140901
9月になった。今月で日本を出て半年になる。半年、って口にしてみるとなかなか長いように感じるけれど、感覚としては全然半年という気がしない。オーストラリアの3ヶ月もあっという間だったし、このまま旅はまるであっという間に季節が移ろうように、過ぎていくのだろう。
昨日8月最終日は、同じ宿についこの間まで滞在していた日本人のカップルのお二人のエアー最終日ということで、同じ街の中にある「いわきファーム」と呼ばれる場所へと遊びに行ってきた。
僕らが「いわきファーム」と呼んでいた場所は正確には「Iwaki World Tambo Project」というNPO法人が活動する場所。僕はそこで活動する人々が滞在する宿泊施設に遊びに行っただけだったので、実際に田んぼを目にすることは無かったのだけれど、IWTPでは所有する田んぼで日本人はもちろん、地元の住民や農業関係者なども交えてコメの田植えから収穫までを取り組むそう。
さらに驚いたことに、オーストラリアでは年に四度収穫することができるとのこと。
水田栽培で、無農薬。土と、水と、太陽の力でコメを育てる。
僕が訪れた日は休みの日だったので、みんなが宿でのんびりしていた。そこで僕にはもちろん初体験の納豆づくり、用意してもらったうどんの生地をみんなで足で踏んでこねて、寝かせて、切って。クイーンフィッシュと呼ばれる「にべ」に似たような魚を捌いて、刺し身にして、晩御飯の支度をする。汗をかいて、苦労して、協力しあって取り組んだ全てが自分の食事に直結していたことに晩飯時になってようやく気付いて、驚いた。全部自分たちで作り上げれるのだ、ということと、そのためにはかなりの労力を要するということに。
夕方になって、IWTP代表の
白圡さんも戻ってきて、合計7人で晩御飯を囲む。釜玉うどんにたこ焼き、クイーンフィッシュの刺し身。もちろんビールも欠かさずに。まさかオーストラリアで刺し身を食べられるなんて思ってもみなかった。久しぶりの魚に、舌鼓を打つ。
すっかり気持ちよく酔っ払って、夜に宿まで送ってもらって、エアーを出てもお元気で、と別れを告げる。別れはいつも寂しい。けれど「いつかきっと何処かで出会える」そう思って、その日を信じて、僕らはまた前に進んでいくのだ。
みんなで日本食を囲んで、日本語で話して、随分と心が暖かくなる一日だった。とっても懐かしくて、ほっこりした時間。オーストラリアで見た日本の風景に、とても心が癒やされた。
IWTPでは、福島の人々の心のリフレッシュのために、というのも活動の理由の一つになっているそうだ。農業ができなくなったり、住むことが出来なくなってしまった人々の心の支えに少しでもなれたなら。そんな思いも込められたプロジェクトだそう。3ヶ月で田植えから収穫まで出来るというから、きっと自分で植えたコメを自分で収穫して、食べる瞬間というのは格別なのだろうな。これからも、福島の人はもちろん、日本、そしてオーストラリアの人々を照らすプロジェクトであってほしいな、と思うし、出来ることならいつか僕も参加したいな。
<参考ホームページ>
Non Profit Organization Iwaki World Tambo Project :
http://iwtp.jpIWTP Facebook :
https://www.facebook.com/NPO.IWTP