「A」という文字には5つの異なった発音があります。
順番に説明します。
① 日本人が「A」を見ると、ローマ字読みで「ア」の音を想像するようですが、最も多い発音は「ア」ではなく、「ae」です。
《代表的な単語》
cat 猫
apple りんご
ask たずねる
発音するには、口を「エ」の形にして、「ア」と言えば良いのです。
少し下品な発音に感じるかもしれません。
基本的にアクセントがかかっている音節にしか使われません。
以下のスペルのパターンなら、先ずこの発音を使ってください。
パターン1 次の文字が子音字で、そのあとの文字がない場合
パターン2 次の2文字が両方子音字の場合
パターン3 ごく短い言葉が「A」で始まる場合
② その次に多い発音は、(uh) という音です。
発音記号は逆さの「e」です。
《代表的な単語》
alone 一人ぼっち
balloon 風船
発音するには、口を少し開いて、口や舌の力をすべて抜いて、
口や舌で何の形も作らず、そして力を一切入れずに「ア」と
言ってください。
少でも力を入れたら、本当に「ア」になるので気をつけてください。
非常に短くて弱い音だからアクセントがかかっていない音節に
この発音が多いです。
③ 三番目には、複合母音の「ei」になります。
発音は日本語の「エィ」に限りなく近いです。
《代表的な単語》
ate 食べた
chain 鎖
table テーブル
以下のスペルのパターンは、原則としてこの発音になります。
パターン1 次の文字が子音字・母音字と続く場合
パターン2 次の文字も母音字の場合
パターン3 音節の最後の文字である場合(例:ta/ble)
④ 数としてはあまりありませんが「ア」という音になることもあります。
発音記号も「a」です。
《代表的な単語》
wall 壁
talk しゃべる
palm 手のひら、ヤシ
father 父親
発音は本当に日本の「ア」でいいです。主に以下のパターンの場合にしか出ませんが、例外的特殊な単語(例:father)にも出ます。
パターン1 前の文字が「w」である場合
パターン2 次の2文字が「ll」「lk」「lm」である場合
なお、イギリス英語の場合に、この2パターンの発音は下記⑤
になりますので、日本のローマ字発音でも、「ア」ではなく「ウォ」
で発音しがちです。
⑤ 発音記号は「逆のc」に「:」になります。口を「ア」の形にして「オ」と言えばいいです。「ア」と「オ」の間の音です。基本的にアメリカ英語ではこの発音は「war」というパターンにしか出てきません。
《代表的な単語》
war 戦争
ward 区
award 賞
母音字の「A」の基本的なパターンを紹介しましたが、
もっと詳しく前後の文字の組み合わせを見れば、さらに正確
に発音を判断できます。
その説明は今後する予定です。