3年ほど前、日経新聞の夕刊 一面のトップに日本でも 「昆虫などの生態系に 影響を及ぼす として 農薬の再評価が始まる」と。




これで日本でも、ようやくラウンドアップやネオニコチノイド系農薬の規制が始まると胸を踊らせたものでした。


2018年農薬取締法は改正され最新の科学情報としての研究論文が、再評価に使用されることになったのです。


ところが現代農業9月号の木村ー黒田純子博士の「農薬再評価制度に異議あり!農薬メーカーは不都合なデータを隠している」を読んで怒り心頭です。





長くなりましたが最後まで読んでシェア拡散して、是非現代農業9月号を読んでいただけませんか。


私は専門家ではないので間違いのあるところは指摘いただくとして、簡単に私なりに纏めた要旨を紹介させていただきます。


2018年の法改正は、これまで日本の農薬登録には公表された研究論文を採用されてなかったので画期的なものだったのです。


ところが、今回の再評価制度では日本の生態系を守るのではなく、農薬メーカーの利益を守るための運用が始まっていました。


今回はまず農薬メーカーが無毒性試験の結果を用意して、それについての再評価されるべき研究論文については収集 選択 評価して資料を作成するのは専門家がある第三者ではなく、再評価を受ける当事者の農薬メーカー自身だったのです。


誰が考えても再評価を受けるべき農薬メーカーが収集のみならず内容の評価を公平適切にできるはずはありません。


木村ー黒田純子博士は昨年末公開された農水省の公表文献の報告書、膨大な資料の内容を原文にもあたりながら丁寧に調べたのです。


その地道な努力には頭が下がります。


ミツバチの大量死で有名になったネオニコチノイド系農薬についてTBSの報道特集でも、EUでは日本の筆者等研究チームの論文を読んで急遽委員会を招集してネオニコチノイド系農薬を規制禁止したと報道されています。

 

今回の住友化学が収集 選択 評価した研究論文の中に、神戸大学の星 信彦教授の研究チームが鳥類 哺乳類についての神経系 免疫系 生殖系に悪影響を及ぼす可能性を示した大事な論文が削除されていたのです。


この論文は日本の朱鷺やコウノトリの繁殖を妨げてきていることを示唆した論文です。


中でも大事なのは、ラットやマウスの実験でクロアチニジン投与後の行動試験や発達神経系毒性、生殖系への影響などを調べたものの多くが無毒性量 (厚生省が定めた この量以下ならば 病気などの有害な影響が出て最大量で有害性を示しています。


とんでもない話です。


農水省のガイドラインには 海外のリスク評価機関で採用されている 論文は 報告書に記載されればならないとされています。


住友化学は一部は記載しても「 対照試験がない 」「1群何匹で試験したか不明」と等とされていて、木村ー黒田純子博士は「私が論文を読む限り これらの評価全て明らかに間違っていました」と。


バイエルクロップサイエンスが作成したイミダクロプリドの報告書でも 同様なことがなされていたのです。

代謝物デスニトロ体は哺乳類に対して指定毒物ニコチンとほぼ同程度の高毒性になることが報告されています。


ニコチンはADHD(注意欠如・多動症や低体重出産、乳児突然死症候群のリスクがあることが明らかになっています。


この代謝物による哺乳類への毒性や環境への影響など重要な情報は記載が一切なかったのです。


農水省のガイドラインには、安全性評価の上で考慮する必要のある代謝物についてはその化合物の対象とすると記載されています。


やはり、発達障害と診断される子どもたちが急増している現在、子ども達の命と健康を守るためには筆者も指摘している通り、農薬の登録、再評価には日本も客観的に評価することのできる第三者委員会を設けるべきだと考えます。


曖昧にしてはならない問題です。


私たちはこのことを農水省に厳しく抗議の電話を入れ、国会議員にも連絡して国会審議でも議論して頂かねばなりません。