(②~)
みんなの前では
厳しく言ったくせに
叱られる…
そう思ってたのに
それからの控え室での
ソンジェさんのすべては
あまりにもやさしくて
その表情が
その声が
その仕草が
私の高ぶった気持ちを
やさしく鎮めていった。
「心配だったからね」
そう言って一番にしてくれたのはおしぼりで手を冷やすこと。
あんなに強くぶったら
手を痛めるんだよ。
…
…ぶたれた方冷やさなきゃ。もう私のことが好きなのね(*^^*)
「もう一回言ってくれませんか。心配だったって」
「二度と言わない」
そんないじわるを言いながらも言われながらも
私たちはこうして確実に着実に近づいていった。
そんな時に提案された
レッスン3=
「特別な存在になること」
週末に友だちの別荘であるパーティーに俺の恋人として同行してほしい。
そこで完璧に俺の恋人を演じられたら合格
目指せ一千万円。がんばります!!
そう言う私に
どうしてそんなにお金がほしいの?ってソンジェさんは聞いてくる。
隠そうとしたけど、ソンジェさんの押し付けがましくない親密さが心地よくて…自然と家のことを話してしまう。
君の意志の強さの訳がわかったよ。
その日の別れ際のソンジェさんの微笑みは
いつにも増して
やさしくて…
私はちょっと弱虫になってしまいそうだった。
葉山の別荘では
ソンジェさんが彼女を連れて来たことにみんなが驚く。恋愛は面倒だって言ってたのにって。
…いくら彼氏の設定とはいえ、ソンジェさんは近すぎる!!
「いいカンジだよ。その調子」
そっと耳元で囁かれてクラッとしちゃう。
…でもすぐに私はソンジェの様子がおかしいことに気がつきます。
全然表情が変わっていない。完璧な笑顔を貼り付けていてちっとも楽しそうじゃない。
ソンジェさんの周りってこんな人しかいないの?みんな媚びを売ったり
色目を使ったり。
ソンジェさんがありのままの姿でいられる場所はどこなんだろう…
私はふと淋しくなる。
葉山の夜は更けて
私がソンジェの友だちから言い寄られて
彼女なんて嘘だろどうせあいつのところのキャバ嬢だろうと私もソンジェも侮辱されるようなことを言われるという事件が起こる…
どこからともなく現れたソンジェさんは
友だちに掴みかかろうとした私を止めて
自分が殴った
思い切り…