対話のルールによくある「否定しない」の落とし穴 | ステップファミリー×組織開発

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どん底だったシングルマザーの時代から幸せなステップファミリーを築いた軌跡。現在はパーソナルのコーチング(1on1)と組織開発や関係性のシステムコーチとして、あらゆる組織や家族・カップルの応援をしています。

こんにちは。

Co-leadersのSHIHOです。

 

何人かとお話をする中で「対話」に関して

共通してあるおとが浮かび上がってきたので

お伝えしたいと思います。

 

 

私は会話でも議論でもなく「対話」をすることがお仕事です。

時には、自分自身との「対話」だったり(パーソナルコーチング)

時には、大切な人との「対話」だったり(カップル・夫婦や組織)

 



パーソナルコーチングの場合は

私は聞き手になり、クライアントさんは話し手になります。

私が何か意見を言ったり、それについてクライアントさんがどう聴くかということについては

あまり意識になくてもいいでしょう。クライアントさんは自分自身にどっぷり浸かって頂きます。

 


ただ、「対話の場」の場合は

いつも【対話のルール】を一緒に作ります。

 

システムコーチング用語ではDTA(Designed Team Alliance)と言ったりするやつです。

 

その際に、お決まりのようによく挙げられるのが

「否定しない」というルール。

 

 

 

 

これ、実は結構トリッキーだったみたいです。。。

 

 

 

ある方が対話の場をだいぶ経てから、、、

「あの、ルールにある"否定しない"って、ある人がAという意見を言って、

 え、そうかな〜?っていう時あるじゃないですか、

 でも否定しちゃいけないから、自分のBという意見が言えなくなる。。。

 それってどうすればいいんですか???」

 

こんなご質問を頂きましたびっくり

 

 



そうなんです。

えっ!?という話ではなくて、

結構いらっしゃるんです。こういう声。

 

 



なので、改めて丁寧にお伝えしていく必要があるなと思っています。

 

 



我々ファシリテーターやコーチや対話の場作りをしているモノが言う

「否定しない」≠「自分の意見を言わない」

なんです!!!



 

相手の言ったAという意見は、否定しない。「そうなんだね」とそこに置く。保留。

そして

私の中にあるBという意見も、伝える。「私はBと思う」とそこに置く。保留。

 

以上

 

という世界なんですよ。対話に必要なのは。

この保留がポイントです。

 

世の中ではたいがい、

自分と違う意見が出されて、真ん中に置かれたら、

それを跳ね除けて(否定して)自分の意見を真ん中に置くか、自分を出さないの二択。

なので、すべて「正しい、間違っているの二元論」に住んでいるんです。

 

 

でもそれは全くもって豊かではありません。

力の強い人が、意見を前に出すとそれが全体の意見になるし、

力の弱い人は、意見を出すことはしなくなります。

つまらない会議、意味のない会議というのは

それが蔓延っています。

一見「他に意見はありますか?」とか多様な声は一応促しているように見えて、

「しーん。。。。」ってなったら、ハイでは次の議題に、、、ってなりますから。

 

 

本当に場に多様な声を出して、

みんなで新しい考え方や未来を紡ぎ出していくということをしようと思うと

それって何段階にも難しいことをしようとしてるわけです。

 

①まず参加者当人が、自分は何を思うか内省し、自分の意見を持つ

 

②ランクが影響し場に出しにくいこともあるので、完全なる「安心安全な場」の醸成が必要になる

 

③自分の意見を場に出す勇気(どう思われるかを手放す勇気)

 

④自分と違う意見が場に出ている時の、振る舞い(保留する、否定しない、Yes,andするなど)

 

⑤そこから新しいアイデアを紐解くために、時に自分の意見に固執せず手放す覚悟で、

 その場から創り出すチカラ。

 

 

組織開発でも、システムコーチングでも、

我々外部の人間が入って敢えてやっているのは、このプロセスは

当事者だけではなかなか創れないからです。

そして、場に主体的な人を増やしていく、リーダーシップの育成のプロセスでもあるわけです。

 

イノベーティブな事を生み出したい場合には、

この5段階全てのプロセスが必須になります。

 

 

安心安全な関係性を育むことがよいことのように聞こえるかもしれませんが、

仲良くなればいい、という訳では決してないです。

時に、踏み込みあい、本音を話せる強固で本物の関係性とは何か。

その向こう側にある、今まだ見ぬ未来を創り出すために必要だからやっています。

 

 

日本はそういう意味で世界から③の観点で圧倒的に遅れています。

まず、「あなたは」どう思うのかを伝える文化がない。

空気を読んで、上の人が何ていうか、それ次第という風に

自分の意見を引き渡してしまう。

それは、圧倒的に当事者意識がない状態です。

  



どんなに学歴が高く、スキルフルな人達が何人寄せ集まっても、

新しいサービス

新しい事業

新しい地域の未来

を切り開くことはないでしょう。

 

 

おそらく機械論的に大量生産の時代には

そんな「対話」は必要なかったと思います。

上司の言うことを聴いて、愚直に頑張る人がいたらよかった時代ですから。

ある意味二元論の世界で、正解ありきで大丈夫だったんです。



でも、VUCAの時代と言われる昨今でいえば、

上司だってトップだって不確実な未来に向かう中で正解はわかならないんですよ。

だから組織のリーダー達との対話を求めているんです。

「そんな答えのないこと、上が決めてくれたらいいのに・・・」

「そんな暇ないよ、、現場は。。。」

という声が聞こえてきそうですが、例え上が決めてくれ!と言っても

押し合いへしあいの押しくら饅頭がおこりますあせる

 

VUCA(ブーカ)とは、Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)という4つのキーワードの頭文字から取った言葉で、現代の経営環境や個人のキャリアを取り巻く状況を表現するキーワードとして使われています。

 

 

 対話のルールは

②の安心安全な場を作るための1つの手法。

では

本当の安心安全な場とはどんな話なのか、

是非考えてみたら、声をきかせてください♪




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