古畑任三郎 vs B'z 「見えない力」 犯行編① | Fの部屋 古畑任三郎の続きを勝手に考えるブログ
2015.9.21 午前10時 東京ドーム



松本 「予定通り今夜実行する」


稲葉 「例のは用意できた?」


松本は睡眠薬が入ったビンを取り出した。


松本 「増田さんとシェーンにはアリバイ作りの協力はしてある。」

松本の作戦はシンプルだった。

LIVE開演1時間前に行われるファンイベントの後に、
稲葉が明石の楽屋に行き、
明石のスマートフォンに遺書を書き残し、
自殺に見せかけて睡眠薬で殺害する。
明石は睡眠薬を日常的に飲んでいたので、不自然さはない。


稲葉を誰にも目撃されないために、
松本、増田が見張り役となり人通りがなくなったタイミングで、
稲葉に携帯で合図をして、明石の楽屋に送り込む。


明石の楽屋があるフロアは他のメンバの楽屋のフロアの3階上なので、
階段の陰に身をひそめることにした。

稲葉と松本のアリバイはこうだ。
死亡推定時刻には、楽屋から一歩も出ずに、二人でリハをしていることにする。

外のリラックスペースでキーボードの練習をしている増田が、
松本、稲葉が外に出ていないこと、
彼らのリハの音漏れを聞いていたことを証言し、
彼らのアリバイを保証する。
時折増田に会いに来るマネージャーに増田のアリバイを保証する。

シェーンはLIVE前にランニングをする習慣があるため、
外を走っている際に、凶器となる睡眠薬が入った瓶を捨てる。

彼らがLIVE前に習慣的に行っている事に、明石殺害のアリバイ作りを紛れ込ませる作戦だ。

スタッフはB'zのLIVE前は気を使って、B'zのメンバーのフロアには近づかないようにしていた。
このため、LIVE前は人通りは少なくなり計画実行には好都合だった。







2015.9.21 午後5時 東京ドーム

B'z LIVE-GYM前控え室、20人程のファンが興奮を抑えきれない顔でB'zの楽屋の前にいた。

ファンクラブ用チケットの中から抽選で選ばれ、B'zの楽屋を訪れることができるという、
夢のようなファンイベントである。

運命のイタズラか、あの刑事もそこにいた。



古畑 「いやー今泉くん、君に初めて感謝してるよ。君のチケットでまさか当選するとはねー」



今泉 「古畑さん...緊張して吐きそうです。ボク、ずっと大ファンなんですよ。」



古畑 「B'zの素晴らしさが君にもわかるとはね。見所あるじゃないか。」



スタッフ「B'zのお二人到着されましたー」



ファン 「おおおおおおお!」



いつも冷静な古畑だが落ち着きがなかった。



稲葉&松本 「今日は来ていただきありがとうございます」



古畑は緊張し直視できないでいた。



スタッフの誘導で、ファン達が順番に、B'zの二人と握手し言葉を交わしていく。


この日のために買ったであろうドレスを身に纏うマダム、
B'z二人の筋肉に感動する若者、感動で泣き崩れる10代の女性もいた。


古畑と今泉の順番がきた。


今泉 「ず、、ずっと好きでした!!」

今泉は稲葉に抱きついた。

稲葉は初め失笑したが、即座にサービス

稲葉 「ボクも好きでしたよ!」

と返した。
今泉は失神した。


古畑 「古畑と申します。えーーー握手してもらってよろしいですか?」


稲葉 「もちろんです」


古畑と稲葉は両手で固い握手を交わした。


古畑 「いやーーー筋肉質でパワフルな手ですね。よく鍛えてらっしゃる。」


松本 「手なら僕も負けませんよ。」


松本と古畑も固い握手をした。


古畑 「いやーーーギターを弾くためにあるような手だ。この手からあの素晴らしい曲が生まれたんですねー感動しました。」


稲葉&松本 「ありがとうございます。」


続いて、楽屋の見学に移る。
ファンたちのスマホで写真を撮る音が鳴り止まない。

松本 「どうぞご自由にしてください」


古畑 「素晴らしい。ギターがたくさんありますねーー。おや、ラジカセですか。珍しいですねー」


松本 「どこでもすぐに録音したりできるんで、意外と重宝してます。」


古畑 「今回の新曲もこれで録ったんですか?
あのーー、ララララーー、、の後なんでしたっけ?」

稲葉 「セキララにDIVE!ですね。」


今泉 「コンナンジャイヤダモン!」


松本 「よく聴いてくれてますね!」


今泉 「100回は聴きました!」


古畑は、してやられた顔でうつむいていた。


今泉 「このラジカセ入ってる中身聞いていいですか?」


今泉がラジカセを雑にガチャガチャといじりだす。


松本 「秘密なのであんまりいじらないでくださいね。」


今泉は慌ててラジカセを手放したが、
今泉の額を襲う古畑の掌の方が速かった。
さっきの曲名の件もあり、いつもより強めだった。


古畑 「みっともないことするんじゃないよ!」


松本 「いいんですよ。」


楽屋見学が終わり、ファンイベントは終わった。


夢のような時間に、ファンたちは恍惚の表情を浮かべていた。


古畑 「最後にもう一度握手をお願いします。今日のLIVE楽しみにしてます。」


稲葉 「はい、楽しんでいってください。」


幸運なファン達は、ドームの外に出た。


今泉 「古畑さん...ボク、生きててよかったです。」

古畑 「今泉くん...泣いてる場合じゃないよ、今夜は何かが起きそうな気がするよ。」


古畑は何かを感じ取っていた。
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