【リアルタイム小説】Part.5〜民族と人柄〜 | Chika-lama’s ブログ

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宇宙の誕生から138億年。

僕の命はせいぜい100年・・・

一瞬であろう人生は、すでに40年を経過した。

万人に向けた言葉は、書くことができない。

書けるのは、納得のできる、自分の言葉。

そろそろ僕も言わせてもらおう。


『少数民族の街、羅平(らへい)。

中国の人口は、約13億5000万人。

その9割を占めるのが「漢民族」で、

残りの1割は、約55の「少数民族」

である。』


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宿は、すぐに見つかった。


というのも、目的の宿が

あったわけではなく、

たまたま目についた宿の部屋が

空いていた、というだけの話だ。



この宿は、30代と思われる夫婦が

2人で経営している。



ここでも、やはり言葉は

まったく通じなかった。


ただ、通じないながらも、

僕が彼らから受ける「印象」は、

これまで中国で出会った人達とは、

明らかに「違う」と感じる。



気温3度の寒空のもと、

どこからともなく現れた、

得体の知れない僕に対し、

自然な笑顔を見せてくれる人に

出会ったのは、

中国に到着して以来、

初めての体験だった。



寒そうにしている僕を見て、

「待っていなさいよ」と言わんばかりに

奥さんが作ってくれた、

チャーハンとスープ。



絶品。

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奥さんは、日本人と接したことが

ほとんどない様子だった。


僕は奥さんに、

日本の写真を見せるため、

携帯を取り出す。



奥さん、興味津々。



そして「ちょっと貸して」

というジェスチャーをし、

僕の携帯に入っている写真を、

僕に、なにか話しかけながら、

楽しそうに見ていた。



僕は、まさか

写真を全部見られるとは

思わずに渡したのだった。




奥さんは礼を言い、

丁寧に携帯を返すと、

「ゆっくりと休んでね」

というジェスチャーをする。

 


僕の気持ちは、

満たされていた。




部屋に戻り、

リンネからのメッセージを確認する。



互いの宿は離れているようだが、

明日はリンネと合流できそうだ。


そこには、合流後、羅平から南下して、

建水(けんすい)を目指す計画が

書かれていた。


Part.6へと続く