良く運命と言いますが、運命とは「命」を「運ぶ」と書きます。では、その「命」(めい)とは何か?古典に


天が与えたものを命と言い、天から享けたも のを性と言い、その性命に還るを道と言い、それを発現するを徳と言う  


とあります。即ち性と命とは見方が違うだけで同じものを指しています。自己の本性、本源の事です。その自己の本源に還る為に自己を修めて行く修身・修行を「道」と言うわけです。


では何を修めるのか?それが儒教では「仁・義・礼・智・信」の五徳であり、仏教では「八正道」や「六波羅密」であり、密教では「三密」であったり、修験道では「慈悲の一戒」だったりします。



その徳を自然に周囲の環境や人々に発し現して行く、これが本当の「道徳」の意味です。


だから「運命」とは、常に創造発展・生成化育していくクリエイティブなもので、決して「そういう運命だったんだから諦めよう」とかいう否定的悲観的な使い方をするものではありません。


そしてその事を覚り、「良し!このように生きていこう!」「人生を素晴しいものにするぞ!」との自覚と覚悟を持つことを命(めい)を立てる、これを「立命」と言います。皆様も大いに命を立て素晴しい人生を歩みましょう!