放射線育種による秋田こまちRが問題になっています。 

山形県のつや姫も同様な話をお聞きしたので、9月3日、庄内の山形県の 農業試験場を訪ねました。
 
同所はこれまでにもつや姫など優良な稲の品種を数多く世に出してきた歴史あるところです。

日曜日にもかかわらず副所長の中場理恵子さんに対応して頂きつや姫の 放射線育種について色々教えていただきました。





確かにつや姫でもこれまで放射線育種に使われてきたガンマ線ではなくイオンビームによる技術で、つや姫*4//lcd-kmt2/つや姫が用意されていました。

しかし中場さんのお話ではこのつや姫はまだ系統の段階で、山形県としての品種とまでは至っていないとのことです。

同品種の系統はカドミウム(人体に有毒な金属)をほとんど吸収しないので、カドミウムが多くて食用に適しない水田では有効だとのことです。
 
私もかつて対馬で水田のカドミウム対策として客土するところを見たことがあります。

しかし今回の放射線育種よる問題は、これまでのガンマ線による育種は単に突然変異を誘発するのでしたが、今回はイオンビームによるものであることです。

中場さんの説明でもイオンビームによる育種では直接狙ったところの遺伝子の配列を壊すことになるそうです。

その意味では私はゲノム編集と同様の結果を生ずることになり、オフターゲットの問題が生じることも考えられます。

かつて遺伝子組み換えの世界的な権威であるカリフォルニア大学のイグナチオ・チャペラ教授に、『食の安全を守る人々』の映画製作のためゲノム編集についてインタビューをしたことがあります。

その時に、遺伝子細胞はお互いにコミュニケーションを取り合っているので「隣の遺伝子細胞が壊されるとまわりの遺伝子細胞は敵が来たと思い込み、それを潰そうと人体に有毒な化学物質も生じることがあるのです」と。

そしてパソコンで角のない牛の画像を示して、人に危なくないように角のない牛をゲノム編集で開発したところ、 抗生物質に耐性を持つDNAが含まれていることが分かり実用化されなかったと説明しました。

さらに同教授は「ゲノム編集で人体に有害なものが生じているかどうかは時間とお金かけて調べれば必ずわかるのです」と。

今回の秋田こまちR、つや姫(山形157系統)もそうですが、種子として流通するものであれば十分な時間と費用をかけて徹底的に調べなければならないのです。


県議会でも是非この問題を取り上げていただき、今回の秋田こまちRにしてもつや姫にしても県の知的財産権ですから、国に従うのではなく各道県の種子条例に従って県民の代表である県議会に諮って決めるべきものです。

2000年になって地方分権法の成立によって国と地方自治体は法律上同格で、国の地方自治体に対する指揮命令監督は禁止されています。