議会で数多く行われる採決。

もっともらしく書かれた法案から問題点を炙り出す事はかなり難しい作業だ。

無所属一議席の山本太郎は「数で勝負」の国会では無力と思われがちだが、たった一議席でも採決の際に、問題提起出来る立場にある。
例えば、誰も問題と思わない全会一致の法案に光をあて、必要があれば、山本太郎「ひとりだけ」反対する事によりその理由を語る機会を与えられる事もあるからだ。

だが僕自身、全てのチョイスが正解だった、とは思わない。
今回「おわび」と題したのは、一人の市民の方から法案の採決について意見を戴いた事から始まった。

ある全会一致の法案に自分も賛成をした。
そこに潜む不利益を被る人々に、光をあてる機会を見逃した自分自身への反省を込め書かせて戴きます。
それに該当するのが、
「自動車運転死傷処罰法及び改正道路交通法」
不利益を被るのは「てんかん」の患者の方々。
この法案の採決は昨年の11月 に参議院で可決、成立 した。
そして法の運用が始まり、6月1日に
日本てんかん協会が声明を発表☞http://www.taro-yamamoto.jp/wp-content/uploads/2014/07/tokubetuketugi_37thsokai.pdf

それを読んだ上で、もう少し詳しいお話をお聞きできればと、
日本てんかん協会の方に直接お会いしてお話を伺いました。

ザックリ説明すると、飲酒運転、無免許運転など悪質な行動による事故は、厳罰化されていない。
実態に応じた罰則の整備って必要だよね、と言う趣旨の法案だった。
もっともな話だし、とんでもない危険運転で人の命を奪うような事故を起こしても、十分な罰則が与えられないなんて、残された遺族の気持ちを考えるとやりきれない思いが沸き上がってくる。
が、この法案はある部分に十分な配慮がされないままに
成立してしまった。
それにより不利益を被る人々が存在する。
「てんかん」を持った患者の方々だ。
「自動車運転死傷処罰法及び改正道路交通法」
が厳罰化される一端は「てんかん」患者による事故があった事も確かだ。

てんかん、とは
意識を失ってしまうケースから、短時間ぼんやりするケースまで幅が広く、個人差がある。
世界的には各国人口の約0・8%程いると言われていて、
我が国の患者数は約100万人。
専門医の数も少なく、一般の医師による安易な診察結果により「てんかん」患者とされるケースも存在する。


「てんかん」患者のうち7割~8割は投薬などで症状はセーブされ、もう何年も発作は起きておらず、 
セルフコントロールできており、通常の生活に全く支障がないと言う。

今回の法改正により、それらの方々が社会から誤解を受け、てんかんを持っていると言うだけで、会社を解雇されたり、就職が出来なかったり、と言った不条理を受ける事態になっている。

「てんかん」と診断された人、
「そうでない人」
それぞれが起こす自動車の事故率、その比較、違いなどのデータは?
現在、その様なものは日本には存在しない。
データから解析された情報をもとに練られた訳ではなく、過去にてんかん患者が起こした数件の痛ましい事故を根拠に「てんかん」と言う病名を法律で「危険」としたわけです。

もちろん、死傷者を出す様な事故を起こした運転者は、病歴が有る無しに関わらず、罪を償うべきと考えます。

ただ、冒頭で説明した通り、症状が幅広く、7割から8割の患者がセルフコントロールが出来るのに、全てを引っ括めて、「特定の病気が危険」、とされるのは
あまりにも乱暴な法案だったと言わざるえない。
この法改正によって、移動手段を奪われる人々に対し、交通運賃の減額制度なども考えられていない。

賛成したからには、この法律の不備と法改正で生まれる不利益に対し
是正を求めて行くのも一議員の勤めと感じています。

今後、法案の内容を精査する作業により力を入れて、不条理を炙り出し、皆さんと共有できるよう精進します!
山本太郎


ps今回の件を気づかせて下さったのは、ひとりの市民の方です。
議員に対し直接声を届ける事は重要な事。
あなたの伝えたい声、思い、を直接のロビー活動やFAX、メールで粘り強く届けて議員が動かなきゃならない状況を作りましょう。
そんなアプローチが桁違いに増えたならば、重い腰を上げる議員も増えると思います。