なくとも上半期は)。お米と雪の街新潟から結成12年目にしてたどり着いた最高到達点。良い子達がアイドルを続けていくうちに巻き込んだ人達と良い音楽を作り上げた温かいアルバム。