議員事務所には毎日、それぞれの問題を直接訴えに、市民の皆さんが訪れる。

国会議員は皆さんからお話をお伺いする、のも仕事。

しかし、あまり事務所にいない僕は、議員事務所で直接お話を出来る確率がそう高くない。(本人不在時は秘書が対応)

今日は事務所で仕事が一日あったので、偶然にもロビー活動(直接議員事務所を廻って事情を説明する)をされている方々とお会いできた。

JALを不当解雇された165名を代表する、元客室乗務員の4名の方々だった。


この問題に関して、内閣委員会で一度質疑をさせて戴いた。



事情をザックリ説明すると、日本航空が経営難に陥り、3年9ヶ月前に、パイロット81名、客室乗務員84名、合計165名が整理解雇された。

しかしJALは、解雇後一年数ヶ月で大量の新人採用などが行われ、すでに1820名を採用したという。

何故、解雇された165人を職場に戻さないのか?

新人を大量に採用するなら、会社の二次破綻を避ける名目で整理解雇された方々を優先的に職場に復帰させる事が筋ではないか?

この方々が解雇されたのは、2010年の大晦日。

新しい年を、どれほど絶望的な気持ちで迎えたのだろう、と想像するだけで胸が苦しくなる。

解雇理由は二つ。

❶年齢
機長で55歳以上、副操縦士で48歳以上、客室乗務員で53歳以上 の方々
☆世界中の航空会社で「年齢が高いこと」が理由で解雇される前例はないと言う。

❷病欠
一定日数以上の病欠者(多くが30代~40歳代)



☆ 体調が悪い時は無理をせず、乗務を取りやめる事が安全を担保する。超体調の悪いパイロットの操縦する飛行機に乗りたい?って考えれば簡単。僕は嫌だ。

体調が悪くても、解雇される恐怖からそれが言えない、と言う職場環境は安全運航を脅かす。

飛行機を飛ばすのに労働者の知識、技量、経験、チームワークが重要な仕事なのに、経験豊富な人々が整理解雇されて、

会社が持ち直して大儲けをしても、その方々は職場にも戻れない。


現在、最高裁に上告中。「受理」、「不受理」の回答は早くて数ヶ月。

遅ければ何年も待たされる事も。

その判断に何年も掛かってしまえば、定年退職の年齢を迎える方も増えてしまう。


☆詳しくは「JAL 原告団」で検索

あまりにも働く人々と乗客に対して、誠実とはかけ離れたJALの対応に、最高経営者の啓発本を過去に何冊か読んで感動した自分が恥ずかしくなる。



今回のブログで伝えたい事は2点。

❶働く人々が繋がること

働く人々が会社側と交渉をする「労働組合」の存在はとても大切。その存在を鬱陶しく思うのは企業と権力。

実際、働く人々の首が締まる様なルール改正を押し進めている今の政治と、安く責任なく人を雇いたいと考える経済界はお仲間。

そこにブレーキをかけるのが働く人々を繋ぐ労働組合。

人々が繋がると、交渉に応じなければならなくなり、面倒だ。

だからこそ、労働組合を弱体化させる様な、色んな作戦が行われる。

JALの件でも、労働組合が動けなくなるような、不当労働行為が行われた。

当時、解雇を強行しようとする会社側に対し、解雇を避ける手段として、争議権(ストライキを行う場合の前段階)の投票を始めた組合に対して、管財人が「争議権を確立すれば、3500億円の融資はしない」との脅し、妨害が入った。

融資が止まれば会社は二次破綻してしまうかも知れない☞会社が破綻してしまえば元も子もない☞この先、仕事を続けられる仲間の為にも整理解雇も仕方ない☞しかし一年数ヶ月後には大量の新人採用☞会社への復帰はなく解雇されたまま、と言う理不尽を目の当たりにする事になった。

この件で東京地裁は管財人による組合への妨害行為を「不当労働行為」と認めた。

違法行為の元で行われた解雇は「無効」である。


ILO(国際労働機関)からも解決の為に、労使(労働者・企業)で話し合う様に2度の勧告まで出ている。
でもJALは自主解決の為の話し合いには一切応じていない。

自分は航空関係ではないから知ったこっちゃない、と思わないで欲しい。

花形の職業とされている職種で、大企業と言われている会社が、堂々と非人道的な労働者の扱いをしている。

それが社会的な大問題にもされず、ほぼスルーされている。

ここに注目が集まる事によって、正されて行く事がある。

企業イメージを悪くしたくない経営陣は大きな注目が集まれば手のひらを返すかも知れない。

あなたが働いているならば、関係のない話ではない。

正規であろうと、非正規であろうと、これから労働環境はますます酷い状況にされて行く。

そこにブレーキを掛けられるのは、人々が繋がること。


一人で悩まずに、働く人々の集まり「労働組合」と繋がって下さい。


今回のブログで伝えたい事❷

ロビー活動の大切さ

JALの問題さえ知らなかった山本太郎が、委員会で質疑を行い、今回ブログでも皆さんにお伝えしたのは、ロビー活動をされている皆さんの熱意。

ロビー活動は議員を実際に動かす事が出来る、と言う事。

ただ一方的に思いを伝えるだけでなく、解りやすく、要点をまとめることも必要になり一手間もふた手間もかかるけど、

デモだけじゃ世の中は動かないのだから、実際にアプローチする事が大切。

地方に住んでるから・・ってあなたの地元の、その地域選出の国会議員事務所や県議会、市議会、町議会、村議会の議員の事務所にコンタクトは取れるはず。

投票には行ったけど、そのあとはお任せ、では変わらない。

あなたが新しくチャレンジする事で、世の中は少し変わって行く。

力を合わせて、変えて行きましょう。