安易にｺﾛﾅｳｲﾙｽの脅威を信じる人々が一番恐ろしい。
深刻になり、神経をとがらせる人々が、一番恐ろしい。
命を守ると言ひ出す人々が、最も恐ろしい。
信じてゐるからこそ曲げられない。
臆病者は曲がらない。
本当の話や本物は、
其れは話にも話題にもならない。
本物なら何の吹聴も必要ないからだ。
本物は曲解されても構はない。
本物こそ誰もが曲げやうとする。
誰もが本物を曲げる事で近づくのがやつとだ。
戦争も、震災もﾃﾞﾏに過ぎない。
少なくとも其の現象はﾃﾞﾏと変はらない。
ﾃﾞﾏを信じ、深刻になつた人々が無駄に傷つけ合ふ。
戦争や震災の頃もほんの冗談すら許されなかつた。
いつの時代も変はらない現象。
誰がｺﾛﾅｳｲﾙｽを知つてゐるのか、
ｲﾝﾌﾙｴﾝｻﾞすら止められない輩が何を言へるのだらうか、
そんな輩を信じる人々が国家機関と一緒になつて空騒ぐ。
貧相な数値ﾃﾞｰﾀに一喜一憂。
と、此処まで言ふと悪口に聴こへるが、
私は普通にさう思ふ。
だが、私は普通の営みはしてない。
私ですら、周囲に調子を合はせて深刻なそぶりをし、
仮面の営み。
そして人は此処でもｳｲﾙｽを誤解してゐるだらう、
彼等は単細胞でも、普通の営みをしてるだけでもない。
彼等こそ仮面の営み。
どんな学問も、宗教も、本物も、真実も、ﾃﾞﾏである。
其のどれも現象はﾃﾞﾏと変はらない。
違ひは現象だけを視ても分からない。
だが、少なくとも其れ等がもたらすものは違ふ。
其のもたらすものを、
そつと、
ずつと、
何気なく観察するしかない。
出来れば深い注意の中、
其の深さの中で。
見守ることに他ならない。
其の行為こそ愛と呼ばれるだらう。
だから、凡てのﾃﾞﾏも真実もやがて同じ処にまで行き着く。
ずつと見守り続けるのだ。
ﾃﾞﾏも真実も其処までゆけばなんでもない。
見守り続ける者にとつては、
凡てが営みの途中。