おばけ、殺人鬼、キ○ガイ一家などなど、各種取り揃えてお待ちしてます 『HOUSE(ハウス)』 | 蝦夷☆オブ・ザ・デッド

蝦夷☆オブ・ザ・デッド

蝦夷の片田舎より分析しない掘り下げない脱力バカレビューをお届け(ホラー多めほぼネタバレ)


<amazonの奥地ではまだ発見されていないようです>

<あらすじ>
夫婦セラピーへ向かう車の運転中、事故に遭ってしまったジャックとステファニー。
助けを求めて近くの宿に辿り着いた2人は、ひと組のカップルと出会う。
やがて4人の下へあるメッセージが届けられる。
タイムリミットは12時間。夜明けまでに仲間の1人を殺せ!
殺らなければ4人全員が死ぬ。
悪霊の巣食う家で、4人の究極の選択が始まる・・・。

<レビュー>
過去のトラウマ、夫婦げんか、罪、おばけやしき、悪魔崇拝、幻覚、殺人鬼、キ○ガイ一家・・・
盛りだくさんのゴッチャゴチャの闇鍋状態!!!
そんな作品で御座いました。

冒頭、古めかしい洋館の中を逃げ惑う妻が、 夫に銃で撃ち殺される場面からはじまります。

 
パンダ目どころじゃなく、マスカラドロドロ。
ホラー映画で化粧の濃い女性は必ずこんな顔になります。

場面は変わり、ある夫婦がセラピーに向かうためドライブをしています。
どうやら、冒頭の夫婦とは全く無関係の模様。
彼らの名前はジャックとステファニー。
夫ジャックはスリラー小説作家で、ステファニーは歌手。
この夫婦、とにかく険悪な雰囲気で、お互いの言葉尻をイチイチとらえて言い合いしており、観てるこっちがイライラして来ます。
そんなんですから、夫の運転もメンタルを反映していてワイルドです。
夫が乱暴にアクセルを踏むうち、遂にパトカーが後ろから追い掛けて来ましたよ。
妻が止めろと言うのに、焦ってそのまま突っ走ろうとする夫・・・そして軽く事故ります。
いかめしい顔つきでパトカーから降りてくる警官。
警官の視線は、妻ステファニーに止まります。
どうやら、歌手の彼女のことを知っている様子。
ステファニーは何とか見逃してもらおうと、警官に精一杯愛想良く事情を話します。
自分たちが夫婦セラピーを受けに、モンゴメリーへ向かう途中だと言うこと。
どうやら道を間違えてしまったようで、焦っていたと言うこと。
警官はいかめしい顔つきのままでしたが、どういうわけか夫婦を見逃してくれたばかりか、モンゴメリーまでの近道まで教えてくれます。
賢明なホラーファンの皆さんはもうおわかりのことと思います。
道、絶対違うし、ヤバイ場所へ誘導されてると。

警官の言った通りの道へ進んだ2人は、二度目の事故を起こします。
道には踏んで下さいと言わんばかりのトゲトゲの農機具が放置(セット)してありました。
そして道端にはもう一台の事故車が。

 
もう一台の事故車は高級車BMW

彼らと同じ罠にはまったバカセレブがいると言うことなんでしょう。
お約束のシチュエーションで、集中豪雨まで降り出しました。
大変スムーズな出だしです。
さぁ!これから舞台になる民家はどこだ!ホテルはどこだ!

 
ここで決まりだ!

なんとも陰気臭い、ステキな雰囲気の小さなホテルがありましたよ。
ロビーに入った夫婦ですが、フロントには誰もおりません。
宿帳があったので確認してみると、どうやら先客がいた模様。
2人分の記帳がしてあります。
すると、2階からカップルが降りてきましたよ。
ちょっと軽薄そうな男性と、ゴージャスで小悪魔的な美人。
彼らはランディとレスリー。
ランディはホテルを経営するちょっとした成金で、レスリーはその彼女です。
自己紹介後、4人がホールに入るとそこは食堂だったようで、あらかじめ4人分のテーブルセッティングがされていました・・・まるで4人が来るのを知っていたかのように。

 
「推理小説みたいだな」

アガサクリスティを彷彿とさせるシチュエーションに思わずそんな言葉が出てしまいましたが、ついでにこんな余計な一言も出てしまいました。

 
「最後はみんな死ぬの?」

・・・ああそうとも死ぬさ。
とはさすがに誰も言いませんが、この人たちがこのままじゃ済まないことは明らかです。

ところで、ステファニー(歌手)は先ほどからホテルの中で妙な声や、階段を横切る子どもの姿を目撃していました。

 
「ママー」と呼びながら横切る、赤いジャンパーの娘

不気味に思うステファニーは、こんなところは早く去りたいのですが、またここで夫と意見が食い違い、夫婦喧嘩になってしまいます。
その時突然、彼ら4人の後ろに気配もなく男がひとり現われました。
男はレスリー(小悪魔美女)をジロジロと見つめています。

 
「キミかわうぃーね☆」

キモ男出現に一同仰天する中、今度はホテルの女主人まで現れました。

 
「みなさん、ようこそ」

女主人は彼らを最初から宿泊客として迎えるつもりで、ホテルの食事時間や仕様を説明し始めました。
ここで帰りたくて仕方のないステファニー(歌手)、「泊まるつもりでここに来たんじゃないわ。事故で困っているから電話を借りたいの」と説明します。
女主人は電話を貸してくれるようですが、「でも、電話したとしてもどのみち夜明けまでレッカー車は来ないわよ」と言います。
 
 
「レッカー車は来ないわよ」

それでも諦めきれないステファニー(歌手)、やっぱり電話を借りることにします。
フロントにはさっきのキモ男がおりましたよ。
しかし、電話をかけてはみるものの、全く繋がらずうんともすんとも言いません。
フロントのキモ男は飄々とした様子でこう言います。

 
「電話はつながる時もつながらない時もある」

 
「人を選ぶんだ」

・・・一体何を言うか。

外は相変わらずの豪雨。
ステファニー(歌手)は諦めて、ここで一晩明かすことに渋々ながら同意します。
それにしてもフロントのキモ男、レスリー(小悪魔美女)がよっぽど気に入ったようで、柱の影からずっと「星あき子見」しています。
キモ男は女主人の息子で名前はピート、只今婚活中だとか
・・・知らんがなって感じです。

  
柱の影から星あき子☆

4人が食卓につくと、また唐突に人が増えました。

 
「彼はスチュワートよ」

彼の名はスチュワート。
人相の悪いスチュワート、彼も女主人の息子とのこと。
揃いも揃って気持ち悪い息子たちです。

・・・そして、突然ですが、ここで殺人鬼の登場です。

 
豪雨の中、家の中をうかがう殺人鬼

このお話、唐突が多過ぎて、観ているほうはついて行くのが大変です。
観客のビックリを狙ってるのかも知れないのですが・・・
何でもかんでもやりたいことちょっと詰め込み過ぎだぞ!この欲張りさんめ☆
殺人鬼出現で先ほどまで威厳タップリだった女主人がにわかにテンパリ始め、ここから展開スピードアップ。
殺人鬼は宣戦布告とばかりに、家の中に空き缶を投げ入れてきます。
そこにはあるメッセージが。

  

ルールその1:この家に来た神は俺が殺した。
ルールその2:この家に来た人間は神と同じように殺す。
ルールその3:夜明けまでに1人殺せ。さもないと全員死ぬ。

なにが何やらさっぱりチンプンカンプンですが、とりあえず殺人鬼さんの言いたいことは、「誰かひとり殺らないとお前ら全員死ぬよ☆」と言うことらしいです。
もう「ルールその3」だけでいいよね。

 
「夜明けまでに一人殺せ・・・だと!?」

以前から殺人鬼の存在を知っている様子の女主人に「あいつは何者なんだ!」と訊いてみると、殺人鬼さんのニックネームを教えてくれました。
その名も
「ブリキ男」。


「通称、ブリキ男よ」

ちょっとなにそのネーミング・・・オズの魔法使い?
とりあえず、ブリキ男が家の中に侵入してくると間違いなく全員死亡とのことなので、各自侵入口を防ぐ作業をはじめるんですが、この過程でホテル一家がキ○ガイ一家に豹変(また唐突か!)。

 

「お前ら全員罪深い人間ばかりだ!」
女主人はそう叫ぶと、宿泊客4人を冷凍庫へ閉じ込めようとします。
「一人殺さなければ全員死ぬ」と言うブリキ男のルールを気にして、自分たちが殺られる前に殺ってしまおうと言う算段なんでしょうか。
「ジワジワ弱って死ぬだろ。1週間後くらいに迎えに来るからね☆」とか言ってます。
しかし辻褄が合いません。
ブリキ男のルールには「夜明けまでに一人殺せ」とありました。
冷凍庫に閉じ込めた4人の誰かが夜明けまでに必ず死ぬとは限りません。
閉じ込めた目的は別にあるのでしょうか?

 
「アンタたち、自業自得よ!自分で災いを招いたの!」

女主人はしきりに「罪」を連呼します。
この4人に、一体どんな罪があると言うのでしょうか。
しかし、4人も只言いなりになっているわけではありません。
女主人とその息子に反撃、逆に冷凍庫に閉じ込めてしまいます。
ここでまた女主人豹変。

 
いきなり気合充分のゾンビ顔に!

 
「無駄な抵抗はお~や~め~!!!」

どうやらホテル一家、普通の人間ではなさそうです。
外にはブリキ男。中には正体不明のキ○ガイ一家。
もう、「鬼は外!鬼は内!」状態です。
ホテルの中を逃げ惑う4人。
そして、逃げる間、先ほど女主人がくどいくらい連呼していた「罪」の意味が解明されていきます。

<ジャック(スリラー作家)&ステファニー(歌手)夫妻の場合> 
 
娘に「パパ、スケートに行こう」と誘われるも、原稿がノッており手が離せないジャック。
「今日はママの番だろ」と妻ステファニーに話を振る。

 
スケートリンクにて、携帯で長話の妻ステファニー。
話に夢中になり、娘から完全に目を離していると・・・

 
ビシッ!ドボーン!!!
氷に亀裂が入り、娘落ちて溺れて死亡。

夫妻にはこんな経緯がありました。
2人は屋敷の中を逃げ回るうち、この事故について散々幻覚を見せられ、いいだけトラウマをほじくり返されています。

<ステファニーが見せられる幻覚>
 
ウォークインクローゼットに隠れたら、事故の日に娘が来ていた赤いジャンパーが。
そう言えば、ホテルに来た当初、赤いジャンパーの娘を見かけていました。
このあと、クローゼットは水浸しになり、凍りつき、冷凍庫状態に・・・

<ジャックが見せられる幻覚>

娘が亡くなった当日、仕事に没頭する自分

 
もうひとりの自分がそれを見つめ、窓の外でスケートをしている娘に注意を向けるよう叫ぶが、聞こえるはずもなく・・・

 
プリンターから狂ったように排出される原稿には「彼女を殺した」という文章の羅列
「シャイニング」へのオマージュが感じられますね・・・役目も同じジャックだし。

 
更に激しくタイピングするジャックの指先。
娘のことには目を向けようともしません。

 
なおもプリンターから排出される原稿。
メリッサ(娘)が死んだのは「彼女」のせいだと。
「彼女」とは、携帯で長話をしていた妻のことです。
彼の深層心理の表れなのかも知れません。

<ランディ(成金)&レスリー(小悪魔美女)カップルの場合> 
 
女主人の息子、ピートに拉致られ、気がつくとコスプレさせられているレスリー。

 
「何この化粧!?有り得ないんだけど・・・」


ふと気がつくと、部屋のテーブルにはパイが置いてあり、メッセージカードが。
「お食べ。おいしいよ。ピートおじさんより☆」

 
更にベッドには沢山のパイが。
実は「ピートおじさん」とは、彼女が小さい頃イタズラされたおじさんで、彼女には彼を殺していた過去がありました。

 
封印した記憶を無理矢理呼び起こされ、パニックで泣きながらパイ暴食
喰ってる場合か!

 
そこへ、「キミの好みに合わせたんだよ」
と言いながら現れたのは、ピートおじさんと同名のピート。


ピートいきなり求婚「結婚しよう」
婚活中とは言えダイレクトすぎる

 
「冗談やめて」即答で断るレスリー。
しかしこれであっさり引き下がるとは思えません。

 
一方、ランディ(成金)のほうは、幼少の頃、父と猟に出かけた先で罵られ、彼を猟銃で射殺した過去がありました。
父は暴君だった模様。当時の悲惨な様子をずっと幻覚で見せられます。

トラウマを各自掘り起こされ、発狂しそうになりながら逃げる4人。
その中で、猜疑心が生まれ、「ブリキ男」のルールどおり「夜明けまでに誰か一人を殺す」ことになりそうに。
以下、ポイントをかいつまんでお送り致します。


ホテルの中に悪魔崇拝の絵が!
キ○ガイ一家は悪魔崇拝者だったことが判明。

 
悪魔崇拝の成せる業か、ジャックがふたりに!
どちらかがニセモノで悪魔なのですが、お互いに「お前がニセモノだろ」「お前こそ」となすり合いの軽い漫才に。


阿鼻叫喚の逃亡劇を続ける4人の前に救世主が!!!
・・・ってこのツラ構えで本当に味方!!??
 
 
遂にブリキ男、登場!
しかし最後まで全くの存在感なし!勿体無い!せっかくカッコイイのに!

  
ブリキ男撃退の決め手は、闇に対抗する「光」のパワー。
ジャックとステファニーは光のパワーを分け合う・・・
って、もう支離滅裂だしファンタジー臭くなってきてるし、この構図ってモロ「E・T」。

 
ブリキ男の正体がついに暴かれる。
彼の素顔とは一体・・・?

色々詰め合わせ過ぎてハミ出た部分は「E・T」で終了と言う、何とも強引な作品で御座いました。

<超主観的評価>
ストーリー★★ スリル★★ テンポ★★ バカ★★ グロ★
総合★★

応援クリックして下さると光のパワーが手に入ります!(うさんくせぇー!)

にほんブログ村